夕方、大鳴門橋を渡りました。

運転してたので写真はないけど、淡路島の南端を走りながら大鳴門橋が見えてきた時には、「きれいな姿だなあ…」とちょっと感動しました。

 

徳島県に入り、すぐICを降りて、大鳴門橋の下にある遊歩道「渦の道」に来ました。

ここ「渦の道」は、前にも一度来たことがあります。遊歩道といっても、有料。

鳴門海峡を上から見るための施設です。

 

床には所々、ガラスが埋め込まれています。

大丈夫だってわかってても、この上は怖くて歩けなかった。

 

この時間は、渦潮はあまり発生していない時間帯。でも目を凝らして、それらしき潮の流れを探します…

 

「渦の道」の端っこまで進むと、大鳴門橋の構造をよく見ることができます。

この渦の道があるスペースは、将来的には鉄道を通すつもり?で造られているそうです。

そんなこととは知らなかった…実現するのかしら。

 

渦の道から見た、小豆島。

先っぽまで行って、引き返してきたら、もう5時すぎ。

 

大鳴門橋の橋脚が架かる一帯は、小高い丘になっていて、遊歩道が巡っています。

丘に登ってみました。

このあたり、島や湾が入り組んだ複雑な地形になっていて美しいです。

ゆっくりと、陽が沈んでいきます。

 

眼下に大鳴門橋。すっかりこの橋のファンになりました。

暗くなってきました。

ここから、入り組んだ海岸線を抜け、今夜の宿まで1時間弱。

 

グランドエクシブ鳴門という、ゴルフ場のリゾートホテルに到着。

何棟もあるようですが、いちばんリーズナブルな部屋で、バブルの名残っぽい設備でした。

夕食はうな重のお弁当を、のんびりとお部屋で。

サラダにサツマイモの輪切りが入ってたのが、珍しいな~と思いました。

 

朝起きてみたら、こんな景色だった。向こうに別棟が見えます。

朝の散歩で、別棟まで歩いてみました。

昨夜、この木々に盛大にイルミネーションが灯っててきれいでした。

ここでは毎晩がクリスマスみたいなんでしょうねー。

 

朝も部屋でお弁当を食べて、出発。

 

今日の午前中は、お遍路さん(のまねごと)。

鳴門のそばには、四国八十八か所霊場の第1番があることに気づいたので、お遍路さんって、どんな感じなんだろ?と思ったのです。

 

「歩いて回るのがお遍路さん」というイメージだったので、車を置いて歩きたい。

そして「せっかくだから1番から」。

 

そこで、

→第3番札所の金泉寺まで車で行って、駐車場に停めさせてもらう

→近くの板野駅まで歩く

→板野駅から高徳線に乗って、坂東駅へ

→坂東駅から徒歩で、1番札所の霊山寺へ

→1番霊山寺~~2番極楽寺~~3番金泉寺、と歩いて、金泉寺の車に戻る

というルートを考えました。

 

ところが。

金泉寺の周辺で道に迷い、時間をロスしてしまいました。

細いくねくね道、微妙に曲がっている交差点で、ナビの案内がよく把握できなかったのね…。

ようやく目的地にたどり着いた時には、列車が駅に来る10分前、時間ギリギリ!

 

ダメもとで、板野駅までの静かな住宅街を必死で走りました。

なんとか間に合ったみたい……板野駅。

 

小さな静かな駅です。そこそこ家はあります。

ホームに降りるのと同時に列車がやってきました。9:39発。

高徳線に乗るのは、初めてです!

 

畑や民家がひろがる沿線風景でした。

 

板野駅の次は、阿波川端駅。

 

その次が、坂東駅。

2駅だけ,、たった6分で降りるのが名残惜しいのですが、列車を見送りました。

 

坂東駅の駅舎とホーム。伝統的な関西の民家の雰囲気。

 

駅の外に出ました。

 

静かな駅前から、霊山寺まで歩いて行きます。

 

ず~っと、緑色のラインに沿って歩くと、霊山寺に着くようになっています。

 

街角には、お遍路さんのおもてなしステーションの貼紙がありました。開いてなかったけど。

 

門前という雰囲気になってきました。

 

坂東駅から10分ほどで、一番札所・霊山寺に到着しました。

 

「発願の寺」です。

 

お庭の池で、ハスの葉に乗って、お地蔵様の説法を聞く童子たち。

 

本堂の中はたくさんの燈籠が灯り、高野山の奥之院を思い出しました。

 

納経所。

 

室町時代から残る、多宝塔。

 

ここは一番札所ということで、お遍路さんに必要なグッズも売店で揃うということなのですが、売店は開いていませんでした。

マネキンは一揃い、身に着けていましたが…

 

一応、「発願の寺」にお参りをすませて、次に向けて歩きます。

 

さっき、列車できた方向へと、歩いて戻っていくことになります。

歩くのは、車の多い県道ではなく、昔の道、旧撫養街道(むやかいどう)です。

旧撫養街道は、徳島から四国内陸へと続く街道で、中央構造線の上を通る道でもあります(←これはブラタモリでやってた)。

 

さっき列車で渡った、水のない川を渡ります。

 

高徳線の鉄橋はすぐそば。

 

昔からの街道ですから、ずっと民家が並んでいます。落ち着いたたたずまいです。

お家の庭にある、咲き始めた水仙や、梅がきれいでした。

 

二番・極楽寺はこの先。

 

到着しました。

 

本堂。

 

そして大師堂。お遍路さんのお寺では、本堂と大師堂はセットで参拝。

 

ここも、広々としたお庭でした。

 

「弘法大師お手植」という杉。なかなかの大木です。屋久島の杉を思い出します。

 

右にある仏様は、百度お参りをした、名古屋の方の奉納で…ということを、お寺の方が話してくれました。

百回って「このお寺に百回」じゃなくて、八十八か所めぐりを百回なのだと…

 

次へ向かいます。お寺の裏を抜けて…

 

また、旧街道を進みます。牧場があったり、所々民家が途切れるところも。

 

それにしても、お寺にはお遍路さんがそこそこいるけど、お寺とお寺の間を歩いているお遍路さんは、ほとんど見かけませんでした。車で移動する人が多いのかな。

 

40分ほどで、第三番、金泉寺に到着です。

 

また、本堂と

 

大師堂。

このお寺は、源義経が、屋島の戦いに向かう前に訪れて戦勝祈願をしたと言うことです。

お庭には、「弁慶の力石」があるということなのですが、見落としました。お庭。

 

こちらの地蔵堂の中には、大師伝説の井戸があります。

のぞいて顔が映れば長生きするということで、覗いてみました。大丈夫でした♪

水が乱れて顔が映らないと、ちょっと心配になっただろう…。

 

金泉寺の駐車場に停めさせてもらっていた車に戻りました。

お遍路さん、88のうちの3寺を歩きました。

いつか機会があれば、また続きを。

 

お昼もすぎました。

午後は、大塚国際美術館に行く予定。

美術館のそばに来ると、近くの駐車場はどれも満杯。かなり遠くの駐車場まで案内されました。遠いので、美術館までは連絡バスで向かうことになります。

 

で、停めた駐車場、目の前が渦潮の観潮船乗り場でした。

 

ちょうど船も出るところ…ということで、先に渦潮を見に行くことにしました。

この船、海中が見えるグラスボートタイプ。

「渦潮を海中から見られる」ということです。

この、縦に伸びた水の流れが、渦なのだということなのです。ちっちゃいけど。

 

船のデッキの上に上がると、大鳴門橋の真下でした。昨日通った渦の道の床が見える!

 

下から見る大鳴門橋。下から見ても美しいです。

 

この日この時間はかなり好条件ということで、しっかり大きな渦潮が見えました!

 

渦潮観潮船は二回目ですが、今回の方が大きくてよく見えたと思います。

 

大鳴門橋を後にして、港に戻ります。

 

観潮船に寄り道をしましたが、今度こそ美術館へ。

 

でも、お腹が空いたので、まずはお昼ご飯。

カフェ・フィンセント。

 

カフェには、なんと「アルルの部屋」が再現されていました。

こう、実物にしてみると。

本当にこの通りだったとしたら、ゴッホはずいぶん派手な色の掛け布団を使ってたんだな~と思います。

 

この大塚国際美術館は、西洋美術の作品を高い技術で陶板に転写した、原寸大の精巧なレプリカ作品の美術館。

放送大学の美術の授業でも、何度かこの美術館でのロケがありました。

現地に行くのはハードルが高くても、ここで学ぶことが可能ですので。

 

さて、こんどこそ美術館の中へ。

(見始める前にエネルギー補給をしておいてよかったと、あとから実感することになります。)

 

いきなり最初が、システィナ礼拝堂です。

ただ、ここはイベントホールを兼ねていて、この日もスクリーンが設置されていました。

 

最初のフロアは、環境展示が中心で、祭壇全体や、聖堂全体をそのままそっくり展示。

こうしたものは、絵画作品と異なり、現地から動かして展示することは不可能なので、こうして原寸大で体感することができるというのは、すごい。

 

先日ポンペイ展で見たばかりの、アレクサンダー・モザイクもありました。(ポンペイ展でもレプリカ)

特に古代~ロマネスクにかけての展示は、圧巻です。

 

ジョット―の、スクロヴェーニ礼拝堂。

(現地へ行きたいな…)

 

そして、最初のフロアだけで、十分わかったことは、ものすごく広くて展示物が多くて、駆け足ですっとばしながら見て廻っても、たいへんな時間がかかるということです…。

(あとで確かめたら、展示ルートの距離は4Kmあるって…)

 

屋外には、モネの「水連」。この絵を屋外で展示できるというのも、陶板でしかあり得ない。

 

本やテレビの画面で見るのと全く違うのは、「原寸大」であること。

こんなに大きかったんか~、と思う作品がたくさんありました。

 

 

この美術館の特徴なのですが。

特に古代や中世の環境展示、フレスコ画など、動かしようのないものを日本で見られる貴重さについては、上にも書きましたが、もうひとつ。

 

「そうは言ってもレプリカ」であるから、カジュアルなんですよね~。

陶板だからガラスもないし。

子どもが走ってて、赤ちゃんが泣いててもどうってことないし、気楽に見て絵の前で「すごいね~」とかお喋りしてて、平気。

西洋美術の勉強に来る人もいるでしょうし、単なる「観光地」として立ち寄った人も多いでしょうし。

広い館内で、いろんな人が気楽に、めいめい勝手なアプローチで作品に接することができる、美術館であり「世界の名画」観光地。

そんな場所って、なかなかないし、それも貴重なことなんじゃないかな?と思います。

 

さらに、陶板としての、時間を経ても変色退色しない価値は言うまでもなく。

いつかまた、自分なりのテーマを持って見に来ることができたらな、と思います。

(今回は心の準備もなく来たので、あまりの大きさ、多さに圧倒されました…)