北陸新幹線の車窓から。高崎あたり。
5月に行ったので、「妙義山」「荒船山」と名前がわかるようになりました。
長野駅に到着。
善光寺口に出てから、地下への階段を降ります。
長野駅に来るたびに、いつも気になっていた「長野電鉄」。
とうとう乗る機会がやってきました♪ (これは帰りに撮った写真です)
成田エクスプレスと、東急のお古と…
こちらは、東京メトロの車両(銀座線?)。いろんな車両があって楽しいです。
東京メトロだったらしい車両の、普通列車に乗ります。
善光寺下の駅までは地下ですから、東京メトロの車両、お似合いです。
「善光寺下」から地上に出て、次の「本郷」という駅の名所案内には、
「ブランド薬師 3キロ 徒歩1時間」ってありました。
3キロに1時間かかるのは、どうも上り坂で、崖に架造りで建てられた景色のいいお寺らしい
「ブランド薬師」という名前といい、なんだか面白そうな場所です。
住宅街を抜けて、田んぼが増えて、山もよく見えるように。のんびりと走っていきます。
田んぼは、ほとんど収穫は済んでいるのですが、一部、稲刈り中の所もありました。
千曲川を渡ります。
千曲川の右岸に来ると、果物畑が増えてきました。
栗。
りんご。
ぶどう。
45分ほど田園風景を楽しんで、小布施駅に到着。
古びた柱がいい感じです。向こうには北信濃の山。
ホームでは、りんごやシャインマスカットを売っていました。
改札を出ます。
なんとなく前々から、「小布施で北斎を見て、モンブランを食べたいな~」と、漠然と思っていました。
こんなに暖かい秋の日に来ることができて、幸せです。
駅前で、町内周遊シャトルバスが来るのを待ちます。
しばらく経つと、かわいいバス「おぶせロマン号」がやってきました。
運転手さんはとてもフレンドリー、運転をしながら、いろいろと案内をしてくれます。
この周遊バス、1日券500円。
1回乗るだけではちょっと高めではあるのですが、「小布施名所めぐり」だと思えば秀逸。
町中をぐるっと廻っていきますので、町の雰囲気がよくわかります。
少し郊外に出て、これが町営住宅。なかなかおしゃれ。
山のふもとの、岩松院入口で降りました。
頭と目玉が大きめで、なんだか面白い仁王様がいる門を通って
最晩年の葛飾北斎が描いた天井画のある、本堂へ。
撮影は禁止ですが、お寺のHPに紹介あり。
天井画の鳳凰図、とてもとても大きくて、力強く、華やかでした。
見に来た甲斐がありました!!
あれだけの大きな絵を、破綻なく描くのは、すごい技量なんだろうな、と思います。
また、描かれてから170年が経っているにもかかわらず、色彩はくっきりと鮮やか。きわめて高価な原料を惜しみなく使い、原料の扱い方についても優れた技術を持っていたためと言われています。
(しかし天井画って、ずっと見上げていると首が痛い。)
このお寺には、小林一茶も訪れたということで、
「痩せ蛙負けるな一茶これにあり」
の句を詠んだという小さな池を、本堂から見ることができます。
今は池にカエルはいませんが…
縁側に鎮座していました。
他に、晩年に信州に転封となった福島正則の遺品や霊廟など。
帰ります。このお寺は小布施の街を見守るように建っていて、見晴らしがいい。
小布施町唯一の山、雁田山を背に、盆地の縁にあるお寺です。
雁田山の山すそに沿って、静かな道を歩きます。
のんびりした田舎道に、暖かく陽がさします。
そこかしこに、りんご畑。
電気柵に守られた畑もあれば、ない畑もありました。何の違いなんだろ?
しばらく歩くと、浄光寺。ここには、室町時代(1408年)建立の薬師堂があります。
「銀杏ご自由に拾ってください」
薬師堂へと登る石段は、これも古くからのものだそうです。
一見雑然として見えるけれど、石段の鼻先はきれいに揃っているとのこと。
確かに石がゴロゴロのわりに歩きやすい石段でした。傾斜が緩めのこともありますが。
石段を登りきると、薬師堂。真言宗のお寺です。
杉林を抜けてきた木漏れ日が、苔むした茅葺き屋根に揺れています。
この、木鼻の渦巻き模様は、室町時代の特徴なんだそうです。
この、蟇股も特徴的なんだそうです(下から見上げるとよく見えませんでした)。
お堂の中もよく見えませんでしたが、600年余、こうして森の中で地元の人に守られ続けてきたのは貴重なことだと思います。
再び、石段を降ります。
お寺の入り口あたりには、どういうわけか「スラックライン」というものが設置されていました。
綱渡りの綱の上でジャンプしたりする?スポーツなんだそうです。
これもお寺で運営してるみたい。室町時代の薬師堂とのギャップがすごい。
浄光寺を後にして、雁田山から離れ、町の方へとゆるやかに降りていきます。
「フローラルガーデン」でちょっと休憩。「オブセ牛乳」の工場の前も通りました。
広々した道を、少しずつ下っていきます。
向こうの山(黒姫山?)が、次第によく見えるようになってきました。
北斎館が近づくと、人が増えてきます。
駐車場から北斎館への道は、「栗の小径」。敷いてあるのは栗の材です。
北斎館の前に、高井鴻山記念館に寄りました。
高井鴻山は、小布施に北斎をいざない、パトロンとなって、浄光寺や祭り屋台の天井画を依頼した、幕末の小布施の豪商かつ文化人。
高井鴻山の屋敷が、そのまま記念館となっています。
これは、北斎が天井画を描いた屋台がかつて収蔵されていた、蔵。
「翛然楼」(ゆうぜんろう)。文人墨客が集った、鴻山のサロン。
かつては廃屋同然に忘れられていたのを、整備しなおしたそうです。
2階のお座敷には、同時のままという火鉢。大きな木をくりぬいて造ってあります。
この火鉢の前で、北斎も、鴻山にもてなされたはず。
この座敷から、庭を眺めます。(栗の小径が見えています)
隣接された展示室では、高井鴻山の描いた絵や、大きな幟旗など。
高井鴻山は、当時の文化人として、自ら優れた絵描きでもありました。
伊藤若冲の「鶏百態図」も展示されていました。
また栗の小径を通って、北斎館へ。
周辺には地元の和菓子屋?の工場などもあるのですが、雰囲気を崩さないような景観になっています。
北斎館は、小布施観光のメインとあって、周辺は賑やかです。
大きなメタセコイア。
栗の和菓子で有名な小布施堂。(お土産に栗鹿の子ケーキを買いました)
これも北斎亭というレストラン&和菓子屋。
で、北斎館に入ります。
まずは企画展、「北斎 視覚のマジック 北斎館所蔵名品展Ⅱ」。
北斎の版画の数々。
見ていると、遠近法など舶来の技法を取り入れているのがわかります。
有名な富岳三十六景から…
諸国名橋奇覧。かめいど天神たいこばし。
貴重な肉筆画の数々。
これは最晩年、90歳で描かれた「富士越龍」。
質量ともに見応えのある展示です。
そして、屋台。
北斎館は、もともと、この屋台を保存展示するために構想されたとのことです。
東町祭屋台。
屋台の天井には、レプリカが入れられているようで、屋台の足元に、本物が展示されていました。
天翔ける龍。細身で軽やかです。
鳳凰図。これでも、岩松院の天井画に較べたらシンプルな気がする。
こちらは、上町祭屋台。
同じく、屋台の足元に肉筆天井画の展示。
こちらが怒涛図(男浪)。
こちらは、怒涛図(女浪)。
超有名な「神奈川沖浪裏」よりも全体の規模が大きく、また波飛沫が点々と一面に飛んで迫力があります。
浪の周辺の花鳥図は、高井鴻山に依るものとのことです。これも華やかでした。
女波図の下部には、翼の生えた天使が描かれています。明らかにヨーロッパの影響。
北斎館を出ると、もう夕方も近い。でもまだモンブランを食べていない。
いい雰囲気のレストランがあって…
ありました、モンブラン♪
朱雀モンテビアンコ 単品でも税込み1,650円。コーヒー付き1,800円。
こんなに高いモンブランを食べるのは初めてだと思うが、入ります。
(どうも「モンブラン朱雀」というのが有名みたいですが。私はモンブランなら何でもいい)
歩き疲れた身体に、美味しい水をごくごく飲んで待っていましたら、すごく大きいモンブランがやってきました。こぶし大は優にあります。
マロンクリームの下は、アイスクリーム&ホイップクリームがたっぷり。
このあと、コーヒーも到着して、おいしくいただきました。
たいへん満足しました
そろそろ、駅に向かいます。
ちょうど、元気な小学生の下校の時刻でした。
所々に、蔵も残っています。
小布施駅に戻ってきました。
切符を買って、ホームで電車を待ちます。
向かいのホームでは、電車が展示されて、中に入れるようになっていました
向こうの山がよく見えます。飯綱山、黒姫山。
妙高、斑尾も見えました。
この案内板があったから、わかったんですけど。
4時過ぎの普通電車に乗り、さらに先へと進みます。
引き続き、山の姿。
途中の、「桜沢」という駅で待ち合わせの間に何となく。
山の斜面に集落が点在していました。
信濃竹原駅。駅舎、風情があります。
横手山の方から流れてくる川を渡りました。
この川を渡るときに、向こうに高い山が見えました。横手山や、渋峠のほうかしら。
いつか渋峠や、万座にも行ってみたいです。
川を渡ると、列車が坂を登っていくのがはっきりとわかるようになりました。
山がどんどん近づいてきます。
40分ほどで、終着の湯田中駅に着きました。
ちょうど5時。
本日の宿、旅館「金具屋」のお迎えの車が待っていました。