ボノロン2月号「炭やき小屋のカラスの巻」 | のんびり♪おさとう女子ぶろぐ☆ミ

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炭やき小屋のカラスの巻

むかしむかし

クヌギの巨木がそびえる

雪深い小さな村でのお話です。

 

その日も雪が降っていました。

お店が立ち並ぶ道を

籠を背負った少年が歩いています。

 

 

「炭~~~炭はいらんかね~っ!」

 

籠には炭が山のように積まれてます。

少年は不自由な炭やきのおじいさんと

二人っきりで山に住み

こうやって村に一人で炭を売りにくるのです。

 

少年のお顔は、炭を焼く煙でまっくろ。

お顔だけじゃなく、手足も髪の毛も真っ黒です。

だから村人たちから

カラス

と呼ばれていました。

 
 
 
 

 

「おい!カラス!炭を買ってやるぞ!」

靴屋から若者が手招きをしています。

 

カラスが靴屋の前までくると

若者は大声で

「こら!店に入るな!靴が汚れるだろう!」

 

カラスは、「すみません」

炭をひと束お店の前に置きました。

 

若者はカラスの足元にお金を投げ捨てました。

 

お金を見てカラスは

お金が足りないと言うけど

若者は

「他でも、炭は買えるんだぞ。それで十分だろ!」って

カラスは文句も言わず

「ありがとうございます」と言って

お金を拾った。

 
 
 

 

子供たちに雪玉を投げられたり。。

 
 
 

 

カラスはクヌギの巨木のそばで

思わず、涙がこぼれ

クヌギの根元に涙が落ちました。

 

すると

低く優しい声が聞こえてきました。

 

「馬鹿にされて悔しいロン?」

カラスは巨木の声だと思いました。

 

「クヌギ様、もう慣れました」というカラス

 

「なら、なんで泣くロン?」

 

「オラには遊ぶ相手もいない

山には、じいちゃんだけだ。

オラも友達がほしい。。。」

 
 

 

「ならば、その願いを叶えてやるワン!」

 

突然、巨木の枝から雪が流れを落ち

カラスの前に、オレンジ色の巨人と一匹の犬が

現れた。

 

「オデは、ボノロン!オメの願いを

叶えるために巨木の森タスムンから

やってきたロン!」

 

犬が吠えます

「オイラは相棒のゴンだワン!」

 

 

 
 

 

ボノロンがカラスに小さな袋を渡しました。

「これには、石鹸が入っているロン

これで、体を洗ったら願いが叶うロン」

カラスは首をふります。

「石鹸だったらいらないよ。

今までいろんなものを試したけど

真っ黒のままだった。」

 
 

 

「これは、タスムンの木の実で作った

特別な石鹸だロン!!

必ず、ピカピカになるロン!!」

「それで、村に行くんだワン!」

ボノロンは自信たっぷりに微笑えんで

「きっと友達以上の宝物が見つかるロン」

 
 
 
 

 

次の日

「炭~炭~炭はいらんかね~っ!」

炭の入った籠を背負った美しい娘が村を歩いています。

 

そのあとを、子供達がうっとりと見とれながらゾロゾロと

ついていきます。

「あんな美人のお姉さんなんか見たことないぞ」

「なんか、いい匂いもする!たまげたなぁ!」

 

実はこの娘はカラスです。

カラスは女の子だったのです。

 
 

 

その時、靴屋からあの若者が飛び出してきました

「おいおいおい!炭を売ってくれ!!」

若者はカラスのお手手を掴むと

たくさんのお金を握らせました。

「炭を全部くれ!明日も明後日も毎日来いよ!」

「ありがとうfございます」とカラス。

「お前の名前は?」

カラスは微笑むと

名前も告げず歩き去った。

 

 

帰りを急ぐカラスがmクヌギの巨木までくると

いつも炭を買ってくれる

小さな食堂の若者が待っていました。

カラスは知らん顔して

そのまま通り過ぎようとすると

若者が声をかけてきました。

「カラス、炭を売ってくれないのか?」

カラスは驚きました。

この若者にはカラスだとわかるのです。

 

「ご・・・ごめんなさい。今日おは売り切れてしまったよ」

若者は今のカラスに驚きもせず

いつもの通りです。

 

 

「だったら、明日は、頼むよ。

お前のじいさんの炭は

火の力が強く、いつまでも火が消えない。

おまけに煙のにおいがしないんだ。

うちの料理は、じいさんの炭じゃないとダメなんだ」

カラスは炭を褒めてくれて

嬉しくなりました。

 

 

 

 

「あのオラは、カラスじゃない。ユキノだよ」

若者は微笑み

「そうか。じゃあ、ユキノ!

明日もここで待ってるよ!」

そう言うと若者は言ってしまった。

 

 

ユキノがぼんやりと若者を見つめていると

足元から声がしました。

「どうやら宝物を見つけたワン」

ユキノはお顔を赤らめて

小さく返事をしました。

「・・・はい」

 

 

それから数年後

山の中の炭焼き小屋では

あの食堂の若者とユキノが

なかよく、炭を焼いています。

ふたりは、あれから、お友達になり

そして結婚したのです。

 

 

そんなふたりをお空の上から

ボノロンとゴンが笑顔で見つめています。

 

「ユキノは、最高の宝物を見つけたワン」

ボノロンは優しくうなづきました。

 

「あの若者は、上辺なんか気にしないロン。

人でも物でも中身を見分ける力を持ってるロン」

 

「きっとユキノは、そこを好きになったんだワン」

 

「ああ。そしてユキノも同じ力を持ってるんだロン」

 

 

若者は食堂をやめて今では

亡くなったおじいさんの代わりに

炭を焼いています。

ユキノも若者も

お顔は煙で真っ黒です。

それでも、ふたりは

しあわせいっぱいの笑みを浮かべて

いるのでした。

 

 

しあわせが伝わってきて

心が温かいおねがい

温かい涙が出るお話

 

 

 

 

 

 

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セブンのコーヒーの機械の横にある感じの

冊子です。

偶数月の15日過ぎぐらいに出ます。

 

お子さんに読み聞かせてもいいと思います。

 

いつも、感動して泣いてますえーん