2019年に公開された映画。海外に移住することを夢見ている主人公の青年が、ブータンの山奥の村へ教師として派遣される物語。山奥の僻地にある村は、標高4800メートルで、主人公のいる都会からバスで2日、徒歩というか登山で6日かかる。主人公は着いた早々に弱音を吐くが、村人の大歓迎と教師が来て学校が開かれるのを楽しみにしていた子供たちの様子から、徐々に村になじんでいく。

 

映画上映主催者による鑑賞後の解説によれば、主なプロの俳優は3人しかいないとか。主人公、主人公を山奥の村ルナナへ案内する村人、そのルナナ村の歌い手の女性だと思われる。登場人物の役の名前があるのはその3人。エンドロールのキャストが変だと思ったのは、そのせいだった。

 

子ども達や村人のほとんどは、その村の本物の住人たち。学級委員をしているペム・ザムという少女がたどたどしく話す様子が可愛らしい。この少女の名前はどうやら本名で、民族衣装も暮らしぶりも本物。本物のその地域の子どもということ。子どもたちだけでなく村人も。映画はフィクションだけどノンフィクションでもあるみたい。ペム・ザムちゃんの笑顔や表情が印象的で忘れられない。

 

主人公はそんな僻地の村に派遣されて、夏季の間だけとはいえ、どうしてその村の生活に適応できるのだろう。私は富士山に登ったことがあるけれど、富士山以外の登山経験ではあまり感じない鈍い頭痛、高山病の一種を感じたことがある。頭痛とか体調不良とかならないのかな。

 

ブータンの首都ティンブーで標高2500メートルなのだとか。国のほとんどがそもそも標高が高い国なのだ。お湯が沸騰しても100度にならないので、料理も地上と大きく変わるはずなのに。国民が皆が標高が高いところに慣れている国民なのだ。なんだかたくましさを感じた。

 

 

このチラシの少女がペグ・ザムちゃん。2019年は4年前。撮影はその前だろうから、今はもう大人に成長しているのでしょうね。