仲見世を過ぎ、宝蔵門を越えて境内に入ると、通路の真ん中に常香炉が線香の煙を立てています。必ずこの煙を浴びるのがお約束。身体の悪いところに煙を浴びると良くなるとか。煙が高く昇るものなので、だいたい頭に煙を浴びせます。この常香炉、一番人出のあるお正月の三が日は場所が端に移動します。移動式なのですね。

そして、お水舎で手水。彫刻家の高村光雲による水神の像があります。手水の作法はひしゃくで水を汲み、左手を清め、ひしゃくを持ち換えて右手を清め、ひしゃくを持ちかえて左手で水を受けて口をゆすいで、最後ひしゃくを立てて残った水でひしゃくの柄を清めるのが、趣があって好きでした。近年のコロナ禍でひしゃくは撤去されました。今は水神の下の水が出るところに細いホースが取り付けられ、直接手を洗えるようになっています。

そうこうして、浅草寺の階段を上がり、中のお堂が見える賽銭箱に賽銭を入れ、お辞儀して手を合わせてお祈りします。お賽銭は穴の開いている5円の硬貨がお気にいり。ご縁がありますように。10円はとうえん、遠縁につながるので入れません。

お堂の中を眺めたり、天井の絵を眺めるのもお約束。ああ浅草にまた来れて良かったと感謝する瞬間です。そして、お土産、お守り売場を眺めてから境内に降ります。

境内に降りたら、次は、おみくじを引くのが好き。ただ浅草寺は凶が出る率が高いのことで有名です。私も何度も出たことがあります。凶は今が一番悪い運勢ということであとは上がるだけとも言えて、ある意味幸運でもあるのですが、ついもう1回引いてしまいます。そして、凶のおみくじは必ず結んで帰ります。