英語のセンセーが仰った。
「私の生徒がみなあなたのように熱心だといいのに。」
『・・・相当な皮肉だな』
ちょっとムッとしてしまった。
「私の復習と予習が少ないのは分かっています。レベルの低さも自覚しています。
いろいろ理由をつけて勉強していないのは確かです。
でも先生から英語のレッスンを続けて欲しいと思っています」

先生は慌てて言い直された。

「いえいえ、あなたが一番熱心ですよ。本当です。」
「わかりました。でも冗談だと分かっています。次のレッスンはちゃんと予習します。」
「いえいえ。毎回テキストやノートを使わず、ただ会話だけの生徒は多いのです。」
「それは既に会話のレベルやスキルが高いから忘れないようにしているだけだと思います。」
「いえ。初級レベルです。確かにネイティブのように話せる人はいますが、全くメモをしません。
その生徒が正しくスペルを書けるかは分かりません。
テキストを使うよう提案をしてもその生徒が求めているのは会話をすることなので私からは意見は言いません。
不思議なのはずっと初級のままただスタバなどで会話だけをする生徒です。もし私が生徒ならば先生に聞きたい質問はやまのようにあります。
でも彼らは何も質問しません。
だから毎回同じ間違いを繰り返します。とても不思議です。」

私のセンセーは1時間あたりの授業料が一番安い。
おまけに日本に来てまだ2カ月。
段々とボキャブラリーは増えているようだがそれでもまだまだ。
中途半端な日本語を話されるのが一番困るので、全く喋られないかネイティブレベルかで選んだ。
中途半端な日本語だとともすれば私が先生になってしまう。
先生が仰った日本語が変だと思えば、それを英語や中国語で直すかこういう風に言う方がいいと提案をします。
日本語で直していたらあっと言う間に15分ぐらい経ってしまう。

授業が終わってお互い時間がありお茶をしながら日本語を話すのなら全くOKだし私も楽しいけれど。
私は先生の時間を買っているという意識なのでその時間を無駄にはしたくないと思う。
冷たいのかも知れない。
「カフェ・レッスン」の主旨とずれているのかも知れない。
ありがたいことに英語と中国語の先生お二人とも私と同じ某会社の携帯を利用している。
なのでときどき日本語でメールをする。
先生が理解しようとしまいと構わない。
「分からない単語は辞書を引いてください。日本語の勉強になりますよ!」と言っています。
結構喜ばれます。

また先生たちが仰っていたことで気になることがひとつある。
当日のキャンセルだ。
勿論風邪だったりやむを得ないことは起きる。
でもその時間をその生徒のために用意し、他の予定を入れなかったことを考えれば授業料は支払うべきでは?と思ってしまう。
勿論、先生からキャンセルに関する規定を告知するべきだと思うが、先生たちの共存社会でははっきりと言いにくいらしい。

日本語のスキルが高く講師歴が長いと言えるらしいけれど。

当日ドタキャンをするなら然るべき授業料は確保されるべきだと思うのですけど。
今はこれが普通なのかしら。

それより本当に私が一番熱心な生徒ならば世も末だ。