朝から看護師さんに

主人と息子達をなるべく早く呼ぶように言われた。


昨日の昼は少し尿が出たのに昨夜からまた出てない。


でも見た感じヒナピの様子はそんなに変わりなく

酸素も10から6に下げたり、

アイスンノンで脈も少し下がっていた。


いつものように体を拭いて着替えさせて。

呼吸器をVivoからVelaに替えた。



主人達は朝食を急いで食べて10時ごろから来てくれたけれど

ヒナピの変わりのない様子に拍子抜けしたようだった。


それから末梢点滴のルート取りが始まって、

いつもの入れ替わり立ち替わりで

なんとか取れた!!

これで安心だと思った。


先生から説明があり

「いつどうなってもおかしくない状態」だと言われた。

「もしもの時は心臓マッサージはしますか?心臓を動かすためのアドレナリン(ボスミン)は投与しますか?」

と聞かれた。

涙は出たけれど全く実感はなかった。


全くそんな状況になるなんて想像もしてなかった。



またフロセミド(利尿薬)の投与が始まった。


これで大丈夫だと思った。


今まで何回も危機を乗り越えて来たヒナピ。

今回も乗り越えるはずと思って疑いもしなかった。


昼が過ぎて、私の母も来てくれた。


尿が出ないまま夕方になったけれど、

何ら変わりが無いので息子達も明日の学校に備えて帰ることにした。


長男がヒナピに「今日は餃子を食べて帰るね。ヒナピも退院したら一緒に行こうね。バイバイ」と帰った。


それから1時間も経たないうちに

サチュレーションが少しずつ下がり始めた。

いっぱい先生が来た。

担当医も寝癖で駆け付けた。

「サチュレーションが60以下なったらボスミン投与します」と言われた。


私はえ!?って感じだった。嘘でしょ??

え??さっきまで平常だったよね??


サチュレーションが80台になった。


看護師さんに「お父さんは?」と言われたので電話をかけた。


主人「今食事が来たところだから30分以上はかかる」って。

私もまだその時はまさか緊急とは思はなかったので

そのまま待とうと思った。


それから20分後くらいだろうか

サチュレーションが68になった。

ボスミンが投与され始めた。


少し持ち直したサチュレーションを見て

まだ大丈夫ヒナピは戻ってくると思ってた。


看護師「お父さん達は?ご飯のお持ち帰り出来ない?」


電話をかけたら「急いで食べたから今向かってる。」って。



またサチュレーションが下がり、

またボスミンを2度投与した。



さらに慌てて電話をかけた。

私「もうアドレナリン何本も打ってる。もう、あなた達を待つ為だけの状態」


主人「もう病院着いたから」


その時もう無理やり生かすのはやめてと思ったが

最後のボスミンを打った。


看護師達の「ヒナピ頑張って」の声にもう心が無かった。

その頑張っては「頑張ってもう少しだけ待ってあげて」ってこと。

家族を死に目に合わせるだけの行為。



最後のボスミンはもう効かずすぐにサチュレーションが下がった。


主人と息子達が来た。


下がっていくサチュレーションを見るだけ。


私は「嘘やろ?ドッキリ?夢かな?」って思った。


でもあれよあれよと死んでしまったヒナピ


ただただ泣けて泣けて。

嗚咽が止まらなくて、みんなが退くぐらいわんわん泣いた。


水ぶくれで背中カチカチで凄く重くなったヒナピを抱いた。


医師「午後8時45分死亡確認しました」


私「嘘や!まだ何もしてないやん!何も楽しことしてないやん!痛いばっかりやん。嫌や。マミー嫌や。

寂しい。ヒナピおらな寂しいよー。」


私の叫び声が夜の病棟に迷惑に響いただろう。


あっとゆーまの出来事だった。