七十二候が大寒の初候「款冬華 (ふきのはなさく)」に変わり
ふきのとうが出始める頃となりました。




「欵冬(かんとう)」とは蕗(ふき)のことを指しますが、「冬の氷をたたきやぶる」
という意味で、

冬に氷を破って生えるところから蕗(ふき)の異名となったそうです。

寒さが厳しい時期に、ふきのとうが雪の間から顔をのぞかせている光景は、春が近いことを教えてくれますね。
私はふきのとうの天ぷらやふきみそを作っていただくのが大好きで、楽しみでなりません。



今、梅の花が美しい時期でもありますが、もうご覧になりましたか?


私のお散歩道に梅のコーナーがあるのですが、その梅はいつも遅咲きで、ちょうど河津桜が咲く来月あたりに咲くので
まだこの冬の梅の花に実際には会えていないのですが、

昨日、絵手紙で梅の花の作品を作りました。
 

 

 

消しゴムで梅の花のハンコを彫って作って押したもの。
あまり得意ではない作業だけど頑張ってみました(笑)

「梅経寒苦発清香」
(梅は寒苦を経て清香を発す)という

禅語の言葉に惹かれて、引用しました。


厳しい風さにさらされながらも

それにじっと耐え、春が近づくと

真っ先に小さな花をほころばせ、

清らかな香りをただよわせてくれる梅の花

生き方を学ばされます。



先週は初釜でもありました。
訪問着を着ていこうと思い、選んだのは、

30年程前、ボーナスをはたいて
買った辻が花の訪問着

 


大切にし過ぎて、数える程しか着てなかったのです。
アラ還が若かりし頃の訪問着を着ても良いかしら?とチラッと思いましたが、
迷った結果、遠慮しないことにして(笑)着て行きました。

お正客をつとめさせていただき、初釜のお席ならではの、
金箔の島台茶碗でお濃茶を頂けて感激でした🤩

茶軸の言葉は「寿山」
茶花は万両に紅白の椿

花びら餅、末富のふのやき、初茄子のお菓子も
この時期だからこそ頂けるお菓子で大変美味しく頂きました。


この日のために師匠が用意してくれたお棗は、
富士山の雪に卵殻が、雲間には螺鈿(らでん)が施されており
大変美しく、見惚れて目が離せず・・・(笑)

お棗に富士が、お菓子に茄子がありましたので、
「一富士二鷹三茄子」ということわざが話題になりましたが、
このおめでたいことわざには続きがあるんですって!

「四扇(しせん)、五煙草(ごたばこ)、六座頭(ろくざとう)」

という言葉が続くのだと学びました。

もっと知りたくなって、帰宅してから調べたところ、このようなことを学びました。

「四扇」は、祭礼や舞踊の小道具としても使われる「扇」を指す。
商売繁盛や子孫の繁栄を願う末広がりの形から、縁起が良いとされる。


「五煙草」は、煙草の煙が上にのぼることから、縁起ものとして扱われており、
幸運や運気の上昇を象徴していたと考えられている。


「六座頭」の「座頭」とは、琵琶法師の座に所属する盲目の演奏家のこと。
剃髪していることが特徴で、頭に毛がないことから「怪我無い」、つまり家内安全を願う象徴とされて来た
と。



私の心の内から
「あなたもう還暦過ぎているんだから、年相応の着物にしないさいよ。」とか、
「着物を着て朝早くから出かけるって面倒だなぁ」とか、

(初釜のため、普段のお稽古よりも2時間前に到着する必要が有ったのです)

もう一人の自分の声が聞こえて来たのも事実。


だけれども、それは、私の声のようで本来の私の声じゃないと受け止め、

うまく付き合っていき、一歩足を踏み出してみることで、たくさんの感動と出会えました。

日本に生まれてきたことへの感謝、日本の精神文化への愛が込み上げる一日になりました。