この回は色々と心に残る場面が多かったですね。

 

予想に反して最後の練習でも、コンクール本番の場面でさえも演奏は流れませんでした。

 

しかし演奏を聴かせる以上に視聴者の心に届く内容だったと思います。

 

最後の練習から本番直前にかけての皆の緊張感の高まりや高揚感。見ているこっちも緊張するくらい。そして本番演奏後の安堵感、達成感、余韻など、演奏そのものの場面がない分、丁寧に描かれていました。

 

最終練習に向けての移動中のバスの中では希美とみぞれの姿が。この二人の関係についてはシーズン2の第3回目で語られましたが、最終練習へのバス移動の場面にさらっと映し出すという演出。みぞれはバリバリのコンクールメンバーですが希美はリザーブのままなのかな。そうすると希美はみぞれのオーボエを会場で聴くことになるのでしょう。

 

そして本番前日の最終練習のシーン。

滝先生の言葉から始まります。

「では、始めましょうか。いよいよ明日が本番になりますが、焦らず落ち着いていつもどおり音を重ねていきましょう。」

部長晴香の合図でB♭でチューニングです。オーケストラではAで合わせますが吹奏楽ではB♭が基本。B♭管が多いからね。この練習風景で音が聞かれたのはこの時のB♭のチューニングの音だけでした。それがなぜか余計に緊張感が伝わってきます。

 

そして本番前日の夜の宿舎。

消灯後寝付かれずに部屋の外に出た久美子は同じ状態の秀一に偶然(ほんとか)出くわします。

秀一「なんかさ、ちょっと不安なんだよな。」

久美子「本番?」

秀一「うん、なんか寝つけなかった。」

久美子「私もだ。コンクールが終わるのが怖いのかも。」

こういう描写にも自然に緊張が伝わってきますよね。

 

このアニメに登場する男子高校生のうちまともな人格を与えられているのはこの秀一くらい。あとはチューバの後藤がほんの少し人間らしい扱いを受けていますが、ほかはモブ扱い。良くて刺身のツマ。まさに女性天国ですな。京都橘の男子高生はどうなんだろうね。実態はわからないが表面上はあまり目立たない。女子と違って爺さん連中の注目も殆どない。女子の引き立て役程度の扱い。

 

それはおいといて、

 

秀一はここで持ち歩いていた誕生日プレゼントを渡します。いやいやおかしいだろ、偶然じゃないだろ。ずっと持ち歩いてたのか。夜寝られなくてたまたま外に出るのにも持ち歩いてたなんて有り得ないだろ。待ち伏せしてたんじゃないのか、純情だなあ秀一。わかってやれよ久美子。

 

そんなこんなで前日の夜は過ぎて本番の日がやってきました。

 

本番前の各校が次々と姿を現します。精華女子がモデルの清良女子も登場。刻一刻と北宇治の番が近づいてきます。

 

そして会場には葵の姿が映し出されています。シーズン1のなきむしサキソフォンで主役を張った葵は何を思って北宇治の演奏を聴くのでしょうか。あえて何の説明もなくチラッと映し出すだけで、深読み好きな視聴者が勝手にいろいろ想像をたくましくして色んな意味を持たせてくれます。

 

そしていよいよ北宇治の出番。本番直前の滝の挨拶、部長晴香、副部長あすかの挨拶、掛け声と続きます。

 

鎧塚みぞれがリードを口にくわえて、「今日一番のリード」とつぶやきます。何枚も削って備えてたんでしょうね。ダブルリードは大変だ。

 

そしてユーフォのあすかと久美子。あすかは審査員であるお父さんが聞いてくれます。久美子はお姉ちゃんが来てくれてます。声を掛け合って本番の舞台へ。

 

そして本番の描写は一切なくて、場面はいきなり本番終了後に飛びます。憎い演出ですなあ。

 

空を見上げる麗奈、希美とグータッチするみぞれ。

 

他校の演奏が続いています。めいめいが結果発表までの時間を過ごします。緩やかだけどドキドキする時間が過ぎていきます。

 

録音CDを3つ購入するみどり

 

晴香、あすか、香織の三年生はチョコバナナパフェを食べに喫茶店へ。もう部長でも副部長でもないと言いながら。そんなことはないけどね、二年生に引き継ぐまでは。

 

各自思い思いの時間が過ぎ、いよいよ結果発表です。各校の表彰に先立ってまず指揮者賞から。各校の指揮者である顧問の先生にそれぞれの生徒たちから掛け声が飛びます。この風景、所さんのわらコラでも見たなあ。

 

焦る北宇治高校の部員たち。どんな掛け声をするか事前に決めてなかったからです。肝心の部長と副部長は壇上です。

 

そしていよいよ滝先生の出番。

高坂麗奈が突然立ち上がって叫びます。

 

「先生!好きです!」

 

さすがですね。思い立ったら真っしぐら、周りのことなど目にはいらない、計算も打算も何もない純情真っ直ぐな高坂麗奈の真骨頂。そんな麗奈が好きよ。

 

大観衆のド真ん中で一世一代の大告白ですが、部員たちは大喜び。誰もほんまもんの告白とは捉えていない様子。けど何人かは疑ってかかってても不思議はない。

 

そしていよいよ各校の成績発表です。部員たちが固唾を飲んで見守ります。最初の高校は銀賞でした。リアリティあるね。次々に発表されていきます。悲喜こもごも。

 

そしていよいよ北宇治高校というところで突然表彰のシーンが終わって場面が変わります。各賞コールのシーンは省略です。もったいぶりやがって。

 

そして一足飛びに集合写真のシーンへ。映し出された賞状に記されていたのは「銅賞」の文字。

 

部員たちはそれほど泣き崩れたりがっかりした様子はありません。でも悔しいでしょうね。金、銀、銅のどれかには割り当てられるとはいってもやはり金が欲しいでしょう。

 

ここで滝先生から高坂麗奈へ思いがけない言葉がかけられます。

「高坂さん、先ほどの声かけありがとうございました。」

「実を言うと少し自信がなかったので、うれしかったです。自分のやりたいことを押しつけてばかりで、皆さんには好かれていないと思っていたので…」

 

クールなイメージで通していた滝先生ですがこういう一面もあるんですね。部員の目を結構気にしていたとは。しかし、素直にうれしかったと言えるところが人間ができている。

 

個人的に一番ぐっときたのは美知恵先生と晴香が抱き合うシーン。

「小笠原、頑張ったな!」

「先生苦しい!」

 

例の集団退部騒動の後の荒れた状態の中、とっとと見切りつけて部長就任を回避した小狡いあすかに代わり、あえて火中の栗を拾いに行った晴香。それを優しく温かく見ていた美知恵先生。

 

目立つ場面はあすかに譲って地道に吹奏楽部がまとまるように心を配り続けた晴香の姿を美知恵は見守り続けていたのです。そんな二人の抱擁。泣けますね(泣かんけど)。

 

ここで滝先生からあすかと久美子に審査員進藤正和の伝言が伝えられます。もちろん滝先生は進藤正和があすかの父親であることは知りません。

 

伝言の内容。

「よくここまで続けてきたね、美しい音色だったよ、と。どちらか お知合いですか?」

 

こりゃ嬉しいね、あすか。これで完全にあすかの目標は達せられました。もはや思い残すことはないでしょう。

 

一方、久美子は会場を出る麻美子を見つけて追いかけます。麻美子は知ってか知らずかスタスタと先を歩いています。必死で追いかける久美子。やっと追いついて叫びます。

「お姉ちゃん、私ユーフォ好きだよ。お姉ちゃんがいたから私、ユーフォ好きになれたよ。お姉ちゃんがいたから、吹奏楽好きになれたよ。お姉ちゃん、大好き」

麻美子は答えます。

「私も、大好きだよ」

 

実の姉妹が路上で大声で人目もはばからずこんなこっ恥ずかしいことを臆面もなく言い合えるなんて、素晴らしいですね。そんな姉妹、ザラにはおらん。

 

さて、今回はこれまでの全てが凝縮されたような内容でしたね。もはやこれが最終回と言ってもいいような気がしましたが、次回の最終回はどんな内容になるのでしょうか。

 

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