神様は信じている。けれど、八百万の神がいる日本で育った私には
一つの神だけを崇拝するのには、正直かなり抵抗がある。
昔、ノートルダム大聖堂で、賛美歌 聞いただけで、鼻たらして大泣き
してしまったそれは、神の愛に触れた有難さ以外何物でもない。
だからといって、クリスチャンになったわけでもない。
問答無用で、神の意志に従えばよいのかもしれないけど、、、。
教えの基礎となる部分は同じでも、仏教のほうが心の自由というか
弱い自分を認めてくれて、実践の過程において、段階が明瞭に分れて
いて、苦しみから救われ、また人々をも救うこともできる状態になれる。
大勢の人の前で、「私は神になる」と叫んだら救急車呼ばれそうだけれど
「私は菩薩になりたい」といえば、素晴らしい思いを持った人の認識になる。
心の訓練である仏教の考え方は、神が定めた決まりだからやってはならない
ではなく、それは自分自身にとっても苦しみを作るものだから、そのことに
気づいてやめましょうというもの。
天国と地獄の解釈も、当然違ってくる。(また機会があれば書こうと思う)
以下、吉村先生の解説を引用させていただく。
仏教の実践というのは、簡単にいえば、自分の行為をより広い視点から考え
その視点をどんどん広げていくことにあります。状況そのものを変える
ことは簡単ではありません。しかし、より広い視野で考えることができれば、
意外な解決法があるかもしれませんし、少なくとも、今の状況がさほど
たいしたものではない、耐え難いほどのものではない、と感じることが
できるようになります。(中略)輪廻や因果応報というのは、迷信ではなく
自分のおこないをより広い視点からみる為のテクニックなのです。
吉村均 著「空海に学ぶ仏教入門」より