類の家に到着すると既に類は邸のアーチの所で
あたし達が到着するのを待っててくれた。
「類こんな時間にごめんね。
外寒かったでしょ?」
「気にする事ないよ。眠れなかったから逆に丁度良いくらい
牧野に感謝しないとね。」
「さぁーホームドクターが待ってるから
二人とも早く入って!!」
類・・・お願い。
どうかそのまま振り向かないで・・・・
あたしはできるだけ大袈裟な感じで明るく振舞い
出来るだけ下を向いて邸の中を歩く。
演技派?な自分に少しだけ感動したが
すぐに現実へと引き戻される。
使用人の誰かがあたしの状態に気づき
「牧野様・・・どうされたのですか?
大丈夫ですか・・・?いったい誰がこんな事を・・・・」
その言葉で花沢類が気づき、後ろを振り返って凝視していた。
「牧野・・・・それ・・・・・」
「類、今は理由を聞くよりも治療が優先だ。
傷を見れば深い事くらい分かるだろう?なぁ?
理由なんて後からいくらでも聞ける。だろう?」
「牧野。ちょっと黙っててね。」
「類、重いから離して。明日歩けなくなっても知らないよ。」
「歩けなくなったら明日は1日中牧野と寝てるから構わない。
だから少し黙ってて。牧野の1人や2人全然平気だから。」
「類・・・・・・」
類に担がれ心地よくなったあたしは泣きつかれたのか
そのまま眠りの世界へと入ってしまった。
「すみません・・・この子の治療をお願いします。
少しでもこの子の傷を目立たなくしてやって下さい。」
「出来るだけの事はしてみます。
それでも、のちに皮膚移植が必要になるかもしれませんが」
「それでも構いません。目を覚ました時に少しでも
彼女がショックを受けないようにしてあげて欲しいんです。」
お願いしますと深々と頭を下げる類を見て
正直ホっとした自分がいた。
牧野の事になると司と同様、何をするか分からない類が
冷静に動けるようになった事に感動した。
俺らは牧野の治療が終わるまで近くのゲストルームで
話しをする事にした。
「ね、あきら。総二郎はこの事を知ってるの?」
「まだ離してない。牧野を連れてくるのに必死だったからな。
類にもちゃんと説明できないままだったろう?」
「総二郎もここに呼んで!」
「牧野の許可なしに総二郎にまで話すのか?」
「守ってくれる見方は一人でも多く居た方がいい。
それに、あの傷。やったのは司でしょ??」
「はぁ?何で司があんなけ大事にしてた牧野に
そんな事をするの?さすがにそれは・・・・」
「この頃、ずっと牧野は元気なかった。
多分、司の政略結婚の件どこかで聞いたんじゃないかな?」
「でも、それが理由だったとして・・・
司が牧野に手をあげる理由は?」
「十分にあるでしょ?牧野が一方的に司に別れを
告げたとしたら?」
「それは・・・。」
「もしやったのが本当に司だったとしたら
あそこまでやったんだ。暴力だけじゃ済まないと思うけど・・・」
「それって・・・・・・まさか。」
「多分ね・・・・・
あきら、アフターピルだっけ?すぐに用意出来る?」
「出来なくは無いけど、寝てる牧野にどうやって飲ませるんだ?
それに本当にそこまでやられたかなんて分からないし。」
「やられたかやられなかったか、真実なんてどうでもいいよ。
何ヶ月かたって、妊娠してましたなんて牧野が傷つく姿を
見たくない。それに、もしやられてなかったとすれば、ただ
薬を飲んだだけで終わるわけでしょ?」
「分かった。すぐにピルは俺の方で用意する。
だから総二郎には類から連絡してくれ。」
「あきら頼むよ。」
「あぁ。用意できたら戻ってくるから。
それまで牧野のこと頼むぞ。」
「頼まれなくても見てるから安心して。
牧野は俺のソウルメイトだからね。」