- 上橋 菜穂子, 二木 真希子
- 闇の守り人
守り人シリーズ第二弾。
この巻はバルサの魅力があふれている。
鍛え抜かれた頭脳と肉体と経験を生かした、状況に応じての戦闘パターン。
賢く強くたくましくカッコイイ。そうカッコイイのだ。
カッコイイと口では気楽に言えるが、バルサの苦労は人並みではない。
強くたくましくなったのも、彼女が望んだわけではない。
バルサの秘密がこの本の中にある。いわばバルサの攻略本。
魅力あるヒロインとはいえ、あまりにも哀しく惨い記憶が彼女を支配しているので
感想を書くために読み返すのがためらわれた。
しかしどうだろう、読み始めたら最後、何度でも物語に引き込まれてしまう。
バルサは関わってしまった弱い者を見捨てることはできない。
そこが魅力でもあり弱点だ。大変なトラブルを招くから。
この巻でもバルサはやってしまいました…。
過去に決着をつける結果となってしまった旅。
バルサは闇の中で養父ジグロに再会する。
そして殺すか殺されるかの過酷な闘いに身を投じる。
どんなに悲しく、身体より心が傷つき痛みをともなう闘いだったことだろうか。
舞いと称される槍の闘い。「舞い」は闇の中では特別な意味を持つ。
その槍舞いのシーンは、一生心に残るだろう。
読んでいる間も読み終わっても涙が止まらなかった。
精霊を崇拝する世界では、人々は自然を敬いつつましく暮らす。
身分を分けられてはいても、命に重いも軽いもない。
命を軽くあしらった者へ闇はその槍を向け、倒し、心を闇にする。
しかしいくら汚いやり方で人を騙し煽る人物も、心に傷を持っていたり
復讐するつもりで闘っても、それでは何も得られないということを知ったり…
人の魂は何によって癒されるのか。
これはとても深い内容の物語だから感想を書きにくい。
児童書としては重い。ある程度の経験を積んだ年齢になったら読む方がいい。
闇の守り人の本質を理解し、彼らを鎮魂するためにも。
060512