アンダルシア・レポート6「コバップ社訪問」 (1/29前編) | シェリーそそいで生ハムきって

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ベネンシアドールでコルタドールな在日コリアンのブログ

【mixi日記2010年02月12日より転載】

1月29日(金)
8時半すぎ、ホテルの窓から見たセビージャの夜明け。
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アンダルシアも今日がラストの日。
眼下に流れるリオ・グアダルキビルにアディオーッス!

アナ嬢の車に乗って一路コルドバ県へ。
今日の予定はコバップ社訪問。
10時前に出発して2時間ぐらいかけて同社担当者と待ち合せ場所のガソリンスタンドに到着。

しばし併設のカフェテリアで一服。
袋菓子や飲み物雑貨が陳列してある売店スペースとカウンターがメインのイートインがある。
バックバーにはお酒もあったのでここのバルになるのかな?
目玉焼きにソーセージ、チキンナゲットみたいなもんとポテト、コーラが付いた「プラト・コンビナード」が6.5ユーロ。ボカディージョ(サブマリンサンド)とコーラで3.8ユーロ。パンコントマテにハモンが乗っかったトーストとコーラで2.8ユーロのお品書き。
ボカディージョはロモ、バコン(ベーコン)、ハモン、トルティーリャ、アトゥン(ツナ)、カラマレス(多分イカリング)、クェソ(チーズ)がそれぞれ2.5ユーロ、ミックスで3ユーロとのこと。
普通の人々が食べてる普通のボカディージョが食べてみたかったので、ハモンのを一個とカフェソロをオーダーしてみた。
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いつの間にか客で来てたオッチャンがオレらに興味を持ったみたいで「こいつら何モンだ?」「日本から来たコルタドールだ。これからコバップに招かれてる」みたいなやりとりがあったもよう。
したらオッチャン「オレはイベリコ豚の牧場を三つ持ってる。コバップに納品してるんだ」とイイ食いつきw

店のネーチャンに「おい!この人らにはイイ生ハム入れてやれよ!ハモン・イベリコ入れてやれ!」と言うとネーチャンすかさず「ウチにそんなええハムあるかいな!」と大阪の大衆食堂のやりとりw
泥まみれの靴のオッチャン。田舎のガサツだが気のいいオッチャン。いい感じだ。

待ってましたボカディージョが完成!
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アルミホイルと新聞紙でグルグル巻きのラッピングw
サイズはSUBWAYのサブマリンの延長がちょい伸びたぐらい。大きいです。
パンは軽くトーストされて温かい。
中を開くと何枚も重ねられたハモンセラーノに、パンの内側にはオリーブオイルが塗ってあるのみ。
大変シンプルな作り。
お味のほうは大変素朴でキライじゃないが、これが毎回となると…飽きるな。多分。

ほどなくCOVAP社のダビット・マリン氏が到着。
ツレだって同社に向かった。
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12時半前にCOVAP社に到着。
例によってPRビデオの上映。
同社は酪農家同士の協同組合が始まりで、生ハムだけでなく牛乳・チーズなどの乳製品や牛・豚を始めとする食肉などを幅広く手がける総合酪農企業だとのこと。

一行はまず牛乳の生産プラントに案内された。
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牧場から届いた生乳はろ過された後、脱脂される(乳脂肪はクリームやバターと輸出用に分けられるとのこと)。3秒のスチームによって殺菌された後、ブレンドされてロングライフ(賞味期間3ヶ月)牛乳となる。
低温殺菌(パスチャライズド)は同社の場合、80度で15秒行われるが日持ちしない。
こちらのプラントはスウェーデン製で1日あたり50万リットル生産されていて、1ロット1500個毎に検品が行われる。
生乳の納品から出荷まで6日間かかり、最大900万リットルの取扱いが可能とのこと。
隣接する倉庫はドイツ製の技術で完全オートメーション管理。
両方とも産業ロボットが大活躍でお好きな方にはたまらないかとw

続いて精肉工場に向かう。
屠殺から部位ごとの解体、精肉のパッキングまでを見て回った。

まずは屠殺前に収容される部屋へ。
広く薄暗い部屋には屠殺直前の羊が最期の時を待っていた。
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屠殺に続く通路は、1頭ごと1列に並ぶように幅がとられており、係員の指示に従って牛の行列がゆっくりと行進していた。リアルドナドナだ。

続いて屠殺場。
二酸化炭素で失神させられた後、喉を切開して血抜きする。
心臓が動いている状態で血抜きしないと、ちゃんと抜け切らないのだそうだ。
先ほどの牛が屠殺される場面に遭遇。
一旦失神したものの切開の段階で目覚めてしまったようで、激しく暴れている。
四足を吊りチェーンで固定されているため、抵抗むなしく最期を迎えていた。
人は罪深い生き物である。合掌。

屠殺→血抜きのあとは洗浄されて脱皮され、頭を落として内臓を取り、縦に半割りの「枝肉」にされる。

次に豚の枝肉の解体工程の作業を見た。
自分から見て左奥に枝肉が吊り下げられいて、解体場内を井の字にベルトコンベアーが走っている。
枝肉はまず、後ろ足(ハモン)と前足(パレタ)が切断され縦方向のコンベアーに載せられ、整形されて生ハム工場に送られる状態になっていた。
その他の部位はそのまま横方向のコンベアーに載せられ、多くの職人がその脇に等間隔に並び、担当する部位ごとにカットしていく。
最期は脊椎だけになるのだが、この工程のカットの速さと効率的な動線は感嘆たるもので、芸術的にさえ見えた。

最後にパッキングの工程。
よくスーパーにならんでいるプラの舟に製品となったお肉が乗っかり、ラップをかけられている。
ショッキングな見学ではあったが、食の仕事に係わるものとして見ておくべき仕事を見せてもらった。

ちなみにここで働く工員の皆さんは契約社員で、契約期間が終わると離職を余儀なくされ、繁忙期になるとまた雇用される。鎌田慧の「自動車絶望工場」を思い出してしまった。

こころなしかケモノ臭さの残る工場を後にして、近くにあるハモン・イベリコの工場に移動する。

時間の都合で、ハム工場の見学ははしょって、最上階の広間へ。
ここでコルタル(カッティング)の実演を見せてもらった。
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コルタドールは同社のラファエル・ムニョスさん。
オレが今まで目にしたコルタドールの中では一番腕がイイと思った。まさにマエストロ。
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実演は見学にとどまらず、親しく実技指導を受けて具体的なアドバイスをいただいた。これはホントにありがたかった。

それではコバップ社でいただいたご馳走の紹介。
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マンチェゴチーズにハモン・イベリコ、ロモやサルチチョンなどの加工品はもうお馴染み。
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生ハム入りのクリケッタスはほっこりしたお味。

んまかったのはプレサとソロミージョのカルパッチョだ。
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イベリコ豚は筋肉繊維が密で筋肉内に寄生虫などがまず発生しない上に、恵まれた生育環境と、徹底した品質管理のも加わり生食が可能とは知っていたが、実は初めて食べた。プレサが濃い赤で鯨肉に近い色、ソロミージョは薄いピンクでビントロのような色。臭みはまったくなく、ねっとり柔らかい食感だが、旨味が強く自己主張してる感じ?肉好きならこれを食わずに死ねないw

次にコバップ社の市販商品で「カリジャーダ・デ・イベリコ」つまりイベリコ豚の頬肉だ。
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煮込みかコンフィの状態でパッキングされているのだと思うが、そのままレンジアップしたものを食べた。
口に入れるとただでさえ柔らかい頬肉が、ハラハラと繊維に沿って崩れていく。
もちろんイベリコ豚の濃厚な旨味を口ん中に充満させながらだ。こりゃたまらんよ。

飲み物はMahou(マオウ)の缶ビール。案外コクがあって飲み応えあり。
驚いたのがDOモンティージャ・モリレスの「フィノ・ラナ」。
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地元ポソブランコ産で、ほのかに甘みを感じる口当たりで実にんまかった!

お土産にコバップ社のロゴ入りエプロンとハモンカバー、腸詰類の詰合せに牛乳やソフトドリンクを大量にいただいた。
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しかも、後でオレらが欲しがってたナックル式のハモネロ(ハム台)を送ってくださるとのこと!こりゃ嬉しい♪ <一年以上たった現在、まだ送られてきません…やられた!w>

お腹も頭もイッパイイッパイでコバップ社見学を終え、ここでセビージャに帰るフェデリコさんと東京組の青山さんと塚本くんとお別れ。
フェデリコさんには仕事外の時間までお付合いいただきホントにお世話になった。グラシャーッス!
東京のトモダチは新宿伊勢丹にあるワールドミートバル・ニッシンハムさんで日本一のコルタドール青山さんのハモン・イベリコを食べてね。
イケメンの塚本くんからハム買ってあげてねw

<つづく>