ピンク色・・・その1(紫みかかったピンク)
 
◎ 蓮の花の色はピンクの中のピンクである。

インド~中国~朝鮮半島~日本へと仏教が伝わり宗派が分かれていても、蓮華だけは仏の台座である。


キリスト教の教会の天上には、雲や天子や天上人たちの衣には淡いピンク色が使われている。
ピンク色は観る人に瞑想的な気持ちを促す効果を持っている。

 

・桜色ーさくらいろ
 薄花桜と日本人が男女ともに好んだ色で、平安貴族の間では「重の色目」として男子は着物の縁や裏地に女子は羽織り着として楽しんだ。

・一斤染ーいっこんぞめ
 紅花一斤(0.6kg)で絹一疋を染めたことからついた色名。
平安時代濃い紅染めは高貴な人しか着れない「禁色」とされ。

身分の低い人々の間では「聴色・ゆるしいろ」薄いピンク色が許された色として使うことが出来た。

・紅梅ーこうばい
 平安時代を代表するピンク。

紅染めの濃さによって濃紅梅、中紅梅、薄紅梅とあり梅の花から名付けられた色名である。

・オールドローズ
 19世紀後半、ビクトリア王朝時代のファッションの流行色として

長く用いられた色で、英語では、くすんだ色調にオールドという

形容詞をつける。

・ローズミスト
 灰色がかったピンク色を表す色。

和名、灰桜、灰梅という色名。
バラ色にモヤがかかった感じの色。

・チェリーピンク
 サクランボの実の色を指すが、実物より紫味が強いピンク。
日本では口紅の色として流行った。

・カメリア
 椿の花の色を表す濃いピンク。

日本では悲恋物語「椿姫」に出てくる、赤い椿の色。

・つつじ色
 牡丹色より少し黄みがかった赤紫色。

韓国ではチマ・チョゴリの色として今も女性に人気のある色。

ヨーロッパでは花の色そのものが色名になることが多い。

例えばアザレピンク、シクラメンピンク、ブウゲンビリア等々。

・牡丹色/ぼたんいろ
 紫がかった鮮やかな赤色。

中国では牡丹の花を「富貴の花」として鑑賞してきたが、

平安時代染色でこの色を出すには、藍に紅花に蘇芳に

コチニール等赤系の染料が重ねぬりされている。