お久しぶりです
いつも温かな応援を頂いて、本当にありがとうございます。
とても嬉しく、励みになります
さて、先週、数日かけて四国を中心に旅に出ておりました。
今回は、四国旅での吉備に関する神社での出来事を綴っていきます
記事本文が長くなってしまったので今日と明日で前後編として公開していきます
↑ こちらで、温羅族の側に立った上での推察をしていました。
今回は、吉備津彦側の方々による証言などを基にしてお話を進めてまいります。
私が見聞きしたものは史実として伝わっているものと違う箇所がほとんどですので、夢物語のようなものとしてご覧頂けましたら幸いです
岡山市の吉備津神社では、まさかの人物が案内をしてくださいました
1、吉備津神社(備後国の一の宮)
朝一番で、広島県福山市にある吉備津神社に伺いました。
手水舎で身を清めていると、御本殿へと向かう長い石段の上から異様な御一行が降りてこられました
足首まで隠れる、裾幅の広いワンピースのような麻服を身にまとい、素足で、首元には太めの麻縄にテニスボールほどの大きさの黒い玉を一つ通した首飾りを掛けている――そんな不思議な服装のひょろりとした男性が4人、縦1列になって俯き加減でゆっくりと石段をおりてきます。
やがて、手水舎にいた私達のすぐ側まで来ると、ピタリと動きを止め、こちらに身体を向けて俯いたまま、横1列に並んでじっと直立しています
(これ、話しかけても良い人達?)
『問題ない。迎えに来た眷属だ』←鳳凰さん
え? お迎え??∑(°∀° )
とりあえず、心の中で(お邪魔します)と伝えると、4人揃って小さく頷かれました
石段を上ると、無言のままの麻服の4人も、私達と4段分の距離を空けてゆっくりと登ってきます。
やがて石段を登りきった刹那、今度は前方から賑やかしい声が
なんと、朝一番で伺ったのに、ご本殿ではお宮参りの最中だったようで、綺麗な祝着に包まれた赤ちゃんと幸せそうなご家族がちょうど記念写真を撮られているところでした
お宮参りが終わるまで待とうと境内の隅に移動したところ、いつの間にかご本殿の前に立っていた麻服の長身の初老の男性が、
『待っていた』
と、声をかけてくださいました
頭髪は灰色に近い黒でしたが、首元まで伸びた顎髭は真っ白でした。
一目見て、神職さんのような雰囲気です。
この御方が御祭神かと思うものの、お宮参りがまだ終わってはいなかったので、
「この度はご縁をくださり、ありがとうございます。お宮参りが終わりましたら、改めてご挨拶いたします。今は、可愛い赤ちゃんのそばにいてあげてくださいね」
と告げると、男性が目尻の皺を深めてにっこり微笑まれました
『ああ、ありがとう』
とても穏やかで、優しそうな人物です。
お宮参りが終わるまでの間、境内社をいくつか周ることに。
↑ こちらの神社のお社の中からも『よう来た』と、ゆったりした年配の男性の声がしました。
5分も経たずにお宮参りが終わり、拝殿前でご挨拶します。
先ほどの4人の麻服の男性は、石段のそばに横一列で立ったまま、ご拝殿に向けて軽くこうべを垂れていました。
その4人&私達と向き合う形で、ご拝殿を背にして長身の初老の白ひげの男性が背筋を伸ばして立っています。
「御参りさせて頂いて、ありがとうございます。ええと……吉備津彦さま、で合ってますか?」
『わたしは、そなたが此度(=今回)向き合うべき吉備津彦から12代ほど時代が下った時期の吉備津彦の標名(しるしな)を冠する者だ。王の片腕として祭祀を司っていた』
ご神名は、例えば神として祀られる以前の人として生きていた頃の所属先(ex.素戔嗚であれば、出雲地方の製鉄民族から派生した一族の王族関係者など)・または役職(ex.天照大神=日の神に仕える巫女職の呼称)などを表すものとして使われることもあります。
吉備津彦という神様に関しては、第1代~第何十何代まで、何人も【吉備津彦】という名を冠した人物がいたのかもしれません
(現代の例でいうと、第〇代・総理大臣のような感じ。総理大臣という役職名部分に吉備津彦という呼称が入ります。個人名は、別にあったと思われます)
そして、こちらの吉備津神社の御祭神は第13代(または第12代?)の吉備津彦さま(おそらく巫覡ふげき)らしい
「2年ほど前、鬼ノ城で温羅族の王様からご伝言をお預かりしたのですが、これはあなたにお伝えすれば宜しいでしょうか」
『いや、わたしではない。その言葉は、あちらの吉備津彦に伝えて欲しい』
あちら……は、吉備津彦神社の御祭神で大丈夫なのだろうか
私が胸中で呟きつつ小首を傾げていると、男性がにこやかに微笑んで、『そうだ』と肯定してくださいました
『このたびは、そなたに世話になる』
「いえ、大したこともできませんが」
『皆も、心待ちにしている』
皆……??( ºωº ;)
再び小首を捻りつつ、ご挨拶を終えて社務所に御朱印を頂きに行くことに
待っている間、先ほどの白ひげの男性が社務所の前まで大股で歩いて来られました
『そなたには、神の道を繋いでほしい』
「え? 神の道ってなんですか?」
『神と神との間には、通じ合うための道が必要だ。人の子でいえば、縁というものになるか』
「縁……」
いや、それって縁結びでは……
だとしたら、菊理媛さま案件だす
「神様同士の縁結びってことですか……? それ、ちょっと私には無理……」
『いや、出来る』←ずずいと御祭神の顔が近付いてきた
「ひぃ」
『まっさらな心で、そなたの役目を果たしてほしい』
真剣な眼差しで見つめられ、さすがに無理とは言えずに渋々と頷きました
私が頷くのを見て、男性は目元を和らげました。
さらには、どこから取り出したのか、右手にキラキラと輝く太い枝を持ちだして。
葉の形をした薄い黄金の板が数十枚ついたその枝を、男性がゆっくりと振り上げて、幣帛のように私の頭上で振りました。
シャラン、シャランと小気味よい音がします
『しっかりと、道を繋いでおくれ』
「できる限りで、頑張ります」
『それから、これを授けておこう。初代の吉備津彦にとって、思い入れのあるものだ』
そう言って、枝を持つ手とは反対の手で、1本の花を差し出されました。
1本の茎が途中から二股に分かれ、それぞれの茎の先にはホタルブクロのような淡い紫の花が2つずつ付いていました。
その花を、私の代わりに座敷わらしの聖真くんが受け取ってくれました。
『これをね、あっちの神様たちにあげるんだよ』←聖真くん
「ほう(・A・)」←理解してない私
『それから、あちらでは御守りを頂いておいで』
「分かりました」
10分ほどで御朱印も書き上がり、吉備津彦さまにお礼をして神社を後に――
しようと思ったのですが、どうしても気になって参道の脇にあった大山祇神社にもご挨拶しました。
すると、お社の中から鷹揚とした朗らかな中年の男性の笑い声が響き、
『然(しか)と出来るぞ。出来ると思うて、何事にも臨(のぞ)め』
と、励まして?頂けました
2、吉備津彦神社
そして、いよいよ岡山に到着。
旅行前に、うちの黒龍さんから
『まず吉備津神社(福山市)に。次いで吉備津彦神社、最後に吉備津神社(岡山市)をまわるように』
と言われていたので、2箇所目は吉備津彦神社に伺います。
岡山市内に入った瞬間から、鳥肌が立って訳もなく涙が出てきました。
"姿のみえない誰か"に感応してしまっているらしい
神社の駐車場につくと、朧気だった緊張感が一気に明瞭になり、ソワソワと落ち着かない状況に
座敷わらしの福ちゃんが『はい、行くよー』とスタスタと先陣を切ってくれて、私も足を踏み出します
進み出すと、緊張感とともにワクワク感も湧き出して、写真も撮りつつご本殿へと向かいました
↑『よう来た』『待ちくたびれた』と、朗らかで賑やかしい狛犬さん達
私達が狛犬さんの所にたどり着いたのとほぼ同時に、境内から急に参拝者がいなくなりました。
そうして、ご本殿内の中央には、直立する1人の壮年の男性が。
古代豪族のような麻服に身を包み、鬟(みずら)で髪を整え、両耳と首元に翡翠のような深緑色の飾りをつけています。
『さあ、前(=正面)に』
男性の静かな声に促されて、お賽銭をお渡しし、深く一礼しました。
柏手は打ちませんでした。
『機(=機会)は整った。あちらも、こちらも。そして、そなたも』
「このたびは、お導きくださいましてありがとうございます。2年ほど前に鬼ノ城で温羅族の王様からお預かりした伝言があります。お伝えしても宜しいでしょうか」
『ああ、頼む』
「あの、一つごめんなさいなのですが、私は王様の言葉を最後まではっきりとは聞き取れませんでした。なので、王様の声音から、聞き取れなかった言葉の先を自分で想像して吉備津彦神社の御祭神にお伝えします」
『それで良い』
「わたしは許しを与える、与えたい――それが、私が受け取った温羅族の王様の言葉です。そして、この言葉はあなたに向けて出されたものだと思っています。誤っていたら、申し訳ありません」
数瞬の沈黙のあと、男性がぽつりと『許されてはならぬと、思うておる』と呟きました。
けれど、ふっと息を吐き出して表情を和らげると、
『おのれは許されるべきではないと思うておるが、あの者の言葉は然と受け取った。そして、心より有難く思う。そなたも、よう伝えてくれた』
と、にっこりと笑ってくださいました
その笑顔を見て、私もようやく肩の荷がおりた気がします。
これで吉備でのお役目は果たせた――と思ったはずが、そうは問屋が卸さない……らしい
まだまだお役目は残っていたのだと、このあとの吉備津神社で思い知らされました
穏やかに笑う男性が歩み寄って来られて、賽銭箱を挟んで向き合うように立たれました。
『わたしは、生きている間に何も守れなかった』
「?」
『多くを奪い、大きなものを手にしたはずが、結局は何も残らなかった』
ん??
吉備津彦さまは、吉備の土地の王様になったはずでは??
しかし、目の前の男性は威厳に満ち溢れたという感じではなく、ただ静かに、どこか憂いを帯びたような面差しをされていました
『過ちを犯したままで、わたしは神として祀られてしまった』
「人として生きたあなたが、死後に神として祀られたのは、不当な扱いを受けて亡くなられたからですか」
『クニの者らからみれば、そのように見えたのであろうな』
ここでのクニは、おそらく大和朝廷を指しているのではと推測します。
人であったものが、死後に一柱の神として名を冠され祀られるのは、その人物が朝廷側から謀殺されたり手酷く裏切られてしまった――ということが理由となることもあります。
怨霊慰撫の一環として祀られるのです。
だけれど、吉備津彦の名を与えられ、この土地を長きにわたって治めていたのに、どうして怨霊慰撫なのか??
このときは、まだ分かりませんでした。
『わたしは、多くの過ちを犯してしまった』
「やってしまったことは、もうどうにもならないです」
『そうだな』
「でも、後悔ばかりだと吉備津彦さまが辛いままだと思います。生きていた頃には、多くの過ちがあったかもしれない。じゃあ、だからこそ、今を生きている人の子達が同じような過ちを犯さないようにどうか見守っていてあげてください。吉備津彦さまのように、死後まで後悔で苦しむ人の子が1人でも減るように、どうぞそのお神力(ちから)をお使いください」
神様に向かって生意気な口を聞いちゃったと思うものの、言葉が止まらず一息に伝えてしまいました。
「生意気言って、すみません」
『いや……いや。そなたの言葉を有難く受け取ろう』
「私は何も知らないので勝手なことを言いますが、吉備津彦さまももう後悔は金輪際しないでください。後悔する分、自分がしてきた良いことにも目を向けてください。じゃないと、神様としてのバランスが歪んでしまいます」
『ああ、たしかに。歪むわけにはいかんな』
そう伝えると、初めて吉備津彦さまが声を出して笑われました
緩んだ雰囲気に乗じて、隣にいた聖真くんに、神様にお花を渡すように伝えてみました。
紫色の花を受け取った神様が、その花を見て柔らかに目を細めます。
そうして、二股になった茎の一つをそっと割いて、1本をご自分の手に持たれたまま、もう1本を聖真くんに返しました。
『あの人に渡してもらえるか』
「あの人?」
『あちらに行けば分かる』←白狼のサナちゃん
ワケワカメ状態でしたが、タケオ氏に呼ばれて御朱印を頂きに行くことに。
御祭神にもお礼を伝えてご本殿の前から離れようとすると、吉備津彦さまが穏やかに微笑まれながら片手を振ってくださいました
そして、振り返しちゃった私σ( ̄∇ ̄;)
後からやって来られた参拝者の方に、不思議そうな目で見られました
社務所で御朱印を書いて頂いている間、社務所前のテント内に並んでいる御守りを見て回ることに。
「(福山市の吉備津彦さまに)御守りを頂いていけって言われたけど、どれを頂いていけばいいんやろ?」
『ここではない。あちらで頂いてくるのだ。向こうの者らが教えてくれるので、案ずることもない』
「はあ(・∀・)」
吉備津彦さまが言葉を飛ばして?教えてくださいました。
書き上がった御朱印を受け取り、ついに3箇所の吉備津神社に向かいます。
《後半に続く》
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