なんか、全部が高い。

 

株は前日に叩かれても、S&P500はまだ7600台。そこへ年末8100なんて予想まで出てくる。ビットコインは一日で約8%跳ねて7万7000ドル台、週間では約2割高。下がれば押し目、上がれば新時代。何が起きても買う理由に変換される。これはもう、かなりバブルの顔をしている。

 

そして俺の口座も増えている。

 

普段なら「利確は」「リスク管理は」「上がりすぎでは」と慎重な顔をするところだが、数字が増えると人格まで強気になる。銘柄を選んだ俺が偉い。握った俺も偉い。売らなかった俺はもっと偉い。世界経済の流れを完全に読んだ天才が、たまたま昨日まで何も分かっていなかっただけである。

 

チャートを開く。増えている。いったん閉じる。もう一度開く。やはり増えている。

 

意味もなく姿勢がよくなる。コンビニで少し高いものを手に取っても、「まあ相場が払ってくれる」と思える。実際に払うのは未来の俺かもしれないが、今の俺には関係ない。

もちろん、こういう時が一番危ない。

 

知っている。知っているが、含み益は忠告より声が大きい。

 

バブルかどうかは、弾けてから考える。

今はただ、増えていく数字の前で、俺の判断はすべて正しかったことにしておく。