やっと元カレが電話をくれた。嬉しかった。元カレからの着信を見ただけで、ついさっき別れようとした決心がなかったことになっていた。単純。恋愛は時としてとても単純だ。好きな人が言ったことによって、これまでのこだわりが逆のものになってしまったり、悲しかった気持ちが簡単に幸せな気持ちに変わる。よく彼氏が変わるたびに服装が変わる子がいる。相手を好きな気持ちが強いほど、相手が好きな服装をしようとしたり、考え方や自分の気持ちまでも変えられてしまうことも多いのかもしれない。
元カレから電話があったのは22時半だった。私は嬉くて声が弾んでいた。私は一生懸命2回も電話した言い訳をしていた。彼も連絡が遅くなった言い訳をしていた。けど、言い訳をしてくれるだけいいと思った。その言い訳すら嬉しかった。その日もまだ会社で仕事があるから帰れないって。忙しい人…その上、妻子持ち…これからさみしい思いをたくさんしそう…わかっているのに自らその恋の深みにまろうとしている自分。つくづくバカだと思う。
話していると元カレの携帯にキャッチが入って電話を切った。
3日後に会う約束をしていたけど、会えないかもしれないってこの前言ってた。会えるといいな。早く会いたいな。