こんにちは。
お休みがなかなかとれず、投稿できませんでした。
読んでくださっている方が少しでもいると良いのですが・・・。
「動詞の理解と表現について」
前回、動詞は、語尾の形が変わったり、形をかえて文のあらゆる場所に使用されることから、意識しながら言葉がけや会話を行ってほしいことをお伝えしました。
今日は、「動詞」の語彙そのものを拡げていくための工夫をご紹介したいと思います。
【動詞を理解するために】
お子さんの見ていること、していることを言葉にして聴かせていくこと。
すでに取り組んでくださっているかと思います。その際、当たり前の動作もしっかり言語化して言葉がけしていきましょう。
例えば、部屋の外に出るときに「ドアを開けるよ、ドアが開いた、ドアを閉めるね、ドアが閉まった」。
「玉ねぎの皮をむくよ~つまんで、そっと引っ張って・・・あっ、やぶれちゃった・・・」
「・・・洗剤を入れるよ、キャップを開けて、測って・・・洗濯機のふたを閉めて、ボタンを押すと・・・。」
いろいろな動作語が使われている絵本もお子さんと楽しめると良いかもしれません。
「ふしぎなナイフ」 出版社:福音館書店
「くらしのことば 言葉図鑑 うごきのことば」 監修・制作・絵:五味太郎 出版社:偕成社
【動詞のバリエーションを拡げるために】
お子さんの気持ちや要求を代弁する際に、正しい動詞を使っていきましょう。
「ちょうだい」「やって」「する」だけでなく。
「抱っこして」「開けて」「見せて」「取って」「どいて」「買って」「来て」「貸して」「交換して」など。
相手の気持ちや状況について、言語化して伝えていきましょう。動詞は、使う言葉によって視点が変わったり、相手の状況を推し量ることができます。そして、言語化する際、よりふさわしい動詞を意識してみましょう。
例えば、
「見る」:「見える」「眺める」「見つめる」「のぞく」「見守る」「確かめる」「拝見する」など。
「言う」:「どなる」「ささやく」「つぶやく」「仰る」「報告する」など。
「取る」:「つかむ」「奪う」「受け取る」「取り除く」「収集する」「得る」「拾う」「捕まえる」「いただく」など。
少し年齢の高いお子さんは、会話や読書、挨拶の中で違いを楽しみ、気付きを促してあげても良いかもしれません。
【会話の中で動詞を使っていくために習慣にしてほしいこと】
聴いたように言う(リピート・復唱を誘う)。
聴覚学習が進み大人の言葉を真似できるようになってきたら、日常の中で復唱を上手に促していきます。
お手伝い・遊び・工作などの楽しい活動の中で、理解してほしい言葉を繰り返し聴かせ、復唱を誘います。どんな言葉を使ったらよいかわからない場合は、療育の中で見本を示してもらい、ご家庭の取り組みにつなげていけるように、ぜひ担当の言語聴覚士と共有してください。
日常会話の中で、自分の考えや意見を表現する機会を設ける。
会話の中で、お子さんが経験したことや考えたことをお話しする時間を十分に保障してあげてください。
折り紙が大好きなお子さん。
折り方を尋ねると「こうやって・・・こうやって・・・そうして・・・」
「半分に折って、角を斜めに折って、開いたら三角ができて・・・裏返して」
教えてもらいながら、一緒に言語化しながら完成させます。
少し年齢の高いお子さんは、手紙を書いたり、家族にメモを残す機会を作るのも良いと思います。まずは大好きなお友達や家族に、お子さんにとって大切なことを伝える機会を作りましょう。
サンタクロースへ毎年お手紙を書くというお子さんも。
「けいとをとおす ぼうしをつくりたい まふらーをおる きかいをください。」
ほしいおもちゃの名前を思い出せないお子さんも一生懸命表現してくれていました。
また、単語から、主語や動作語を含む2語文につなげていくためには、だた動詞を覚えるのではなく、人との関係が育っていることが必要。ことばは、人との関係の中で拡がっていくことを覚えておいてもらえると嬉しいです。