「花の墨通信」14巻6号・号外  

         2024年6月20日発行

          (回答)花墨 汎潤

  ー 相談室「パンセ・ソバージュ」

     第89回    

   「近代科学無宗教か」

           その(6-2)  

 

 

Q28 確かに、分野によってまだまだわからないことだらけですね、自然界は。ところでこの光子の謎にせまる最近の発見が何かありますか、どうでしょう?

A28 では、驚いたニュースを紹介しましょう。こんな地方新聞の方すみにのった一記事です。他のメディアではほとんどこの重大さが報道されていません。

「東京工業大とスイス連邦工科大(EPFL)が共同研究で、光が当たると電流が発生するガラスを作り出した。レーザーで特定のガラスの表面に回路を書き込むだけで、ガラスに半導体のような機能を持たせられる。将来的にガラス窓そのものを、光を検知するセンサーや光からエネルギーを生み出す装置にできる可能性がある。」

「レーザーの専門家であるEPFLのベルアール准教授は「何も加えずに素材が電気を伝え、電気を生み出した。驚くべき革新だ」と述べた。」(埼玉新聞2024年3月5日号抜すい) このニュースをどう思いますか?

Q29 そんな自然界の神わざに<畏敬(いけい)の念>を覚えます。わずかな<自然法則>を発見したくらいで、人間は生意気になってはいけませんよね。まだ<土のなかのことは1万分の1くらいしかわかっていない>というこの話は、われわれが<生きる教訓>にすべきでしょう。いかがですか?

A29 同感ですね。別の事例をあげると、われわれの体のなかで最近重要視されているのが、<第二の脳>といわれる腸です。このなかに棲(す)む<腸内細菌>はなんと! 100兆個ともいいます。身体は約37兆個の細胞からできていることが判明しています。その3倍ちかい細菌が腸内にいるというのは驚きですね。そのわけは大腸には酸素がほとんどないので、暮らしやすいようです。こんな新聞記事が出ていました。

「人間と腸内細菌も深い共存関係にあります。人間は最近にすみかや食べ物を提供し、細菌は人間が作れないさまざまな大切な物質を作ってくれます。」

「何千種類もの腸内細菌と人間の細胞は、協力し合う複雑なネットワークをつくっているのです。」

「多数の薬を飲み続けるほど、免疫の働きに重要な細菌が減少する一方、感染症を引き起こす病原菌や、抗生物資が効きにくい薬剤耐性菌が増えてきました。永田准教授(東京医大)は「多くの薬を併用することの負の効果が、腸内細菌の観点からもはっきりした」と言います。」(東京新聞2022年10月2日号抜すい)

 この研究によると、薬を飲み続ける影響が食事・生活・運動習慣のどれよりも3倍も大きいと出たようですね。ゆえに<腸内細菌のバランスを保つことが>がこれからは大きな課題となります。

Q31 今回は生物進化の謎の一端が理解できました。謎が科学の力によって一つ一つ解けるのは楽しいですね。今後も最新のニュースを聞かせてください。          (今月の連載終わり)

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