2024年5月20日発行 

 「花の墨通信」14巻5号・号外  

         (回答)花墨 汎潤

ー 相談室「パンセ・ソバージュ」

     第88回     

荒れる世界をどう捉えるか」 

            その(6-1) 

 

A23 このようにX軸を<過去性=時間の凝固=結果=記憶中心とみると、これは本人にとってY軸がこの逆に<未来性=切り開くべき柔軟な時間=原因=希望・意欲中心>となります。未来は自分の心がけによってどうにでもなる<チャレンジすべき目標>となるでしょう。もちろん絶望して目標を投げ出す<失意のとき(マイナス領域)>ともなり得ますが。

 このX軸=過去性を中心にみるならば、<自分がにない手にならず、相手や環境がにない手に>なります。自分は出た結果にしたがうしかないからです。つまり自分は<適応性の原理に支配>されるわけですね。

Q24 見方が難しいです。具体例でいうと、どうなりますか?  

A24 例でいうと受験生の場合、・・親の都合や世間体で選んだり、競争率が低いからと進学先を決めれば、これは<X軸=適応性の原理>ですね。ところが自分はどうしてもここに進みたいという目標があれば、それは意欲の問題ですから<Y軸=創造性の原理>にほかなりません。こうして<時間座標(1)>というものさしを思いついたのが2011年でした。

 実はその年が明ける正月休みにテレビを見ていたら、孫正義会長が<どうせ短い一生、何かにチャレンジしてみませんか?>と言ったんですね。孫会長は自然エネルギー財団>をつくりスェーデンのもと環境庁長官を理事長にすえて、北海道の広大な原野を借りて<ソーラーパネル>をはる事業を計画していたのです。その話のついでにこう言ったんですね。実はこの計画は送電網や地元買収の件でうまくいかず挫折(ざせつ)したようだけれども、その後も孫会長の<チャレンジ精神>は一貫しています。半導体事業へのチャレンジなどはほんとうに見事で見上げたものですね。

 <そうだな>とそのとき本気で思いました。<自分は平凡に今まで暮らしてきて、これという冒険もしてこなかった。これではいけないな!>とつくづく反省したのです。それで仏壇の前に座して毎日3時間<何かをやらしてください。なんでもいいから、何かを発見させてください>と祈り続けました。1年経っても、2年経ってもなにもありません。・・が、2年半経ったときふとこの<時間座標(1)>を思いついた、というわけなんです。

Q25 その話は今までに何回か聞きましたよ。すると今回その時間座標(2)>を発見したというわけですか? 

A25 そうなんですよ。まさにその<時間座標(2)>の発見です。それを説明すれば自然と<世界の分断を解くカギ>も、あるいは<経済格差や社会矛盾をのり超えるカギ>も、ひょっとしたら見つかるかも知れないという気がするんですね。

Q26 なるほど、それはどんなものさしですか?

A26 X軸に<普遍性公益・マス性)か特殊性(私益・エリート性)か>、Yに<社会貢献か社会破壊か>の条件を置きます。(6-2へ続く)