2024年3月17日発行

「花の墨通信」14巻3号 

    (回答)花 墨 汎 潤    

 核融合文明をどう切り開くか」

              その(3―2)

 

Q10 その魅力はどこに見えますか? 漠然としていませんかね?

A10 いや、そんなことありませんよ。近頃自衛隊に応募する若者が減っています。ところが自衛隊と同じように防災救助隊・防災省、さらには防災大学を創れたら、その違いがはっきりします。たぶんこの方の分野は人気が出るでしょう。なぜなら両者ともに<リスク(危険)と隣り合わせ>なのは共通しているし、<国民から感謝>されるのも共通しているけれども、<感謝される頻度は大違い>です。戦争は<遠い有事>であり、滅多に起こりませんが或る程度予想がつきます。が、自然災害の<近い有事>は突発的で予想がつきません。相手が敵国人であるのに対して、自然界が相手ですから<戦争ほど恐怖心は湧かない>でしょう。つまりそれだけ<災害復旧活動はヒューマン(人間らし)さ>をともない、国民から感謝される度合いが強まります。それに準備態勢が整い新しい機器を導入し横に協力しあう体制がとれれば、<目覚ましい展開>を眼前に体験できるでしょう。<感動するチャンス>がきっと増えますね。こういうふうに自衛隊・防衛大より防災救助隊・防災大に人気が集まるのも当然です。

Q11 なるほど、言われてみると頭のいい秀才たちがなぜこんな肝心なことに気がつかないのですか? いったいなぜなんでしょう

A11 防災問題だけに限りませんよ。テレビで見たのですが、或る<異能の情報通評論家>は毎朝6~7種類の外国新聞を見て世界情勢を探るようです。そんなに優秀なのに対談で出てくる指摘がX軸、過去から現在にいたる<適応性原理中心>つまりごくありふれた一般論で、Y軸=<創造性原理中心>にもとづいてこれからどうすべきなのか? という<難局日本の打開>について具体策は何も語られませんでした。この意味がわかりますか?

Q12 漠然とわかります。要するに今のエリート指導層はX軸で見る<実務能力>はすごいのですが、先を見る洞察力がまるでない、というわけでしょう?

A12 ええ、現代の<知の巨人>と言われる抜群の秀才ですらみなそうです。まして首相官邸のキャリア(上級官僚)は大勢いるけれども、誰一人として抜きんでた<洞察力を持つ創造的人材>が皆無なんですね。その原因がわかりますか?

Q13 それはたぶん教育内容、特に<大学入試>の問題にありそうですね。おしなべて中韓日などアジア型入試のはげしい競争は<狭い実務適応力のみ>で<洞察力をさぐる>ことはしません。具体的な<知識テスト>でないと採点が不可能だからですよ。違いますか?

A14 確かに、アジアの近代化は<欧米に学べ>一辺倒ですから、<記憶力・理解力テスト中心>できたんですね。その弱点が今もろに出ています。先日NHKの<ニュー試>海外版を見ていたら、「あなたが今世界変革の打開策について考えているとしたら、どんなことですか? その問題と思索のプロセス、たどりついた結論を書いてみてください」と出ていました。     (明18日ヘ続く)