ううむ。
なんとか、今回は一週間のご無沙汰で済んだ(笑)。
水曜は仕事が休みなので、時間がつくりやすいです。
今年は、去年よりは更新の数が増やせるよう、
がんばります(^^)。
さて、今日は、また読書日記。
●神去なあなあ夜話 / 三浦 しをん
「神去なあなあ日常」の続編。前作は映画にもなってますね。
原作をあの宮崎駿監督がすごく気にいってアニメにしてみたいとかなんとか
言ってはったような気が。
横浜の無気力青年・勇気が高校卒業後、
自分の意思とは関係なく、三重県の神去村というところに
林業従事者として働きにいくところから話がスタート。
見渡す限りの山そして山、携帯も使えない現場に
現代っ子の勇気はとまどうものの、
地元の人々と交流をもつにつれ、
新しい自分の居場所をみつけてゆく・・・
というのが、前作のお話でして
今回は、勇気のその後を本人がパソコンで日記風に
書き記しているという設定です。
(居候先の繁おばあちゃんが、デイサービスで習った
パソコン操作を駆使して、勇気の日記をこっそり改ざんするという
エピが秀逸・・・私もこんな元気なおばあちゃんを目指さねば)
その場所で、自分がいちばん年下(もしくは初心者)で
まわりはベテラン、年配者ばかりのシチュエーション。
気が重い・・・とはだれでも思うと思いますが、
これが見事に「はまった」とき、
その場はなかなか快適だったりします。
「もう、お前はなっちょらんのう~」といわれながらも
あれやこれやと世話をされることの
めんどくささと、妙な快感。
村で生きるためのハウツーを
現代っ子なりに学んでいく主人公に
羨ましさをかんじてしまうはなパフでした。
なんたって、自分ではもうそれが許されない年齢ですし(笑)。
三浦さんはさすが手練れの作家さん、
もう「シリース」もの確定ってかんじです。
読んでて、ひさしぶりに「あ~おもしろかった」ってかんじでした。
●消えてなくなっても / 椰月 美智子
「ダヴィンチ」に紹介され、萩尾望都さんのコメントがあったので
興味をもって図書館で借りてみました。
心の病をかかえた青年が、山のなかにある治療院の居候になり、
同じく居候している女の子とのふれあいで癒されてゆく・・・
といったところでしょうか。
実は、この本、私はダメでした。
ネタバレしちゃいますが、ちょっとファンタジーがはいってます。
そのブレンド感が、どうもついてゆけなかった。
ファンタジーもの、大丈夫だったんだけどなあ。
それだけ、私が、おばさんになってしまったってことでしょうか。
なにより、自分のなかの喪失感を自覚させられたという点で、
なんともエポックメーキングな本でした。
●世界地図の下書き / 朝井 リョウ
きました、リョウちん。
この話は、別の文庫本、「いつか、君へ」という短編集に
「ひからない蛍」という作品をリョウちんが書いているのですが、
そのお話をプロローグにして、その後の登場人物の行く末を
丁寧に書いたものです。
たまたま去年、「いつか、君へ」を読んでいて、
この本を読み始めたときに
「あれ、太輔くんじゃん?」と気づいた時の
なんともいえないデジャブ感(^^;)。
不慮の事故で両親を失った小3の太輔が、
子供のいない親戚の「新しい両親」とうまくいかなかったために
とある養護施設にやってくる。
喪った家族の代わりに慕い始める高校生の佐緒里や、
同年代の少年少女たちと過ごす日々のなかで、
自我にめざめてゆく太輔。でもつながったようにみえた仲間の輪は
たやすく壊れてゆく・・・。施設を離れてゆくことになる仲間のために
残された子供たちは何ができるか考える・・・
とてもデリケートな「養護施設」という場を舞台に、
まだ「母」の記憶から抜け出せない太輔が
母親の面影を求めて佐緒里を姉のように慕うのが切ない。
施設の子供たちが、学校の同級生にされる「仕打ち」もリアル。
決して居心地のいいお話ではなく、
最後もけっしてハッピーエンドではないのだけど、
たぶん、また、太輔くんのその後は
また彼は書くような気がします。
だから、感想はまたその時に。
タイトル「世界地図の下書き」っていうのが、じつに意味深。
●時をかけるゆとり / 朝井 リョウ
そして、またリョウちんだよ~(笑)
これはね、前に読んだ「学生時代にやらなくてもいい20のこと」
の文庫版なのだけど、
買い!ですよ、買い!
読んでないひとは、ぜひ読んでね!
なんかおもろいお兄ちゃんですから(笑)
私は「地獄の100キロハイク」と「黒タイツおじさんと遭遇する」が
好きだなあ(^^)。
あと、「他学部の授業で絶望する」っていうエピソード、
実は、ほぼうちのムスメの経験とかぶってて笑えない(いや、笑うけど)
な~んか、うちのムスメの思考回路をよく似てるところがあるのよねえ。
以前、NHKの番組で、
自分のことを「まじめ系クズ」って卑下してたけど、
そこらへんの感覚もムスメと似てる。
この世代共通なんやかな~。
まあでも、この本を読んでわかるのは、
リョウちんのセルフプロデュース力。
すかしたり、落としたり、ほんとまあ一人つっこみのすばらしさよ。
そして、相変わらず女子に対する洞察力がすごすぎて、
そんなことしてたら、お嫁のきてに困るよ~、な~んてね。
●住んでみたヨーロッパ
9勝1敗で日本の勝ち / 川口マーン恵美
これを読んでる最中に、いわゆる「イスラム国」誘拐事件が発生。
なんともいえない気分になりました。
この本にはタイトル通り、ヨーロッパと日本の比較をしてるのだけど、
いわゆる宗教観、そしてヨーロッパでのイスラム教事情が
なんとも生々しくて。
一神教のヨーロッパ人は無宗教といわれる日本人を真に理解できるのか?
これに対して答えるのはとっても難しいけど、
筆者がいうように日本は無宗教ではなく、多宗教民族。
自然や様々なものに対しての畏敬が深いという感覚は
一神教の彼らにはやはり理解しにくいものらしい。
文明の衝突の難しさ。
今のヨーロッパ事情がわかって大変興味深いです。が、
9勝1敗は、ちょっと、できすぎでしょ~~?
日本はそんなに楽園ではないですよ。
とにもかくにも、タイトルのネーミングはとっても秀逸ですね。
ああ、また、だんだん疲れてきた(笑)
・・・もうちょっと読んでるんだけど、今日はこれにて。
仕事が忙しくて、なかなかたくさん読めない日々ですが。
ちなみに、いま、家においてあって一番読みたいのは、
「SAVVY」最新号の京都特集です~(^^)。