「もっとパッと明るい感じで!」
「全体的にもう少し明るくできませんか?」
写真の仕上がりを見たとき、あるいは撮影現場のモニターを覗き込んだとき、
ついそんな言葉を口にしていませんか?
じつは、「明るくして」という一言は、
フォトグラファーやレタッチャーとの共通認識にならず、
意図とは全く違う「悔いの残る写真」を生み出す原因になる可能性があります。
そして、この言葉は、解釈に迷い、そして危険な指示です。
あなたが求めているのは「光の量」ですか?
それとも「色の鮮やかさ」ですか?
はたまた「雰囲気の軽やかさ」でしょうか?
今日は、これまで数多くの修正指示を受けてきた経験から、
「なぜ『明るくして』が伝わらないのか」
そして
「どう伝えれば『思い通りの写真』になるのか」
を、徹底的に解説します。これを読めば、あなたのディレクション能力は劇的に向上し、フォトグラファーやレタッチャーとの連携も驚くほどスムーズになるはずです。
💡「明るく」という言葉は、主観の塊である 💡
まずいつもの通り、結論からお話します。
「明るくして」という指示は、受け手によって解釈が無限に広がる言葉のため、
極めて不適切な指示です。
なぜなら、人間の目と脳は、「色の明るさの変化」以外に「色の鮮やかさの変化」があると、濁った色が増減するため、「明るくなった・暗くなった」と錯覚するようにできているからです。
例えば、曇りの日の写真を見て「暗いな」と感じたとします。
これを「明るくする」と言うのは、以下の3つの修正アプローチが考えられます。
そのため、「彩度を上げる」と思ってくれると信じて、「明るくして」とだけ修正指示をしても、
修正をする人が 「 露出を上げる」事と思ってしまい、露出修正すると、
一覧画像の様に、全く違う結果となり、「イメージと違う、そうじゃない…」というトラブルが発生します。そのため、「明るさ調整」は修正アプローチの種類があるという前提を理解することが、意図通りの写真を手に入れる第一歩です。
色の三属性「色相・明度・彩度」の罠 🎨
なぜこのようなすれ違いが起きるのか。
まずは、色が成り立っている「3つの要素(色の三属性)」を理解する必要があります。
📌 色の三属性
- 色相(Hue):
赤、青、黄といった「色味」そのもの。 - 明度(Brightness):
色の「明るさ」。白に近づくか、黒に近づくか。 - 彩度(Saturation):
色の「鮮やかさ」。ビビッドか、くすんでいるか。
明度と彩度の混同が諸悪の根源
「明るくして」という言葉を辞書通りに捉えれば、それは「明度」を上げることを指します。
明度を上げるとは、光を強く位する事と同義なので、色はどんどん「白」に近づいていきます。
ココで、落とし穴が有り、彩度を上げると、くすんだ不純な色が抜け、色が「鮮やかに」なっていくと、人間の脳は、「鮮やかになった」ことを「明るくなった」と認識しやすいのです。
そのため、例えば、どんよりした海の色を「明るくして」と指示したとき。
- 明度を上げると → 白っぽく霞んだ薄い水色になる。
- 彩度を上げると → エメラルドグリーンのような濃い鮮やかな青になる。
このように処理結果がかなり違うのに、同じ言葉を使うと、
この「ねじれ」が、指示出しの現場での混乱を招いているのです。
シーン別「明るくして」の正体を見極める 🔍
では、具体的にどのようなシーンで、どのような指示を出すべきなのでしょうか?
よくある「明るくして」と言いたくなるシーンを分解し、正しい「プロ用語」に翻訳してみましょう。下記の正解指示は一例であり、共通認識ができればその限りではございません。
ケース1:室内の人物撮影で顔が暗い場合
逆光や照明不足で、顔に影が落ちている時。
- ❌ NG指示: 「全体的に明るくして」
(結果:背景の窓などが真っ白に飛び、雰囲気ぶち壊しになります) - ⭕️ 正解指示: 「シャドウ(暗部)を持ち上げて」 または 「顔の露出だけ上げて」
(解説:写真全体の明るさは変えず、暗い部分(影)だけを明るくすることで、背景のディテールを残したまま表情を明るくできます)
ケース2:料理の写真がおいしくなさそうな場合
なんとなく料理がくすんで見える時。
- ❌ NG指示: 「もっと明るく元気な感じに」
(結果:お皿の白さが飛び、シズル感が消えます) - ⭕️ 正解指示: 「彩度を上げて、暖色系(黄色・オレンジ)に寄せて」
(解説:料理は明るさよりも「色味」が重要です。彩度を上げつつ、色相を少し暖色に振ることで「温かくて美味しそう」な印象になります)
ケース3:商品写真(アクセサリーなど)の場合
金属の質感が沈んで見える時。
- ❌ NG指示: 「キラッと明るくして」
(結果:金属の質感が白飛びして、安っぽいプラスチックのように見えてしまいます) - ⭕️ 正解指示: 「コントラストを上げて、ハイライト(最も明るい部分)を強めて」
(解説:明るくするのではなく、明暗の差(メリハリ)をつけることで、金属特有の輝きや高級感を演出します)
その「明るく」はどれ?
あなたの頭の中にあるイメージに近いのはどれでしょうか?
| 修正項目 | 見た目の変化 | 正解の指示(例) |
|---|---|---|
| 露出・明度 | 全体的に白っぽく、光が増える | 「露出を+1段上げて」 「全体を明るく」 |
| 彩度 | 色が濃く、派手になる | 「色鮮やかにして」 「ビビッドにして」 |
| シャドウ | 影が薄くなり、詳細が見える | 「影を起こして」 「シャドウを明るく」 |
| ハイライト | 光の当たりが強くなる | 「ハイライトを強めて」 「ヌケ感を出す」 |
プロの現場での「明るさ」と「色」の戦い 🎬
ここまでは一般的な写真の話でしたが、もう少しプロフェッショナルな現場、
例えば「画集の制作」や「アーティスティックな作品撮り」における活用例をお話しします。
1. 絵画やイラストの複写・画集制作
絵画を撮影してカタログにする場合、この「明るさ」の指示は命取りになります。
絵画に使われている絵の具には、固有の「彩度」と「明度」があります。
絵の具の重厚感や深い彩度が再現することが目的となるため、
修正指示をする場合は、「彩度」と「明度」をしっかりと指示し、再現率を上げていきます。
また、印刷用として出力する場合は更に、画面だけでなく実際に印刷する用紙も考えて、
指示をします。
2. モノクロ(白黒)写真への変換
最も彩度を意識しなければならないのが「モノクロ写真」を作る時です。
モノクロ写真は、色情報を捨てて「明度」だけで画像を構成します。
ここで面白いのが、真っ赤なリンゴと緑の葉っぱの彩度が同じの場合、
単純に彩度をゼロにしてモノクロ化すると、どちらも同じような「灰色」になってしまいます。
そのため、何が写っているのかわからなくなります。
モノクロにする際に「特定の色の明度だけを上下して、色差を出す」といった操作を行います。
そのため、「明るくして」という指示だけでは、特定の場所だけを明るくすることは難しくなります。
そのため、モノクロにする場合は単純にモノクロ化するのではなく、
色相別にモノクロ調整ができるレタッチソフトで行う事が大事になります。
各種証明写真における「明るさ」の正解基準 📄
さて、少し視点を変えて、皆さんの日常生活やビジネスで必須となる「証明写真」についてもお話ししましょう。ここでも「明るくして」はキーワードになりますが、用途によって求められる「明るさ」の質が全く異なります。
1. パスポート・マイナンバーカード申請用
ここでの「明るさ」=「影がないこと・肌色が自然であること」
証明写真などの撮影で膝上に白い紙や板を置いて、「明るくしたり」、証明写真の設定で「明るく」の調整が出来る場合、上げすぎると「白飛び」します。その写真は即却下される可能性があります。輪郭が不明瞭と判断されるからです。
💡 指示・設定のコツ:
「顔の影(特に目の下や顎の下)をフラットにする」が正解です。
2. 就職活動(履歴書)・ビジネスプロフィール用
ここでの「明るさ」=「健康的な血色・清潔感」
物理的に明るくしすぎると、スーツの色が飛んで安っぽく見えたり、鼻筋が消えてのっぺりした顔になります。血色が良いと写真だけでなく表情も明るく見えます。
💡 指示のコツ:
「肌のトーンを上げて、血色を足してください」。これが通る指示です。
指示出しは「愛」である ❤️
長くなりましたが、写真における「明るさ」の奥深さ、感じていただけましたでしょうか?
「明るくして」という一言は、便利なようでいて、実は思考停止の言葉でもあります。
あなたがその写真で何を伝えたいのか。
その意図を一度言語化してからカメラマンやレタッチャーに伝えるだけで、上がってくる写真のクオリティは激変します。
🌈ミッション・ビジョン🌈
| 🌟ミッション | [5年後、X年後の為に。] |
|---|---|
| 💫ビジョン | [記録ではなく思い出、そして、その先へ…] |
私たちは、上記ミッションを胸に、
ただの「記録写真」ではなく、
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