『我らが隣人の犯罪』宮部みゆき(著)
【内容情報】(Amazonより
オール讀物推理小説新人賞を受賞した表題作以下「この子誰の子」「サボテンの花」「祝・殺人」「気分は自殺志願」の計5篇を収録。
感想
宮部さんの作品は、初期のものが良い!…とまたまたリアル読友さんからの一冊
宮部みゆきさんのデビュー作を含めた5編からなる短編集。
ミステリーでありながら誰も死なない…と聞いていましたが、確かに重苦しい話は少なくテンポがあってサクサク読める内容でした。
表題作の
「我らが隣人の犯罪」
隣家の飼い犬(ミリー)の鳴き声に悩まされる三田村家。
飼い主の橋本美佐子は、ミリーを散歩にも連れ出さず一日中家の中に閉じ込めミリーはストレスを貯めこんでいる様子(ある意味動物虐待?)。
ある日、三田村家の息子の誠(中学1年)は叔父とふたりでミリーを誘拐し、ちゃんと育ててくれる飼い主に引き渡す計画を立てる。
…この誘拐を実行する場面、一筋縄ではいかない展開にハラハラドキドキで「最後はえ?!そっちなのー」となりました。
「サボテンの花」
6年1組の24人の生徒たちは卒業課題を「サボテンの超能力の研究」にしたいと言い出すが、担任や父母から反対される。担任に相談された権藤教頭は「やりたいことをやらせたい」方針。子供たちの決心と結束の固さは強く、大学生の徹の力も借りて、課題に取り組む。その結末は・・・
子供たちの発想…世界に1つしかないお酒… 生徒たちから権藤教頭への短いお手紙にもジンワリきました。
それぞれに趣の違うミステリーで、どれも落ちがしっかりあって楽しめますが…ガッツリ宮部さんの長編がお好きな方には、ちょっと軽めで物足りなさを感じるかな…と思いました。
最後までお読みいただき有難うございました(*^^)v