『リカバリー・カバヒコ』青山美智子(著)
【内容情報】(Amazonより )
5階建ての新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。近くの日の出公園には古くから設置されているカバのアニマルライドがあり、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説がある。人呼んで”リカバリー・カバヒコ”。アドヴァンス・ヒルに住まう人々は、それぞれの悩みをカバヒコに打ち明ける。誰もが抱く小さな痛みにやさしく寄り添う、青山ワールドの真骨頂。
感想
第1話 奏斗の頭
第2話 紗羽の口
第3話 ちはるの耳
第4話 勇哉の足
第5話 和彦の目
新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒルに住む5人が登場する連作短編です
引越しと同時に成績不振になる高校生
ママ友との距離感に悩む元アパレル店員
駅伝に出たくない小学生
ストレスで心を病んで休職中の女性
母に対して素直になれない雑誌編集長
劣等感、迷い、罪悪感、嫉妬、苛立ち
様々な感情が体の不調に繋がる…
そんな不調をリカバリーしてくれる?カバヒコ
サンライズクリーニング店主もね(^_-)-☆
第3話の勇哉の整体師の伊勢崎さんのアドバイスが説得力ありました!
「人間の体ってね、病気や怪我のリカバリーのあと、まったく同じようには戻らない、生物である以上、抗えない自然の理(ことわり)それでも、経験と記憶がついて、心も体も頭も前とは違う自分になるんだ。」
青山さんお得意の前話の登場人物が次の話に出てきたり、ラストに繋がる展開
「赤と青と…」ほどのインパクトはありませんでしたが
青山さんらしい優しさに溢れた作品でした。
最後までお読みいただき有難うございました(*^^)v