『墓じまいラプソディ』垣谷美雨(著)
【内容情報】(Amazonより)
「夫の墓には死んでも入りたくない」義母の遺言から始まった墓問題。それは親類や子供たちを巻き込み、墓の必要性などを考えるきっかけになっていく。「遺骨は燃えるゴミで」と言いたくなるほど面倒な、明日は我が身の墓騒動小説。
感想
ブロ友さんの記事から気になり手に取りました。
登場人物が多く、五月が嫁いだ松尾家と、五月の娘の詩織の彼の中林家の親族が各章の語り手になって次々に登場します。
五月の姑が「夫の墓には入らず樹木葬にしてほしい」という遺言を残していたことから松尾家の墓問題が勃発。
良妻賢母に見えた姑が、実は舅のことが大嫌いで何十年も恨みを溜めて生きてきた。
それを口にせず生涯を閉じた姑…自分が妻からも周囲からも嫌われていることを知らずに生きてきた舅…長年夫婦として連れ添って生きてきた二人の人生の終末がこれでは気の毒すぎる。
話しは、墓問題だけにとどまらず、結婚後の苗字をどうする?からの夫婦別姓問題も。
お墓問題も夫婦別姓問題も世代や性別、地域、育った環境や各々の価値観で考え方は様々。
(心の声)
我が家は、義父が29年前に亡くなって夫がお墓を引き継ぎました。
義父が建てたお墓は、管理のしっかりした霊園でいつ行っても綺麗です。
ですが、街中から車で1時間の山手にあり1年の半分は雪の中。
この小説のような夫への恨みなど一切ありませんが、このお墓に入るのに気が進まない私…
息子の世代になってこのお墓の墓守が出来るとも思えないし…
こちらの本、読み始めは「これは、エンタメ要素満載で15分連続ドラマに出来そうな内容?!」と思いましたが、重いテーマをわかりやすく教えてくれる側面も多々あり、墓問題で揺れ動く私自身の気持ちにも少し変化をくれる内容でした。
最後までお読みいただきありがとうございました(*^^)v