ユンジェが18歳になり、ロンドンに留学することが決まった。

現在ロンドンで教授を務めているシンドン博士の元で、より深い勉強をするためだ。

空港に見送りに来たジェジュンとジウンは、ユンジェの後ろをウロウロついて回っていた。

 

「じゃあオンマ行ってくる。夏には帰るし心配しないで。ジウン、オンマを頼んだぞ」

「兄貴もハメ外すんじゃねぇよ」

「うるせぇよ。アッパにヨロシクな」

 

泣くのを我慢しているのか、ずっと押し黙ったままのジェジュンを見て、ユンジェがクスリと笑った。

 

「オンマ。今までありがとう。ロンドンに行っても毎日オンマの事を思うよ」

「…うっうっ…う~ゆんじぇ~~( ;∀;)もう会えないみたいな挨拶ヤメロ~」

 

ジェジュンより大きくなったユンジェが、ハッハッハ!とユノそっくりに笑い、抱きしめた。

 

「オンマ、泣かないで」

「う~ゆんじぇ~( ;∀;)」

「兄貴ぃ~~( ;∀;)」

 

結局ジェジュンと一緒に泣き出したジウンとジェジュンをギュッと抱きしめたユンジェは、手を振りながら笑顔で旅立って行った。

 

「…ジウン。お前も留学したかったら、遠慮なく言いなよ」

「俺はオンマの傍を離れないもん」

「ふふ。オンマにはアッパがいるから大丈夫。どんなに離れてたって、僕らは家族だから」

「…うん」

 

ユンジェの乗った飛行機を見上げながら、久しぶりにジウンと手を繋いで帰った。

この3年後、ジウンもまた自分の道を模索して、旅立つことになるのだった。

 

 

 

「代表、よろしくお願いします」

「よろしくお願いします^^」

 

ジュンスはいつものように「すずらんの会」の代表として、国内の有識者会議に出席していた。

今日の会議は大規模で、テレビ取材も入っていた。

会議後、たくさんのカメラに取り囲まれたジュンス。

 

「今、巷で話題のサランさんは、ジュンスさんの娘さんという噂ですが本当ですか?」

 

サランは自分の素性は隠して芸能活動をしていたが、思ったより早く身バレしたようだ。

 

「えぇ。サランは僕の一人娘です」

「チャートで3週連続一位となっていますが、母親としてサランさんの活躍をどのように感じていらっしゃいますか?」

 

ジュンスは少し微笑んで、しっかりカメラを見据えて言った。

 

 

事務所でテレビを見ていたサランは、手を口に当てて立ちすくんでいた。

父ユチョンから事務所に呼び出され、何気なくつけられたテレビ。

ジュンスがいつものように、「すずらんの会」として取材に答えていた。

 

――母親としてサランさんの活躍をどのように感じていらっしゃいますか?—―

 

「親ながら…とてもいい歌声だと思います。よく頑張ったね、と言ってあげたいです」

 

サランの目からボタボタと大粒の涙が溢れ出し、子供のように唇がフルフルしていた。

 

「お、オンマ…オンマぁっ」エグエグ

「サラン、良かったな。オンマが褒めてくれたな」

「うぇ~んアッパぁ~。う、うれじいよぉぉ~」

 

サランが一番褒めて欲しかったのは、サランに歌を教えたジュンスだった。

鼻を真っ赤にしてわぁわぁ泣くサランは、子供の頃と何も変わらない。

そんなサランを抱きしめながら、ユチョンも涙ぐんだ。

決して甘い言葉をかけず、それでもサランを信じて、遠くから応援していたジュンス。

俺よりずっと男らしいよなぁ~。カッコ良過ぎだろ~ジュンス。尊い…♡

 

 

 

「お疲れ~ユノ。今日もユンジェが電話かけてきたよ」

「またかよ。ジェジュンが心配だって言いながら、自分が心細いんだろ」

「そうかもね。初めて家を出たわけだから」

「フン。まったくお子ちゃまだなぁ」

 

帰宅したユノのスーツをハンガ—に掛けながら、ジェジュンがふふふと笑っている。

今日は早く帰ってきたユノ、なぜなら今日はジウンが友達の家に泊まっているから。

イトゥクオンマも、夫婦で旅行に出かけていて、珍しく二人きりの夜♡

 

「少し飲む?」

「そうだな」

 

二人で食卓を囲み、少しお酒を飲みながら、今日会った出来事を話す。

何年経っても「ジェジュンは綺麗♡」「ユノはカッコいい♡」と顔を見るたびお互いに思う。

これからゆっくり二人でお風呂に入って、心おきなく熱い夜を過ごすことが出来る。

そう思うと、何だか二人ともソワソワしている。

 

「ふふ。子供が大きくなって、夫婦二人きりになると気まずいって人いるらしいけど」

「俺たちには関係ねぇよな。俺は、なんだか特別な夜みたいでドキドキするぞ」

「分かる。まるで初めての時みたい。あれはハワイだったよね」

「あの日が来るまで、俺がどれだけ我慢したか。俺は自分を褒めたいぞ。ジェジュンを傷つけたくなくて、ずーっとずーっと我慢してたんだぞ」

「そうだったね。僕はまだユノさん、って呼んでた」

「いいな。今日は久しぶりにユノさんて呼びながら抱かれてくれ」

「アッハー♡もーヘンタイなんだからぁ♡」

「早く呼んでくれ、ユノさんって」

「ゆ、ユノさん…♡」

「ジェジュン♡」

 

トロトロに溶けそうなほどデレデレしたユノと、少し顔を赤らめてモジモジするジェジュン。

ユノはジェジュンの隣に移動した。

 

「あぁ~ジェジュ~ン♡可愛い♡世界一可愛い♡」チュチュ

「あ。まだ、お風呂入ってないのに…んっ…」

「この方がジェジュンの匂いが濃くて好き♡」

「も~…んっ…だめだってばぁ…あんっ」

「ぅヒヒ♡じぇじゅあ~♡」

 

夫婦になってもう長いのに、まるで高校生のような二人♡

お風呂に入るまでに一回戦やっちゃいました。テヘ♡

 

「も~ゆのったらぁ~。ダイニングでこんな…。でも久しぶりだね、こんな場所でするの」

「だろ?ちょっと興奮しただろ?」

「うん…エヘヘ♡」

「じゃあ次はリビングでやるか」

「もう!ユノのバカ!…でもどうせなら玄関とか…」

「ハッハッハ!ジェジュンも好きだなぁ~♡」

「冗談だよ?冗談!」

「俺に冗談は通用しねぇんだよ~」

 

ひょいと抱き上げられ、ユノの太い首に腕を絡ませる。

キスをしながらユノが向かったのは…玄関。

 

「だっからぁ~冗談だってばぁ~」

「冗談はぁ~通じないんだってばぁ~」

「あっ…もう、ちょ……待って」

「ほ~ら。いくぞ~」

 

結局玄関で2回戦をし、それからも家のあちこちで楽しみましたw

 

「はぁ~…もうダメ。もう無理~」

「ふふふ。ジェジュンは相変わらず体力ねぇなぁ~」

 

バスタブに浸かりながら、ジェジュンの腰を揉むユノ。

それでも心おきなく存分に、二人で楽しんだ夜。

 

ベッドでユノの腕の中、足を絡ませ、心地よい疲れを感じる。

 

「ユンジェもジウンも大きくなったね。自分の世界を持ち始めた。もう僕らの手を離れてしまうね」

「巣立ちだな。喜ばしい事だよ」

「うん…。ちょっと寂しいけど」

「俺はこれからジェジュンと二人の時間が増えるから嬉しいぞ。今まで出来なかったことをしよう」

「ふふ^^今日みたいに?」

「だな^^それにそれを二人で考えるのも楽しいじゃないか」

「そっか…。そうだね。時間はたっぷりあるもんね」

 

ユノの体温に包まれて安心しながら、ジェジュンはスリスリと頭を擦りつけた。

なんだかネコみたいだな、と思いながらユノはギュッとジェジュンを抱きしめた。

ジェジュンの柔らかい髪に、いつものようにキスを落とす。

 

自分で立ち上げた「すずらんの会」の活動をやめて、子育てに専念したジェジュン。

スーパーαをオメガが育てる事に、政府機関の一部から反対の声が上がった。

だがその声を蹴散らし、ジェジュンを信じてジェジュンに任せた。

今ではもう誰もジェジュンの子育てを否定する者はいない。

 

そのおかげで、俺は思い切り仕事が出来、会社もグループも大きくし、ユンジェもジウンも、親から見ても真っ直ぐな良い男に育ったと思う。

ジェジュンがまた「すずらんの会」に戻ると言えば、当然応援するつもりだが、出来れば自分の傍にいて欲しいと願ってしまう。

だって俺は、ジェジュンがいなきゃ本当にダメなんだ。

飯を喰っても美味くないし、何をしても楽しくないし、生きている意味さえ見失ってしまうから。

スーパーαのこの俺が、こんなに誰かに依存するなんてあの頃は思いもしなかったなぁ。

 

 

皆の幸せを守ろうと思った日から、ユノの気持ちは一ミリも変わっていない。

 

だがそれ以上に、この可愛い人を愛おしむ気持ちは、増すばかりなのだった…。

 

 

 

 

ジェジュンが傍にいなきゃダメなんだ

 

 

 

※※※

ジュンスオンマカッコいい!

サランも一番認めて欲しい人から認めてもらえて良かったね♡

子育て中は後ろから見守っていたユノですが、あらためてジェジュンに感謝しています。

世界で評価されなくても、傍にいる人からの感謝が一番尊いのかもしれませんね。

子供が巣立っても、ますますジェジュンへの愛は深まるばかり。

ずっとラブラブなんだと思います♡

 

さて次回は新作です。

題名は「美しい人~Beaitiful Man」

老舗ヤクザ若頭のユノと、美しい外科医ジェジュンの物語。

ヤクザのユノがジェジュンにゾッコンラブ♡してドタバタしてます^^

新作の日は毎回緊張します…💦