夕食は、貸し切りのコテージでのバーベキューだった。
だがそれはジェジュンの想像を超えた、高級バーベキューだった。
肉を焼くだけでなく、そこにはシェフがいて、前菜やスープ、凝った料理などが次々と運ばれてくる。
当然デザートはパティシエが作っており、見た事もないような洒落たデザートだった。
「わぁ美味しい!こんなの初めて~♡」
「ジェジュンはこういう所の方が開放的でいいだろうと思ったんだ。気に入ったか?」
「はい!ユノさん最高です!」
「僕もホテルのコース料理よりこっちの方が好き~♡マナーもうるさくないしね~」
「まぁ料理は5つ星ホテルのシェフだから安心だしな。ほらジュンス、これも食べな」
4人は美味しい料理に舌鼓を打ち、お酒が入ってイイ感じのユチョンとジュンスは、ホテルの庭を散歩すると言ってイチャイチャ♡しながら行ってしまった。
二人きりになった途端、緊張が走りジェジュンはモゴモゴとケーキを食べていた。
「腹はもう平気か?食欲はありそうだが^^」
「その節は…トホホ。ご馳走ばかりでお腹がビックリしたのかもしれません」
「ハハッ。今日は冷たい物は食うなよ」
トイレ事件は恥ずかしかったが、それによりぐっとユノと近づけたような気がした。
気付けばシェフや料理をサーブしてくれた人たちは姿を消し、静かな波の音が聞こえてきた。
「波の音って…心地いいですね」
「そうだな。俺もこんなにゆっくりしたのは何年ぶりか。いい時間だと思ってる」
「毎日忙しそうですもんね。体には気を付けてくださいね」
「ジェジュンは、やりたい事とかあるのか?」
「僕は…チョン家のお役に立つ人間になりたいです」
職業などではなく、意外な答えに、ユノは少し考えてから言った。
「……ん?どういう意味だ?」
「もし僕がユノさん達に会えなかったら、僕は街の片隅で体を売って生きていたでしょう。今の年まで生きられなかったかもしれない。こんな風に美味しい物を食べたり、勉強したり出来なかった。全てはユノさんのおかげだから。だから少しでも恩返しがしたいんです」
「そんな事は気にしなくていい。別に大したことはしていない」
「いいえ。僕の命と人生を救ってくれた。ユノさんには大した事じゃなくても、僕にとって人生を一変させる出来事だった。感謝しかありません。家政婦のおばさん達も、みんなチョン家に感謝して働いているんです。感謝しながら働けるって、素晴らしい事だと思います」
…なんだろう。ジェジュンの言葉を聞いていると、凄く清らかな気持ちになる。
俺は誰かに感謝して生きる、なんて事をした事があっただろうか…。
物心ついてすぐ、チョン家の当主になるよう教育され、スーパーαだと自覚してからは、自分がこの国を引っ張っていかなければと思い、生きてきた。
自分より劣った大多数の人間を率いて、人より優れた自分が導いていく人生。
感謝されることはあっても、自分が何かに感謝することを忘れていた。
「ジェジュンの言う通りだ。感謝して生きることが大切だよな…。俺も感謝してる」
「ご両親とか?」
ジェジュンの言葉にユノは首を横に振った。
「いや。ジェジュンに会えた事に感謝している。俺はジェジュンと出会えて、生まれ変わった気がしてる」
「え?僕なんかに出会って?どうして?」
グッと肩を引き寄せられ、ジェジュンはユノの胸になだれ込んだ。
ユノのアルファのフェロモンが、ふわりと香り、ジェジュンの心臓がドクドクと高鳴った。
「分かるだろ…?」
ユノの熱い視線に顔をあげると、ユノが切ない目をしてジェジュンを見つめていた。
こんなに何もかもを手にし、何もかもを奪える男が、目で訴えている。
欲しい…ジェジュンが、欲しい。
声なきユノの想いがジェジュンに伝わると、ジェジュンの体が熱くなる。
憧れのユノの傍にいられる喜び。
大好きなユノに求められることの悦び。
ユノに触れられる事の歓び。
「ぼ、僕も…ユノさんに出会えたことを…感謝してます」
「ジェジュン…」
ユノがギュッと抱きしめると、ジェジュンはユノの胸の中で言った。
「ユノさん…大好き…」
「俺も。好きだよ、ジェジュン」
「ホント?ユノさん」
「あぁ。大好きだ」
このまま押し倒して舐めて噛んで突っ込んで全てを貪りつくし項を噛んで自分のものにしたい、そんな堪えがたい欲望を、耐えるぐらいに大好きだ。
ただ…最後まではしないから…触りっこぐらいは許して欲しい…。
ユノはジェジュンを横抱きにし、部屋に戻った。
恥ずかしがるジェジュンにキスをしながら一緒にシャワーを浴び、そのままベッドになだれ込んだ。
ジェジュンの白い体中にキスを浴びせ、滑らかな肌を摩る。
ジェジュンの吐息が甘くなると同時に、甘いフェロモンが漂い始める。
ユノの雄フェロモンが纏わりつき、ジェジュンもどうしようもなく興奮してしまう。
「あっ…ゆのさん…んんっ」
ユノは堪えた。
ジェジュンの甘いフェロモンに翻弄されながらも、ジェジュンに快感だけを与え続けた。
長い指を使い、器用に動く舌を使い、ジェジュンがズクズクになっても、最後まではしなかった(偉い)
「はぁっ…はぁっ…」
ジェジュンの蕾は潤いを通り越し、シーツに大きなシミを作り、その上でジェジュンは体を投げ出すようにぴくぴくと足を震わせていた。
甘い快感を前回より素直に受け入れるジェジュンにホッとしていると、ジェジュンの白い指がユノのモノに伸びてきた。
「お、おい。ジェジュン…」
「ユノさんのも…楽にしてあげる」
「バカ、いいんだって、俺のは…うっ!」
たどたどしいジェジュンの舌が、ユノのデカいナニの先をチロチロ舐める。
ジェジュンのピンク色の唇が大きく開き、自分の黒々としたものをぱくりと咥えこむ。
涙目になりながら、奥まで咥えようとする健気な姿に、グンと質量が増した。
「やめろ…っジェジュン」
ングングと、喉を鳴らしながら一生懸命手や舌を使ってユノに奉仕するジェジュン。
ユノの大きなモノに苦戦し、目に涙を滲ませても、頑張っている。ングング
ジェジュンは上目遣いにユノを見つめ、コクリと頷いた。
「うっ…くっ…ジェジュンっ!」
出る瞬間にジェジュンの肩を押して口から出すと、ジェジュンの顔に勢いよく自分の白濁が飛び散った。
驚いたジェジュンの顔を、たらりと白い液が垂れて来る。
「す、すまん、ジェジュン」
ジェジュンは、唇の上に垂れてきたものを、ぺろりと舐めた。
「うぇ。にが」
「当たり前だろ。ばか!」
ユノは慌ててそこにあったタオルで、ジェジュンの顔を慌てて拭いた。ゴシゴシ
「ゆのさん」
「ん?」
「気持ちよかった?」
「…うん。すごく」
「良かった♡」
なんだよこの可愛い生き物はっ!尊い!!
ユノはジェジュンをギューっと抱きしめた。
ジェジュンを腕に抱いて眠りにつく。
まさか、ジェジュンが自分から口でしてくれるとは思わなかったなぁ…。
上手いか下手かと言えば、確実に下手だったけど、その気持ちにグッときた。
可愛くて大切にしたくて、ジェジュンの笑顔を見るだけで幸せな気持ちになる。
まだ番になったわけでもないのに、まだ最後までシたわけでもないのに。
これが…「愛してる」って事なのか…?
だとしたら、ジェジュンにも同じ気持ちでいて欲しい。
ヒート(発情)や、フェロモンの本能的な体の繋がりではなく。
「愛している」という気持ちで、ジェジュンとは繋がっていたい……。
お前が欲しい…
※※※
ユノのように優秀ではないけれど、心がキレイで優しいジェジュン。
ユノは、フェロモン関係なしに、ジェジュンの事を愛していると実感します。
自分を大切にしてくれるユノに、ジェジュンも心を開いていきます♡