街は賑わい、浴衣を着たカップルが楽しそうに歩き、赤や黄色の屋台のライトが暗くなった街を照らす。
いい匂いが漂い、ジェジュンと歩きながら、色々並ぶ屋台を見てユノが言った。
「ジェジュン兄、お面買わない?」
「あ、いいよ。せっかくお祭り来たんだもんね」
ニコニコ笑うジェジュン兄が可愛くて仕方がない。
「んーと…ユノは、これがいい」
「え?虎?でもこれ、可愛すぎない?」
ジェジュン兄が手に取ったのは虎のお面だが、サン〇オキャラクターのように可愛いお面だった。
「うふふ^^渋い浴衣に可愛いお面、このギャップがいいんだよ~」
「そう?じゃあジェジュン兄は…コレ」
「キツネ?」
「うん。浴衣も白いし、きっと可愛いよ」
「エヘ♡そうかな」
ジェジュン兄はずっとニコニコ笑っていて、その笑顔が可愛くて仕方がない。
つい、可愛いよなんて言っちゃったけど、ジェジュン兄怒らなくて良かった。
だって、めちゃくちゃ可愛いんだもん!
二人でお面を頭の後ろにつけて、にっこりと笑い合った。
「ユノ、写真撮ろう!」
ユノに可愛いと言われ気を良くしたジェジュン。
写真を撮るため、スマホを上に持ち上げると、袖がするりと落ちて白い腕がむき出しになった。
ダメ!こんな綺麗なジェジュン兄の肌を、他の誰にも見せられない!
「俺が撮るよ。いくよ」
「あ、うん!」
自分より長い腕のユノが、スマホを取り上げ、写真を撮ってくれた。
か、カッコいい~~♡10コも年下なのに彼氏味が強い~~♡キュンキュンする~♡
それからも二人は、せっかく浴衣着たんだからと、人の目を気にせずパシャパシャと写真を撮りまくった。
どさくさに紛れ、頬を寄せ、腕を組んだり肩を組んだり、スキンシップ祭りだった。
あぁ~いい匂い♡これで、しばらくはオカズに困らないなぁ(*∵)
や~ん♡ユノが肩組んで写真撮ってくれたぁ♡オッパ味が~(ΦωΦ·)
暗くなり、花火会場に向かうと人が多くなってきた。
慣れない雪駄で、ジェジュンが何度もつまずいて転びそうになる。
「危ないなぁ。ジェジュン兄、ホラ」
差し出されたユノの手は、所々マメがあり、だけど指が長くて節が太い、ジェジュン好みの手だった。
おずおずと恥ずかしそうに差し出した手を、ギュッと握られて、ジェジュンは赤くなった顔を隠した。
…今、俺、めっちゃカッコよくね?頼れる男って感じ?だよね?ってか、ジェジュン兄が転びそうで危なっかしくてしょうがない。そんな所も可愛いくてしょーがねぇよぉ~♡
恥ずかしい…何度も転びそうになっちゃって、ユノに呆れられちゃったかも…。
でも手を握れたから結果オーライ!キャ―ユノの手おっきい!指ながい!彼氏味~♡
二人で手を繋いで歩いてると、前から声を掛けられた。
「キムジェジュン?」
「え?あ…シム部長!」
つないだ手をぱっと離されて、ジェジュン兄が前から来た長身の男に、嬉しそうに手を振った。
「何をしてるんだ?こんな所で」
「何をしてるって花火大会に決まってるじゃないですか。シム部長は?」
「私は帰宅途中なのに人ごみに流されてビールを買った人、です」
「アッハー^^なんですかぁそれ」
休日出勤をして帰ろうとしたら、すごい人ごみに流され、仕方ないからビールを買った。
すると前から、人ごみの中、ひときわ光った白い人間が歩いてくるのが見えた。
白い浴衣姿のキムジェジュン…君は…私を殺す気かっ!
彼の姿を見た途端、心臓のドキドキが止まらない、もう死んでしまうかもしれない。ハウハウ
控えめ且つ品良く纏められた浴衣、それにより整った容姿や肌の白さが引き立てられ、片方の髪を耳にかけた甘い眼差しの君。
まるでそこだけ発光しているかのように、ふんわりと輝いている。
はぁ~~…最高だ、最高に美しい、こんなに綺麗な人を見たことがない。君は間違いなく私の女神だ!
ん?なんだ?後ろに男がいる…しかも、私をビンビンに睨んでいる、何じゃコイツは。
「あ…彼は受験生で、僕の教え子です。今、彼の家庭教師をしています」
「ほう…仕事が忙しいのに、そんな余裕があるのかね」
「大丈夫です!僕、頑張っちゃいますから^^」←変なテンション
何やコイツ…ジェジュン兄の上司か…?
知らん顔をしてるけど、さっきからジェジュン兄を舐めまわすように見やがって!
絶対、こいつジェジュン兄の事好きじゃん!さてはムッツリだな!俺の事、ビンビンに睨んでくるし!
「どうも。いつもジェジュン兄がお世話になってます」
はぁぁぁ?お世話になってますだとぅ?まだ毛も生えそろっていない若造が生意気に!
はっ!まさか…こんな若い男と付き合っているのかキムジェジュン!
「やぁだユノったら!保護者みたいな挨拶しちゃって~ウケる~^^」←変なテンション
「ほう受験生か。この夏が勝負だ、(せいぜい)頑張りたまえ」
「(アンタと違って)若いんで大丈夫です」
何コイツ!!なんかムカつく!
バチッ!バチバチバチバチッ!!
ジェジュンの頭上で、二人がバチバチと火花を散らしていることを、天然ジェジュンは全く気づかなかった。
「すごい人ごみだ、暑いだろう。ビールをあげよう。…あぁ、君は未成年だからダメだな」フン!
「わぁありがとうございます。ちょうど喉渇いてて…」
ジェジュンは、プシュッとビールを開けると、勢いよくごくごく一気に飲みだした。
ゴッゴッゴッゴッ…(ビールは喉ごし←男らしい)
可愛らしかったジェジュンが、男らしく喉を鳴らしビールを一気飲みしていく。
そのギャップがたまらなく色気を醸し出し、ユノは初めて「ギャップ萌え」というのを実感した。
口からビールが一滴垂れて、白い首筋を辿る。
ユノとチャンミンは、カッと目を見開き、同時にそのビールを舌で舐めとる妄想をしていた。←ヘンタイ
「ぷっはー!あ~おいしい」
「ほら、零れてる。まったく…」
そう言いながらチャンミンがポケットからハンカチを取り出し、ジェジュンの首を拭いた。
イラっとしたユノを、チャンミンがフフンと笑った。
「あ、すみませぇん。げっふー。あ、やだー!はずかしい~」←変なテンション
ついゲップが漏れたジェジュンが、恥ずかしそうに顔を両手で隠した。
「人が多いから気を付けて。早く帰りなさい」
「シム部長、お父さんみたいです~。それじゃあ失礼しまぁす」←変なテンション
やっとシム部長と別れ歩き出した二人。
「あの人…ジェジュン兄の上司?」
「うん。すっごく仕事が出来て大人で…あんな人になりたいな~って俺の目標なの」
「へー。そーなんだー」←棒読み
ちぇ。大人って言われたら、俺の立場無いじゃん。俺はジェジュン兄にとって、可愛い弟ぐらいのポジションでしかねーもんな。金だってないし、ジェジュン兄を守れる力もない…俺って…ただのガキだもんな。
ユノが落ち込んでいると、ジェジュンはユノの手をぎゅっと握った。
「ユノ!ほら花火始まるよ!」
夜空に色とりどりの花火がスパークする。
その度歓声が上がり、みんな空を見上げ嬉しそうに、隣の人と笑い合っている。
街路樹の間に立った二人も夜空を見上げ、嬉しそうに笑っていた。
「綺麗~!ね、ユノはどんな花火が好き?俺はね、バンッ‼て開いた後、たららら~って下れるヤツが好き!」←アホっぽいけど可愛い!
その瞬間、ドンッ!と大きな音が腹に響き、ぱあっと大きな花火が開き、そしてそのまま、まるで水が滴るがごとくしだれ落ちて行った。
「あ!これ!これが好き!」キャッキャッ
「うん…俺も…好き…」
ユノが後ろからジェジュンをキュッと抱きしめた。
驚いたジェジュンが振り返る。
少し開いた襟元から、ユノの男臭さが匂い立つ。
連続した花火が上がり、ジェジュンとユノの顔を、赤に黄色に染めていく。
周りは夜空に歓声を上げ視線が釘付けで、誰も自分たちを見ていない。
ユノの方を振り返ったジェジュンの大きな目に花火が映り、ユノは上からその目を見つめていた。
綺麗だ……。
ユノは、くいと首を傾け、そっとジェジュンの唇を奪った。
それは一瞬の事、だけど二人には永遠のような、熱い唇の重なりだった…。
ドキドキ♡
バチバチ☆
※※※
ひゃっほーい!ロマンティィーーック!良かったね!願いが叶ったね!
美しい二人…♡真夏の夜の夢です^^
次回あめ限。えっ?!もう?
夏のエロスは止まらないんですww