「うん!だいぶん理解が進んできたね」
「ホント?まだ半分ぐらいの点数だけど…」
ジェジュンが作ったテストで50点をマークしたユノに、ジェジュンは満足そうだ。
理解度を知るためのテストだったが、よく復習をしているのか着実に理解は進んでいる。
「焦りは禁物。今は着実に進むことが大事。って事で、よく頑張りましたぁ^^」
ジェジュンは、ユノの答案用紙に花丸を付けてくれた。
「小学生かよ…」
カッコつけたポーカーフェイス、だが本音は、ジェジュンの花丸に大喜びのウホウホユノ。ヤッター♪
ジェジュンがふと、ユノの机を見ると見慣れないノートの山があった。
手に取って見て見ると、ユノはジェジュンが出した宿題を、復習としてもう一度やり直していた。
「え?ユノ、二回ずつやってるの?俺、結構宿題出しているよね?」
「あぁ…それぐらいやんないと…。絶対合格したいから…」
じ~ん……。ジェジュンは感動で打ち震えていた。
ユノはジェジュンに対し盲目的に信頼し、ジェジュンが作った問題集を2回ずつ解いていた。
プロの家庭教師でもないのに、こんなに真っ直ぐに信頼してくれるなんて。
なんて健気なのっ?そんなに合格したいんだ…絶対に合格させてあげたいっ!!
少し疲れたユノの横顔が、愛おしくて仕方がなかった。ナデナデしてあげたいよぉ。
しかしユノの考えは、ジェジュンの想いとは少し違っていた。
ユノが志望している〇〇大学、ここを選んだ理由はテコンドーで有名な事ともう一つあった。
以前ジェジュンと交わした会話。
「ジェジュン兄って家出てるの?」
「会社の寮があるんだ。寮って言っても賃貸のワンルームだけど」
ジェジュンが帰ってすぐに、こっそりジェジュンの会社の場所を調べた。
すると〇〇大とは目と鼻の先、会社の寮という事は会社の近くに違いない!
つまり、ユノが〇〇大に通えば、物理的にジェジュンとの距離は近くなる、大学の帰りジェジュンの家に行くことも可能になる、うまくいけば、お泊まりさせてもらえるかもしれないっっ!
題して「お泊り大作戦」を実行するため、ユノは〇〇大合格を成し遂げたいのだった。
「あ、ユノ、今度の日曜日、時間空けて」
「え?なに?」
えーっ?何?ジェジュン兄からのお誘い‼デート?デートに誘われたのかな?俺?ウホウホ
「さっき聞いたんだけど花火大会があるでしょ?一緒に行こう。3時ぐらいに来るから家にいてね」
「花火大会?そんなのあったんだ」
知ってる知ってる!わぁ~~い♡ジェジュン兄と花火大会いけるの?まじで!やったぁ!ランラン♪
二人並んで屋台巡りをしてェ、二人並んで花火を見てェ、キレイだね、なんて言ったりしてェ。
それでさ、花火大会つったら、チューでしょ!花火をバックにチューでしょ!
チュー…ジェジュン兄とチュー…あの柔らかそうな唇とチュー……(*´з`)
うをををををっ!!!絶対したい!ジェジュン兄とチューしたい!!!
「ん?どうかしたユノ?予定あった?」
「いや、何もないけど」
あれ?ユノの反応が薄い…楽しみじゃないのかな…。
そうだよね、子供じゃないし、受験の事で頭いっぱいなのに、余計な事したかな…。
でも絶対行きたいんだもん、ユノと花火大会♡
二人で屋台をめぐって、一緒に花火を見て、そして…キャ―――♡♡
花火大会って言ったらチューだよね!花火をバックにチューだよ!
あぁ~花火大会でチューなんて夢のようなシチュエーション♡絶対叶えたい。
でもユノはきっとノーマルだし、きっと難しい…大人と違って酔わせることも出来ないし…。
仕方がない、俺が酔ったふりして襲う…もとい、しなだれかかるしかない。
こんな安い女のマネしか出来ないのが口惜しいが、背に腹は代えられない!
この花火大会で、絶対にユノの唇をゲットするぞ!!
ユノとジェジュンは目が合って、にっこりと微笑み合った。
日曜日、ユノは当日ジュニアが元気にならないよう、朝から3回ヌいてジェジュンを待っていた。
はぁ~…擦り過ぎて痛いや…ハハハ、でもジェジュン兄がオカズならいくらでもヌけちゃう♡
「ユノ、じゃあ行こうか」
「どこに行くの?花火大会はまだだよ」
ジェジュンに連れられて行くと、そこはレンタル浴衣の店だった。
「せっかく花火大会なんだから、浴衣着ようよ。ユノ、浴衣着たことある?」
「いや…無いけど…」
えーーーっ‼浴衣?ジェジュン兄の浴衣姿みられるの??ラッキー♡♡
絶対可愛いじゃん!絶対キレイじゃん!絶対色っぽいじゃーん!!(*∵)ウホウホ♪
「浴衣選ぼうか?え?分かんない?だよね、じゃあ選んであげるよ」←台本通り
ふっふっふ!実は数日前、ここに来てちゃぁ~んと選んでるんだ!ユノに似合う浴衣を探すために、数時間かかって探してるんだよ~ん^^
ジェジュンは仕事が忙しいクセに、ネットを駆使しユノに似合う浴衣を選別済みだった。
ジェジュン兄が選んでくれた浴衣は、鶯色と茶色が混ざったような渋い無地の浴衣。
これに白地の帯を合わせるらしい。
う~ん…渋いけど、おっさん臭くない?俺まだ18なんだけどなぁ。
着付けをしてもらい、姿見の前に立ってみる。
え…?ウソ。
渋くね?カッコよくね?さすがジェジュン兄!自分の知らない自分を発見した気分だ!
着付けが終わり出てきたユノを見て、思わずガッツポーズをした。
長身で逞しい体躯、少し日に焼けた素肌に、さらりと着た渋い鶯色の浴衣。
カッコいい!めちゃくちゃカッコいいし似合ってる!俺、天才!
渋い浴衣が逆にユノの若さを引き立てて、その素晴らしい体格に大人っぽさも加わって♡
あ~言葉にならない、今すぐに抱きしめて欲しいっ!!
着付けをしたお兄さんも、驚きを隠せないようだ。
「わぁ~すごくお似合いです。お若いから心配だったけど、これぐらい渋い方が逆にオシャレですよね」
「ですよね。体格がいいし、カッコいいからよく似合ってるよ、ユノ!」
嬉しそうな顔で褒めてくれるジェジュン兄。
恥ずかしいけど、最高に嬉しい!
ジェジュンが着付けに入り、ぴょこっと恥ずかしそうに出てきた。
「どうかな…」
生成りの無地にこげ茶の縞帯、潔い程シンプル過ぎるその浴衣は、明らかに着る者を選ぶ上級者向け。
少し恥ずかしそうにモジモジしながら、ちょっと小首をかしげて見せる仕草は、あざとさ一級!
いや~色っぽい!その白い肌によく似合ってる!ってか、ジェジュ兄しか着こなせないよ、その浴衣!
ユノは、美しい浴衣姿のジェジュンから目が離せず、来る前に3回ヌいたのは正解だったと思った。
はんなりとした上品な色気、浴衣の白に負けない白い肌、細い腰が目立つこげ茶の帯。
俺の隣に並ぶと、まるで恋人同士の様にマッチしている。
「素敵ですね。白い肌によくお似合いです。難しい浴衣なのに、こんなにカッコよく着こなせた人は初めて見ましたよ。お二人とも素敵です!」
褒められて気を良くした二人は、ルンルン♪で浴衣の店を出る。
一旦、ジェジュンのマンションに着替えを置きに行き、ジェジュンは部屋に着替えを放り込み、ユノはさりげなくジェジュンの家をスマホに登録した。
街を歩きながら、二人並んだ姿がショーウィンドウに映って、ついそれを見てしまう。
それは他の人も同じで、男同士なのにまるで恋人同士にも見える二人の浴衣姿に、人々は振り返って見ていた。
あぁ、まただ。誰もがジェジュン兄の浴衣姿を振り返って見てる。男も女もみんなだ。
分かる、だってすっげー綺麗だし、カッコいいもん。見ちゃうよな。
あのおっさんなんか、完全に鼻の下伸ばして、イヤらしい目でジェジュン兄を見てる。クソッ!
嬉しいけど、俺のだから見るなって思ってしまう…そんなわけないのに。複雑だな。
さっきから女の子達がユノを隠し撮りしてる。
分かる、明日友達に「カッコイイ人見た!」って自慢したいよね。
俺の彼氏なんだよ!って言ってみたい…絶対無理だけど。
やっぱりユノは女の子がほっとかないよな…なんか、複雑。
二人は少し複雑な気持ちを抱え歩き出したが、屋台が並ぶ街を見たり、少し日が落ちてきて気持ちが楽になって来た。
そうだ、せっかくのお祭りなんだから、楽しもう!
ユノ~カッコいい♡
※※※
努力したユノ、偉いぞ!一緒に浴衣を着ての花火大会♡
二人の気持ちは全く通じていませんが、楽しそうですww
お互い花火をバックにチュー♡したいみたいですが。
はてさて、どうなることやら?ww