昔々、ある森に、とても愛らしく美しい少年が住んでおりました。
真っ白な肌はミルクのようで、大きくつぶらな目は黒い宝石のようで、柔らかそうなピンクの唇は、咲き始めのバラの花びらのようでした。
名前をジェジュンと言いい、森の先にある村でも評判の美しい少年でした。
ジェジュンは、森に一人で住むおばあさんと、一緒に住んでおりました。
ジェジュンは、森で摘んだ木苺やベリーをジャムにしたり、飼っているヤギの乳でチーズを作ったり、蜂蜜を取ってきて瓶に詰めたりして、それを村で売り生計を立てていました。
ジェジュンが作るジャムやチーズは、大変美味しいと評判でいつもすぐ完売してしまいました。
そのお金で必要なものを買って、また森に帰るのでした。
「今日も売れに売れたなぁ~。僕って天才。うふ」
ジェジュンはご機嫌で、おばあさんが好きな葡萄酒や、ジェジュンが好きな葡萄酒を買って帰りました。
この祖母とジェジュンは、無類の酒好きだったのです。
「おばあちゃん!買って来たよ!」
家に入り声を掛けますが、おばあさんの返事はありません。
そこへ友達のフクロウがやってきました。
「ヘイ、ジェジュン。今日もご機嫌だね」
「あぁユチョン。おばあさん知らない?」
そこへまた友達のモモンガが飛んできました。
「やぁ!ジェジュン、ご機嫌だね」
「あぁジュンス。おばあさん知らない?」
「おばあさんなら、いつものように狩りをしていたよ。今日はジェジュンが村に行くから、ウサギの丸焼きで一杯やるんだって張り切ってたよ」
おばあさんは、マタギでした(アクティブババ)
「おや、みんな揃ってるのかい?」
おばあさんが、ウサギを3羽捕まえてニコニコ笑っていました。
おばあさんとジェジュンは早速ウサギを丸焼きにして、待ちに待った葡萄酒タイムが始まりました。
フクロウのユチョンと、モモンガのジュンスも加わって、楽しい宴が始まりました。
ジュンスはモモンガのくせに歌が上手で、ジュンスが歌うとおばあさんは楽しそうに踊りだしました。
ジェジュンとユチョンも一緒に歌い、焚火を囲んだ宴は夜遅くまで続きました。
次の日、飲み過ぎたジェジュンは、近くの泉に水浴びに行きました。
いつものように、お気に入りの赤い頭巾をかぶって、二日酔いの体を引きずり泉に向かいました。
日の光が差す綺麗な泉は、ジェジュンしか知らない秘密のスポット。
ジェジュンはあっという間に生まれたままの姿になり、ドボンと泉に飛び込みました。
「うえぇ~さすがに昨日は飲み過ぎたなぁ~」
ぱちゃぱちゃと水浴びしながら、天から注ぐ光を浴びて日光浴する至福の時間を過ごしました。
あんまり日差しが温かくて、ジェジュンは岩場に寝そべったまま、グーグー寝てしまいました。
「はぁ~疲れたな…あ、泉がある、ここで休んでいこう」
旅人であるユノは、馬に乗せていた荷物を降ろしてやり、自分も泉の水で顔を洗いました。
馬も水を飲みながら、体を休めています。
あまりに綺麗なその水に、水浴びをしようと、着ていたものをすべて脱ぎ、泉に入りました。
スイスイと良い調子で泳いでいると、岩場に何か白い物体が光っています。
あれは何だ?と思って近づいてみると。
真っ白い少年が、生まれたままの姿で、岩場で眠っていました。
な…あれは、天使か…?
な、なんて…美しいのだ…!!
すべすべの白い肌は日差しに光って真珠のような輝きを放っており、すやすや眠るあどけない顔がまるで少女のように可愛らしい。
旅人ユノは思いました。
あれは天使だ、天使に違いないと。
すすすと近寄ると、くかくかと幸せそうに眠る天使を舐めまわすように見つめるユノ。
違う角度からも見ようと体を動かすと、パシャリと水が跳ねて、ジェジュンが目を覚ましました。
「えっ!誰っ?!」
驚いたジェジュンはそのまま泉にドボンと落ち、泳げないのでブクブク沈んでいきました。
すかさずユノは泉に潜り、ジェジュンを抱き合上げ助け出しました。
ゴホゴホ咳き込みながら、ジェジュンは自分を助けてくれた男の逞しい腕を感じました。
ふと目を開けると、そこにはすっきりとしたイケメンフェイスがドアップで目の前にありました。
いつもフクロウやモモンガとばかり話しているジェジュンは、その男らしく逞しいユノに一目ぼれ。
乙女心がキューンと音を立てました。
大きくてつぶらな瞳がこちらを向いたとき、ユノの胸と股間が、ドキューンと音を立て質量を増しました。
ウルウルと不安げに見つめながら、そのじっとりとした熱い視線を、ユノは見逃しませんでした。
今、二人は泉の中、生まれたままの格好で抱き合っているのです。
じわじわとお互いの顔が近づき、まるで引き寄せられるように、二人は口づけをしました。
一度離してはまた口づけて、見つめ合い、また口づける。
次第に深い口づけに変わり、二人とも気持ちも体も高ぶってきました(若いのです)
ユノはジェジュンを抱きあげたまま、柔らかい草に上に自分の上着を敷き、その上にジェジュンを横たえ、そして自分はその横に寝そべりました。
「君の名は…?」
「ジェジュン…アナタは?」
「ユノ」
二人は名前を確認すると、すぐに抱き合い、愛し合いました。
互いに名前しか知らないのに、まるで昔から知っているような不思議な感覚で、熱く、痺れるような快感が二人を包みました。
「あぁっジェジュン!君はなんて美しいんだ!俺は天使を抱いているのだろうか」
「ユノ!アナタはなんて逞しいの?僕が壊れるぐらいに抱きしめて!」
「ジェジュン!もう俺は君に夢中だ!♡」
「ユノ!僕の方こそ、ユノがいないと生きていけない!♡」
まるで歌の歌詞のような言葉を繰り返しながら、愛の睦ごとも永遠のループです。
さっき会ったばかりなのに、熱い二人です(ヤレヤレ)
木の上から、若干呆れつつ二人を見ていたフクロウユチョンの元に、モモンガジュンスが皮膜を広げて飛んできました。ブーン
「ゆちょーん、なにしてんの?」
「やぁジュンス。ここはちょっと暑いから、向こうの泉へ行こう」
まだ子供のジュンスに、真昼間から青カンに励む二人の姿は見せられません。
少し離れた泉で水を飲んでいると、そこへ白い馬に乗った若者がやってきました。
「やぁやぁ、そこのフクロウさん、ちょっと尋ねたいのですが」
長身の端正な顔つきの青年が、髪をかき上げながらユチョンに話しかけてきました。
まさに白馬に乗った王子、チャンミンでした。
「アナタはこの国のシムチャンミン王子ではないですか。どうしたのです?こんな森に一人で」
「ほう、アナタは物知りフクロウさんですね。いかにも私はこの国の王子、シムチャンミンです」
「王子様、何をお尋ねになりたいのですか?」
「この森で、オオカミに食べられてしまった、赤い頭巾をかぶった可愛い子がいると聞いてやってきたのです。可愛い子は、王子として助けねばなりません」
可愛い子限定かよ…とフクロウユチョンは呆れたが、ふと、さっきのジェジュンの事を思い出しました。
赤い頭巾をかぶった可愛い子…ジェジュン…。
そういわれれば、赤ずきんは、オオカミに食べられちゃったと言ってもいいのかな?アハハ
しかし赤ずきんは「ユノがいないと生きていけない~♡」と盛り上がっていたから、どっちかと言えば赤ずきんがオオカミを食べちゃったって感じ?フハハ
フクロウユチョンが下ネタで一人盛り上がっていると、空気を読めない子供ジュンスが、張り切って答えました。
「オオカミは知らないけど、赤ずきんちゃんなら知ってるよ!この森に住むジェジュンだ!」
「ほう。ジェジュン…可愛い名前だ…」
チャンミン王子はデュフ…とまるでオオカミのような笑みをこぼしました。
※※※
この画像を見て一気に思いつくまま書きました。
可愛い赤ずきんちゃん♡
でも、これって…頭巾なのか?