今回はお祭りのお話しです。

「バイバイ」

5年前くらいの
ある暑い夏の夜のお祭りでの出来事です。

女友達と私、3人で近所のお祭りに出かけました。私達3人はテンションも上がり焼き鳥やかき氷などを食べ満足しなが家路へと帰っていました。
1人が浴衣だったので、ゆっくりゆっくり歩幅を合わせながらおしゃべりに夢中になっていました。

ふっと話しが途切れ、沈黙になった時です。
前から1台の黒いセダン車がゆっくりとこっちへ向かってくるのが見えました。
私は何故か気になりその黒い車をじっと見つめていました。
黒い車の中は全く見えず、街灯の下を通った時でも
フロントガラスからでも中は見えません。

黒い車は私達の右横を
ゆっくりと通り過ぎようとした
瞬間‼︎
「ばあ〜いばあ〜い」
ハッキリと右耳元で聞こえました。
いや、聞こえたというより
頭の中で聞こえました。
「‼︎」
私はビックリして身体が一瞬固まってしまったけどすぐ元に戻り、他の2人を見ました。
2人の顔が引きつっているのが、薄暗い街灯でもよく見えます。
(あぁー2人にも聞こえたか)
私は2人に声をかけました。
「…聞こえた…?」
「…聞こえた…ばあ〜いばあ〜いって…」
「私も…」
私は
「20代くらいの男の人の声じゃなかった?」
聞きました。
2人はうなずきました。

幸いみんな家が近かったので、早歩きでそれぞれ帰って行きました。


今でも考えると不思議です…
何故、車の中が見えなかったのか…
何故、バイバイなのか…
何故…
バイバイと言いながら男の声は笑っていたのか…