久々過ぎて使い方がわかりません。笑

 

今日は何について書こうかな。

好きな人の話でもしてもいいですか。

 

 

それはそれは良い男で。

ダメなところももちろん沢山あって、

むしろダメなところの方が多いくらいで

周りには絶対ダメだ。と言われるレベル。

 

 

だけど、そこで辞められないのが女ってもんですよね。

 

 

この人となら地獄だって一緒に見れる。

それだけ思う人にこの先出会うことがあるのだろうか。

 

なのに不安だらけで

信じきれない自分が一番悲しい。

地獄をみるのは一緒だから耐えられる。

ひとりで地獄をみるのはもう嫌なの。

 

そんな我が儘。

 

 

でもね、

好きな人のことくらい、迷わず、

女の一本道。

進んでみたいと思うのです。

 

何を失っても。

 

それが女ってやつじゃないの。


思いの外、多くの方にみて頂けているようで、ありがとうございます。
こちらのカテゴリはブログ的に、もう少し緩く使おうかなと思います。


突然ですが、人生で初めて骨が折れました。
肋骨が、2本。
ヒビくらい入ってそうだなーくらいに思いつつ一週間放置していましたが、思いの外色んな方々に怒られたのでしぶしぶ病院へ行ったらば

「あぁ、折れてる折れてる。」
…先生、軽いよ、ノリが。


昔、音信不通のまま別れ、約六年ぶりに再会した元彼は、私と別れてから2回鼻の骨を折っていて
高校生の頃付き合っていた人はスキーで腕かなんかにヒビが入り
浪人時代の彼は浮気相手の女の子といる時に街灯から落ちて足の骨を複雑骨折(この話は以前のコラムで書いたことがありますが、お陰でとんでもない修羅場に。)し
少し前に好きだった人は、一時音信不通の間に仕事中の事故で肋骨にヒビが入り。

私の関わってきた男の子、特に、あまり良い別れ方をしなかったりとかそういう人達が何故かことごとく骨に異常をきたすというジンクスがあったのですが。

ついに自分の骨がやられるとは。
何か誰かに恨まれてるのではないかと、不安になる。
心当たりがない訳でもない。

むしろ、腐る程、ある。


なんでも関連づけたりして考えるのはよくないことですがね。
自分の行いを振り返って反省するのは良いことだと思う。
後悔は、しないけど。


しかしね、私がさよならをしてきた人達にはもうひとつ、共通点があるのです。

鼻の彼は働いていた会社がなくなってしまうという危機から、関連会社への転職が無事決まり、すっかり新しい職場でそれなりの地位についていて
腕にヒビの彼は、転職して都会を離れ緑豊かな避暑地で、いまや奥さんと2人の子供と穏やかに暮らしている。
複雑骨折の彼は、足のせいでほぼニートみたいな生活だったにも関わらず、その後ボルトも抜けてやっと定職につくこともできて、新しい彼女とももう長いことうまくやっていて
肋骨の彼は今年の秋に念願の転職が決まったそうだ。

骨をやっていない人達も
どうしてだかみんな、憧れの仕事に就けたとか、なんやかや良い報告をよくしてくれる。

…どうしてみんなそう、私と別れてからトントン拍子に幸せになっていくのかしら。

どんなに当時苦労させられた相手でも、二度と会いたくない相手でも、
そういう報告だけは、いつも心の底から良かった、と思ってしまう。





"私と別れたらきっと幸せになれるんだから、取り敢えず私と付き合ってみたらいいのに。 すずめ"



そんな口説き文句はダメでしょうか。ね。






原宿か、青山一丁目か、表参道か。
この喫茶店にくる時はいつも降りる駅を迷う。
何度も通っているくせに未だにどの駅からも遠く感じて、一度も最短と思われるルートで辿り着けたことがない。

大通りから一本路地に入り、小さいけれど重い木の扉を開ける頃には、既に足は痛く思わずため息が出る。

天井が低く洞穴のように狭い店内に入り
上品な珈琲の香りと甘くて香ばしい香りを確認して
(良かった。)
と心の中でつぶやく。


「流行りやな」
彼がいう。
違うもん。私は少しむっとする。
最近びっくりするほど並ぶようなパンケーキ屋さんがあちこちにできている。
大量の生クリームや、目が痛くなるような色彩のなんとかベリーやフルーツや、じりじりと滲み出るバターや、仰々しい鉄の器にどっぷりと佇んでいたりする
"パンケーキ"
というやつらとは違う。

「あれは輩よ。」
「輩ってなぁ…」

苦笑いをする彼を無視して私は店員さんを呼び
"ホットケーキ"を2つと、アイスコーヒーも2つ、注文した。

「"ホットケーキ"がいいってことなんやろ。パンケーキやなくて」
「まぁ。」
「甘いのと、食事と、みたいな違いなんやっけ」
「確かね。でもそういうんじゃないの。パンケーキもきっと美味しいけど、最近のパンケーキってどうも疲れるでしょう」
「よう並んどるもんな。みんな新しいもん好きやから」
「ホットケーキは優しくないと」

いまいち腑に落ちんという顔をしていた彼も、運ばれてきたその"ホットケーキ"をみるなり微笑んで頷く。
「うん。うん。」

白のシンプルなお皿にテディベアのような茶色の、綺麗な薄い円柱型の生地が2枚。その上に四角いバターがひとかけ、お皿の隅にスプーン一杯分の生クリーム。別で、白の小さな容れ物(あれはなんていうんだろうか)に少しのメープルシロップ。
ナイフを刺す一瞬だけ、サクリ。と感じて、しかし口の中にいれればしっとりと丁度いい甘さの生地。
質素だけれど、私にとってはこれが"正解"なのだ。

「正しいホットケーキやな」
このホットケーキは私にとって確かに、紛れもなく、正しい。

ふむふむとたまに呟きながら彼は丁寧にそのホットケーキを食べてくれた。
彼は、気に入ったものはとても丁寧に食べる。少しずつシロップをかけ、クズもシロップもお皿に残らないように。いたって、丁寧に。
それなのに彼は、食べるのが早い。

私がまだ半分も食べていないうちに彼はホットケーキをペロリと平らげ、アイスコーヒーをすすっている。
そのうちじっと一点をみつめて、動かなくなる。

(始まった。)
普段、人柄の良さと優しさが滲み出ている彼のたれた目がうつろになり、
ずぶずぶとまるで泡になって消えていくかのように、彼の輪郭はぼやけ周りの空気と彼の境界線があやふやになっていく。
そうやって彼は時々、私の前から溶けていなくなりそうになる。

私は自分のホットケーキを黙々と、なるべく彼のように丁寧に食べながら、しばらくそんな彼を凝視し続ける。
こうなってしまうと、私がどれだけ凝視していようとも気付かない。
そのうち本当に泡になってそのまま消えてなくなるのではないかと、私は注意深く彼の輪郭を観察する。

普段の彼は明るく、とても飄々としている。
彼の周りには才能の有る人たちが沢山いて、その誰もがきっと素敵な人物で、
彼には大切な家族も友人も愛する人も、いるんだろうと思う。
彼自身もまた多彩な人であり、私は元々彼の言葉や彼の撮る写真や彼の声が好きで、憧れていた。
私にとっては本来近づきたくないくらいの、眩しくて、正しい人だ。
そうして私は実際の彼に会ったとき、どうしようもなく緊張して、嬉しくて、それでいて怯えていた。
しかしその時、ふいに気付いた彼の目の孤独さに、私は取り憑かれたような気がした。

今目の前で、消えいりそうになっている、こんな時だけではない。
優しく、明るく、しっかりとした輪郭で話しかけてくれているその時ですら、彼はいつもどこか心ここにあらずにみえる。
だから彼と一緒にいる私もどうしよもなくいつも孤独で、
そしてこうして突如消えてしまいそうな彼を眺めていると、本当は彼は私の夢なんじゃないだろうか、などと思う。


私のホットケーキもお皿から消え、
彼の輪郭がほとんど滲んでみえなくなりかけたころ、
私はコーヒーについてきた親指ほどの大きさの焼き菓子を彼の口に押し込んだ。

焼き菓子は彼の口から半分以上飛び出して、うつろな目のまま私の方をみる。

ほら、まぬけな顔になった。

さっきまでの今にも消え入りそうな顔も、口を半開きにして焼き菓子をくわえていては、なんとも間抜けだ。
もう一度焼き菓子を、今度はきちんと口の中に全部押し込んでやると、
彼はやっともごもごと口を動かして、あやふやになっていた彼の輪郭も、はっきと戻っていった。

「おかえり」

彼は何がおかえりなのかさっぱりわからないという顔をしながらサクサクと平和な音を立てている。

「おかえり」

もう一度私がいうと、どうしたの?とでも言いたげな、きょとんとした顔をして、
いつもの優しい目で、嫌になるほどの正しい目で、私をみつめる。

「どうしたん」
まるで今までの沈黙なんてなかったかのようにけろっとした顔で彼は笑う。

「え。」
「え。」

彼は私の驚きをまるで理解していない。






私は今でもたまにここのホットケーキを食べにくる。
間違いなく、正しく、優しいその甘さに戸惑いながら、
どれだけ丁寧に食べようとしてもお皿に残る、シロップや生クリームの跡を見るたび、
彼のまっさらになっていたお皿を思い出すたび、
やはり彼は夢か幻か、そういうなにかだったのではないかと疑ってしまう。