逆流性食道炎知恵袋(15)のどの違和感・つまりが治りません。食欲のなくて体調が悪いです。どうしたらいいですか?
おはようございます。
なんだかわからないし、先がみえないので、つらいし不安でいっぱいになりますね。
「わかること」からスタートをきりましょう。わからないことが人は一番不安だといわれています。
1)専門医を受診しましょう:消化器系の検査・内視鏡検査・内分泌(ホルモン)の異常など、病気がかくれていないかをきちんとしらべてもらいましょう。
2)病気がなければ、タイプ3の食道炎になります。薬物療法、鍼灸・整体などからスタートしましょう。
3)現状把握と分析をして、とりくみましょう。
回答:タイプ3の食道炎と思います。
1)現状把握と分析が大切
2)タイプにあわせた対処をしましょう
現状把握と分析:逆流性食道炎にはタイプが3つあります。どのタイプなのかを把握して分析しましょう!
3つとは?:
1.筋肉の弱った食道炎
2.筋肉は正常な食道炎
3.筋肉は正常で食道炎もない
それぞれの対応法:
1.筋肉の弱った食道炎:食道裂孔ヘルニア+逆流性食道炎
筋肉の弱った食道炎とは、食道と胃の境目にある筋肉が弱ってしまい、食道と胃の境目が常に開いてしまって、胃酸が逆流するタイプのこと(食道裂孔ヘルニアといいます)です。胃酸を抑えるお薬(タケキャブ・ネキシウムなど)がよく効きます。お薬の効果がないときは、タイプ1の食道炎ではありません。
2.筋肉は正常な食道炎:
筋肉の正常な食道炎とは、食道と胃の境目にある筋肉は正常で、食道と胃の境目は普段は閉じています。おなかの内圧が過剰に上昇したときに、食道と胃の境目が開いてしまって胃酸が逆流するタイプです。胃酸を抑えるお薬(タケキャブ・ネキシウムなど)がよく効きます。お薬の効果がないときは、タイプ1の食道炎ではありません。
3.筋肉は正常で食道炎もない:非びらん性胃・食道逆流症(ナード型)
筋肉は正常で食道炎もないとは、食道と胃の境目にある筋肉は正常です。食道と胃の境目は閉じていて、胃酸の逆流はないタイプのことです。胃酸を抑えるお薬などは効果ありません。
症状の原因は、脳と自律神経の反射反応の異常です。とくに、のどや食道の症状は「迷走神経領域の反射反応の異常」になります。
原因は3つあります。
1)脳のセロトニン不足
2)強い感情刺激:いらいら、不安、恐怖、緊張などの感情刺激(ストレス)
3)大脳皮質の疲労:スマホやパソコンのやりすぎ、仕事量が多すぎる(オーバーワーク)⇒自律神経の反射反応のコントロール力が低下します
対策:4つあります
· 即効性のある治療
· 脳の休息
· 脳のセロトニンを増やす
· 大脳皮質トレーニング(リセットトレーニング)
詳しくは以下:
1)即効性のある治療
①薬物療法:脳のセロトニンに作用するお薬が良く効きます。
②鍼灸・整体
2)脳の休息:
① スマホやパソコンの時間を減らす、
② ストレスから離れる!
③休職する
など
3) 脳のセロトニン量を増やす
脳のセロトニンを増やす9つの習慣
①朝日を浴びる:60分を目安
② リズム運動:
1)咀嚼:30回よくかんで唾液とまぜる
2)呼吸:横隔膜を動かして深呼吸
3)散歩:30分程度手をふって散歩
4)体操:5〜30分
③ 腸内環境を整える
1)プレバイオティクスオリゴ糖(ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、乳果オリゴ糖、キシロオリゴ糖、イソマルオリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、コーヒー豆マンノオリゴ糖、グルコン酸など)や食物繊維の一部(ポリデキストロース、イヌリン等)
2)プロバイオティクス:乳酸菌、ビフィズス菌、ヤクルト1000
3)シンバイオティクス
④栄養バランスのとれた食事 (タンパク質中心):糖質を控える
1)トリプトファン:大豆食品(豆腐・納豆・味噌など発酵食品)、バナナ、乳製品
2)ビタミンB6:鶏肉のささみ、にんにく、サバ・サンマ・マグをなどのお魚類、バナナ
3)消化:
1.咀嚼:30回咀嚼する
2.唾液:年齢とともに減少しやすい
3.胃の動き:姿勢が悪いと消化されない
4.消化酵素:年齢とともに減少してくる→コウジ酵素(炭水化物、タンパク質、脂質をバランスよく消化する酵素)
⑤深呼吸:横隔膜をつかって
1)腹式呼吸
2)逆腹式呼吸:よりおすすめ
⑥ゆっくり入浴 :
すこしぬるめで10分〜15分
⑦睡眠:10時ごろには就寝、起床4時〜5時ごろが理想
⑧ 姿勢をよくする:セロトニンがでる!
ストレッチ
あくび体操
せのび体操
⑨瞑想:朝にするといいね!
1)いわゆる瞑想(静的瞑想)
2)気功・太極拳(動的瞑想)
3)ヨガ(動的瞑想)
4) 大脳皮質トレーニング(リセットトレーニング)
⇒古い脳と自律神経の反射反応をコントロールする力を養います
アナウンス:
皆様からの、ご質問・コメント募集しています。個別のお返事はできませんが、ご質問やコメントの内容を知恵袋で解説していきます。
監修:
#医療法人社団紬愛会 新板橋クリニック
#院長 消化器内視鏡専門医 清水公一(しみずこういち)