ハーフサイズの逆襲 | 世の中を面白く楽しくしたい

ハーフサイズの逆襲

80年代絶滅製品供養塚
古来日本には長く使われた器物には魂が宿り付喪神(つくもがみ)になるという伝説がある。
包丁塚、人形塚、それらの魂を供養する塚もある。
では一発で消えた電気製品はどうなのか?そういうものでも開発した人の魂が宿っているのでは?
70~80年代高度成長時代に儚く消えていったそうした工業製品の付喪神を供養しようとこの「工業デザイン塚」を建立いたしました。
みなさま供養してくだされ。
ハーフサイズの逆襲
5回目の供養はハーフサイズカメラ。
デジカメ世代ではもう見た事もないだろのう。ハーフサイズカメラ。
昔、フィルムの貴重な時代じゃあ庶民のカメラといえばこれだった。
何しろ35ミリフィルムを2分割して使うんだから通常の倍の枚数を撮れる。エコでお得だ。昔はフィルムをたいせーつに使ってたのだ。フィルムの現像ができあがってきた時は一家の一大イベントだったなあ。

ハーフのカメラといえばオリンパスペンとかリーコーオートハーフが代表的。ワシも高校の頃、友人と旅行した時、友人がこれ持ってきたなあ。ところがワシが撮った写真は現像するとみんな縦長なのだ。つまり本来横長のフィルムを2分割するんだから。本当は撮影時はカメラを縦にして撮らねばならなかったのだ。一眼レフじゃないので知らないと気がつかないのだ。

「バカちょん」とも言われていた。リコーオートハーフはゼンマイ式のフィルム巻き上げ機構もついていたのだ。ジージーいう音がカワイかった。レンズのまわりにモザイクガラスの様なパーツがあるがワシはこれがストロボで光ってくれるのかと思ってた。

これらハーフサイズカメラは80年代になるともうほとんど絶滅状態になった。110カメラとかオートフォーカスカメラとかがでてきたから。
しかしこの絶滅種がある時、突如息を吹き返すのだ。
ハーフサイズの利点はフィルムのサイズが2分の1で済む事。だからレンズも焦点距離も小さくてすむ。小型の望遠レンズ付きカメラができる。
そこに注目した開発者が作ったのが85年富士フィルム「ツイング」
2種のレンズ(広角と望遠)を持っていてダイヤルを回して切り替えるというユニークな機構を備えていた。
86年にさらに画期的なヒット商品が誕生する。
京セラ「SAMURAI」
一眼レフでオートフォーカスという当時最新の機構に加え、ライカ判では35mm~105mmに相当する本格ズームも備えていた。フィルムは最初から縦にセットされ、カメラの向きもを心配しないでよい。それを活かしてカメラ自体も縦型にし、これが片手でしっかり握れて撮れる、という利点に転換したデザインになっている。これはコロンブスの卵だ。

55少年漂流記-供養塔 55少年漂流記-SAMURAI 55少年漂流記-若いなあ坂本龍一 55少年漂流記-ツイング 55少年漂流記-リコーオートハーフ

はGマークを初めポパイデザイン大賞も取ったりするのだ。しかしハーフサイズというのはプロやマニアにはやはり抵抗あったのか、バブル時代が悪かったのか、後継もでないで消えていった。もう京セラはカメラ事業も撤退しているし。
ワシはこのカメラのデザインは高度成長期を代表する傑作だと思う。業界では最後発メーカーの京セラの高い心意気を感じずにはいられない。がんばったんだなあ。
その開発者の魂を供養したい。
戒名は
写道院半幕縦撮居士
としよう