「老後資金と教育資金、どちらを先に貯めるべき?」



…これ、子育てママの定番お悩みですよね。



• 子どもの進学費用も不安
• 自分たちの老後も不安
• 今の生活費もギリギリ


全部いっぺんに準備できたらいいけれど、現実は「どれを優先する?」の選択になります。





結論:優先順位は「老後資金 ←教育資金」

え?子どもじゃなくて、老後が先なの?と思いますよね。


でも、お金のしくみを冷静に見ていくと、老後資金を先に土台づくり → 教育資金を上乗せという流れが、将来いちばん家計がラクになりやすいんです。



理由は大きく3つ。

① 老後資金は「やり直しがきかない」お金

教育費は、極端に言えば…
• 進学先のレベルや種類を変える
• 自宅から通える学校を選ぶ
• 奨学金やバイトで補う

など、選択肢でカバーできる部分があります。

一方、老後資金はどうでしょう?
• 65歳過ぎてから「やっぱりもっと貯めよう」と思っても、働ける期間が短い
• 年金は急に増やせない
• 医療費・介護費は増えやすい

つまり、老後資金は「後から調整」がほぼできないお金。
後回しにするほど、自分たちが追い込まれてしまいます。

② 教育費には「公的な支援」や「選択肢」がある

教育費はたしかに高いですが、使える制度がたくさんあります。
• 奨学金(返済あり・なしのもの)
• 給付型の奨学金や授業料減免
• 高校無償化や、私立高校の授業料支援制度 など

また、大学も
• 自宅から通える国公立を選ぶ
• いったん就職してから、働きながら学び直す
• 通信制・オンラインの大学や専門学校を選ぶ

など**「道を変える」ことができるお金**でもあります。

もちろん、親としては「できるだけ希望を叶えてあげたい」のが本音ですが、
子どもには制度や選択肢がある。一方、老後の自分にはほぼない。
ここが大きなポイントです。

③ 親が老後資金を準備しておくことが、子どものためになる

もうひとつ大事なのがここ。

老後資金が足りないと…
• 子どもに仕送りをお願いする
• 生活費や医療費で子どもの家計が圧迫される
• 「親の面倒をみるのが当たり前」とお互いしんどくなる

という**「老後の親の生活 = 子どもの重荷」**という構図になりやすくなります。

逆に、
• 必要最低限でも、自分たちの老後資金の目処がついている
• 年金+少しの取り崩しでなんとかなる

という状態なら、子どもは自分の家庭や仕事に集中できます。

「自分たちの老後を、自分たちの力でなんとかする」ことは、実は最大の子育て投資でもあるんです。



じゃあ、具体的にはどう貯めていけばいい?

ここからは、イメージしやすい「ステップ」で考えてみましょう。


ステップ1:老後資金の“最低ライン”を決める

まずはざっくりでOKなので、
• 年金見込み額(ねんきん定期便・ねんきんネット)
• 65歳以降、毎月いくらあれば生活できそうか

をイメージしてみましょう。

例:
• 老後の生活費目標:月20万円
• 夫婦の年金見込み:合計月14万円
→ 足りないのは 月6万円

この「月6万円 × 老後の年数(例:30年)」が、ざっくり必要な老後の貯蓄目安になります。
6万円 × 12ヶ月 × 30年 = 約2,160万円
(あくまでイメージなので、キッチリ計算じゃなくてOKです)

このうち、今から65歳までにどれくらい準備できそうかを考えます。



ステップ2:老後用の“先取り貯蓄”を習慣にする

老後資金は、余ったら貯める…だと、ほぼ貯まりません。
• 給与口座から自動で積立
• iDeCoやつみたてNISAでコツコツ運用
• ボーナスから一定額を「老後ボックス」に

など、**「先に取り分けてしまう仕組み」**を作るのがポイント。

毎月1万円でも2万円でもOK。
まずは「老後用のパイプ」を先に作るイメージです。




ステップ3:教育資金は「目標をしぼって」貯める

老後用の積立が回り始めたら、つぎは教育資金。
• 高校までは“日々の家計+児童手当”で
• 大学入学前の10年間で200〜300万円程度を目安に積み立て
(例:月1.5〜2.5万円)

など、**「子ども一人あたり、まずはいくらあれば安心か」**をざっくり決めます。

全部を親が出してあげなきゃ…と抱え込まなくてOK。
• 足りない分は奨学金
• 進学先の選び方で調整
• 子どものバイトで生活費の一部をカバー

こういった組み合わせで「親の負担を100%にしない」ことも、家計を守る大事な考え方です。



それでも罪悪感が出てくる?

「老後資金を優先って、なんだか子どもより自分を大事にしてるみたい…」
そんなモヤモヤが出てくることもあると思います。


でも、よくよく考えてみると…
• 親が生活に困らない
• 子どもに「お金の心配」を背負わせない
• 会うたびに笑顔でいられる


こんな老後を準備してあげることは、
**子どもにとっての“最高の安心材料”**です。

「私たち夫婦の老後は、私たちなりにちゃんと考えてるからね。
あなたはあなたの人生を大事にしてね。」

そう言える親でいること。
それが、教育資金と同じくらい大事なお金の準備なんだと思います。



まとめ



• 優先は 教育資金→老後資金
• 老後資金は「やり直しがきかない」から先に土台づくり
• 教育費には奨学金・制度・進路の選択肢がある
• 親の老後が安定していることは、子どもへの最大のプレゼント
• まずは少額でも「老後の先取り積立」をスタートし、その上で教育資金を上乗せする

「全部はムリ。でも、できるところから。」
そんなゆるいスタートで大丈夫です。

いまの自分の生活も大事にしながら、
“未来の自分と子ども”のためのお金を、いっしょに育てていきましょう。