「ねえねえ、おかあさん」


って、気がつけばあんまり言わなくなった気がする。




なんとなく、「ねえ」とか「あのさ」とか、


話す内容も、なんだか最低限の言葉で済ませてしまったり。




大事なものは、失ってはじめて気づく。


なんてよく言うけど、


なんでかな、


離れていた時にはわかっていた大切さも


近くにいると、また見えなくなったり。




失ってからじゃ、遅いのにね。


失ってからじゃ、大切にしたくてもできないのにね。




おかあさん、私、もう大人なのに


まだまだ子どもでごめん。


いくつになっても、自分のことで精一杯で。




いつかちゃんと、面と向かって伝えるからね。




母の寝顔を見ながら、そんなことを思ったのでした。