月曜の晩、撮影を終えて帰宅すると、
リビングの電気がついていた。
深夜1時すぎ。
ただならぬ空気を感じつつ家に入ると、
いつもならもう寝ているはずの母が出てきて言った。
―――おばあちゃんが、亡くなったの。
そこからはもう、バタバタだった。
血のつながりって不思議。
一緒に過ごした時間はあまり多くないおばあちゃん。
ただでさえ細くてちっちゃかったのに、
棺の中の体はもっともっとちっちゃくて、
おばあちゃんじゃないみたいだった。
お通夜の間も、お葬式の間も、涙が全然出てこなくて、
私、泣けるかなあ、って不安に思ってた。
でも、お葬式が終わる直前、
急に目が覚めるような感覚があって、
なんだかおばあちゃんと会話した気がしたんだ。
なんでだろう、よくわからないんだけど。
急にそんな気がして、
「おばあちゃん、ありがとう。私がんばるよ、負けないよ」
って必死で思ってて、
そうしたら、最後におばあちゃんと握手した時の
ちっちゃな手のぬくもりが
ずいぶん前のことなのに、鮮明に蘇ってきて・・・・・・・・
気がついたら、
涙がぽろぽろこぼれてた。
ちょっと不思議体験。
錯覚。
思い込み。
気のせい。
もしかしたら、そうかも知れない。
信じる?
信じない?
それは自由。
でも私は、思い過ごしなんかじゃないって
信じてます。