朝、洗面所で出かける準備をしていたら、

リビングで母の携帯が鳴った。



―――もしもし?

うん元気よ、ありがとう。

先週はロールキャベツを作ってね・・・・・・・・

そっちはどう?



母が楽しそうに会話する声が聞こえてくる。



何気なく聞いていたら、

電話の相手が父であることがわかった。



定年を迎えた父が、単身、山口に帰ってから

気がつけばもう一ヶ月。



母の楽しそうな声から、

父も楽しそうなのかなと想像する。



私がずっと見たかった、二人の姿。



長い間、当たり前のように一緒にいると、

大切なものが見えなくなったり、

見たくないものばかり見えてしまったり、

そうして、ほんのちょっとの優しさとか、勇気とか、愛情とかを

ほんのちょっと、どこかに置いてきてしまうのかも知れない。



距離や時間が、すべてを解決するとは思わないけど、

そんな「ほんのちょっと」をもう一度手繰り寄せる

余裕をくれるのかも知れない。



気づいたら、メイクしたての自分が

鏡の中でパンダみたいになってた。



おとうさん。

おかあさん。



って、呼びかけてみたくなったけどガマンして、

洗面所のカーテンを降ろして

母に聞こえないように泣いた。



しばらくすると、話題が私のことになった。



あたたかい気持ちで耳を傾けていると、



「毎日2時間くらいしか寝てないんじゃないかしら、

そうよ、昨夜だってひと晩中電気つけっぱなしだし・・・・・・

まったく・・・・・・・・ぶつぶつ。」



悪口言ってる( ̄□ ̄;)


聞こえてるのわかってるくせに!!

しかも、これまでのどの話題よりも・・・

盛り上がってる!!



アタシの涙かえせー。



晴れ晴れ晴れ晴れ晴れ

そんなわけで、

今日はこれから池袋へお出かけです。

引っ越して依頼、久々の池袋。

行ってきま~す音符