×月×日とあるハム村



天気は晴れ!


俺の旅にうってつけの天気!


あ、俺は"ボン"


カラーハムスターのオスだ。


今日は待ちに待った俺の旅立ちの日。


母ハム「ボン、気をつけて行くんだよ」


ボン「分かってるよ、母さん」


父ハム「母さんの為にちゃんと手紙を書けよ」


ボン「分かってるって父さん。早く行かせてよ!」


そう言う俺は足踏みをする。


父ハム「ったく…お前は人の心配を聞かずに…」


ボン「だってやっと世界が見れるんだよ!楽しみじゃなかったら損じゃんか!」


母ハム「もう…あなたは…」


ボン「早く!早く!」


父ハム「分かった分かった!」


母ハム「着替えは持ったの?お金は?」


ボン「ちゃんと持ったって!母さんにもチェックしてもらったでしょ!」


母ハム「そうね」


ボン「もう行ってもいい?いいでしょ?」


父ハム「いってこい」


母ハム「行ってらっしゃい」


ボン「行ってきます!」


俺はそう言うと走り出す。


待ちに待った俺の旅が始まった!


これから見る物、出会う人達が楽しみ!


俺はのどかな草原を飛びながら走って行くのであった。













村を出て1時間位経ったが右を見ても左を見ても木ばかり。


でも、見た事ない動物や鳥、食べ物が目につく。


食べ物に関しては美味しそう…


だけど、母さんに「森とかにあるきのこや果物や野菜はちゃんと調べてから食べなさい!」と言われていた。


毒があったり、体が痺れる物もあるらしい。


そういえば…と思い、鞄をおろして鞄の中を漁る。


えーっと確か持ってきてたはず……


ガサカサガサ


ボン「あった!」


そう言って鞄から出したのは1冊の本。


その本には"食べれる野生の果物・きのこ・野草・野菜"と書かれていた。


母さんが「一応持っていきなさい!」と言って鞄に入れていた物だった。


心の中で"ありがとう、母さん"と感謝しながら本を開ける。


が、見ても分からなくて本を閉じる。


ボン「まぁ分からなくても食えればいいか!」


俺はそう思い、蔓になったいた果物っぽいのを1つ取るとそのままかぶりつく。


ボン「もぐもぐもぐ苦い!」


そう言って、俺はぺっぺっと吐き出す。


ボン「なんだ食えないのかよ」


俺はそう言うと手に持っていた残りを地面に捨てる。


ボン「あーあー美味しいひまわりの種食べたいなー」


俺はそんな事を考えながら歩き出す。


そういえば本でしか見た事ないんだが、この世界には黄金のひまわりの種があるらしい。


らしいで本当なのかはわからない。


もし本当ならば食べてみたいな…


そう考えるとヨダレが出る。


俺はヨダレを拭くと「待ってろ!黄金のひまわりの種!」と叫ぶ。


この先、何が待っているのか俺は知らずに……
















【続く】