「ゲゲゲの女房」で水木しげる先生は
小さい頃、ガキ大将だったというエピソードがありました
僕の時代のガキ大将は、ケンカもするけど
同じクラスの仲間は守ってくれる、頼もしい存在でした
「ハリスの旋風」の石田国松
「男一匹ガキ大将」の戸川万吉
ちょっと前の「ろくでなしブルース」の前田太尊
みんな愛すべきキャラクターです
今の時代は、読んでないのでわかりませんが
どんなガキ大将がいるのでしょう(笑)
「男一匹ガキ大将」に魅せられた男の子はいっぱいいました
僕の先輩に鈴木さんという人がいて
「男一匹ガキ大将」に魅せられた一人です
中学卒業と同時に、本宮先生に弟子入りしするため上京
先生から「とりあえず高校だけは卒業するように」と言われ
高校卒業後、はれて本宮先生のアシスタントになった人です
「山崎銀次郎」の人物のペン入れを、鈴木さんがしています
もう時効だと思うのでこんなエピソードを…
鈴木さんが「山崎銀次郎」のカラー扉を仕上げている時
コーヒーを原稿にこぼしてしまい
迷ったあげく、元の本宮先生とまったく同じ絵を書きあげ
色を塗り無事入稿したそうです
なんとその絵がコミックスの表紙にもなってしまったと
鈴木さんが後日、笑って話してくれました(上記の絵ではありませんよ)
その鈴木さんが、いつの間にか僕のアシスタントしていた仕事場に
酔っ払っては現れるようなり、一緒に仕事するようになりました
そのうち落合にも引っ越してきて
酒を飲まれる度に呼び出されるようになります(笑)
中落合に住んでいたので
当時は「落合あたる」というペンネームを使ってました
バイクが大好きで、6畳の部屋にオフロード用の
バイクが天井から飾ってありました
たまにバイクの後ろに乗せてもらって
多摩川まで走ったこともあります
仕事も色々教えてもらいましたが
仕事以外もいっぱい教えてもらいました
僕の妹を見てからは
僕の事を「お兄ちゃん」と呼ぶようになり
困った事もあります(笑)
僕の下宿に来ては、いつも録画した
ショーケンのライブビデオを借りていきましたっけ
僕が漫画を辞めた時
何も言わずに引っ越したので
きっと再会したらぶん殴られるだろうなぁと…
10年後、もう一度漫画を書き始めた時
ある仕事場で当時の知り合いにバッタリ会うことがあり
こわごわと鈴木さんは?と聞きましたら
数年前に亡くなったという事でした
…
僕の下宿に遊びに来ていた鈴木さんが
書いてくれた僕の似顔絵です
バイクが好きで、漫画が好きで
お酒を飲むと、しょうもない先輩でしたが
愛すべきガキ大将でした