「う゛あ゛~……」
次に目覚めた瞬間、激しい頭痛に彗は顔をしかめた。
風邪による頭痛ではなく、アルコールによるねっとりとした痛み。
「……あ゛~?」
自室の光景を見て、彗は再びうめき声をあげた。
「なんつうかさ」
とりあえず、すぐ傍の椅子に座っている真に話しかけてみる。
「こういうのって、ドタバタしながらも結局はちゃんと看病されて、俺は治ったけど今度はそっちを風邪を引いちゃった、みたいなオチで締まるもんなんじゃないのか?」
「さぁ」
無表情のまま、真は首を傾けた。
「そんでな」
はぁ、と一度溜め息を吐いて。
「一応聞くが、なんでこんなことになってんだ?」
部屋のところどころで気持ち良さそうに、あるいは唸りながら眠る、、円花、秋乃、弓。
その面々を見ながら、彗は尋ねた。
「味見」
一言で表されたその惨状の原因。
「あの卵酒飲んだのかよ……」
しかし、たった一言でも十分彗には伝わったらしい。
「さすがにお前は飲まなかったか」
平気そうにしている真に、苦笑いを送る。
「いや、飲んだ」
しかし、真は首を横に振った。
「そうなのか? んじゃあ、意外と酒強かったりするのか?」
「そうでもないと思う」
「そうか? けど……」
彗の言葉の途中。
「だから、この通り」
それだけ言って、真もベッドの方へと倒れこんだ。
「……なんで時間差なんだよ」
真の寝顔を見ながら、彗はうんざりと呟いた。
酔ってなお保たれていた無表情は、驚くことに寝ていてもなお健在だった。
「……俺も、もっかい寝るか」
彗は再びベッドに寝転がる・
まだ少しアルコールが残っているのか、眠気はすぐにやってきた。
(多くは望まない。せめて、次に目覚めたときに見る惨状が今以下でありますように)
そんな、ささやかにして無意味に難易度が高そうな願いを胸に、彗は眠りについた。
その願いが叶えられたのかどうかは、定かではない。