ある日、それが死神の転機だった。
「やぁ茶玖君。心優しい朱麗さんが、わざわざ君当ての辞令を持ってきてあげたよ」
「……なんでそんなに恩着せがましいんだ。感謝する謂れはないっつーか、そもそもなんでアンタが持ってくるんだよ」
「まぁ気にするな。ちなみに、内容は回収課への異動だったよ」
「しかもなに中身まで見てんだよ!?」
「まぁ気にするな」
「するわ! ……って、回収課? つーとあれだろ? 死に掛けの奴から魂回収しに行くとこだろ?」
「乱暴な言い方をすればそうなるな。まぁ対象にも色々条件があるが……我々契約課のターゲットと違い、相手に拒否権はない」
「ずっと契約課でやってきたオレが、なんでいきなりそんなとこに異動になんだよ」
「やはり、アレがじわじわ効いているんじゃないか? ほら、彗くんたちに協力して指令無視をした……」
「何十年前の話だ!」
「何十年って、たかだか20年弱だろう」
「いずれにせよそんな昔のが響くか!」
「では何が理由だと?」
「それは……なんか、上にも考えがあるんだろうよ」
「まぁそういうことだろうな。ちなみに異動は今日からとなっているからね。急いで準備した方がいい」
「また急な話だな……」
「ちなみにだな、ターゲットの名は……」
そして、死神は少女に出会う。
「あなたは……もしかして、死神さん?」
「あん? よくわかったな」
「私を、殺しに来たの?」
「まぁそういうこったな。一応言っとくが、アンタに拒否権は……」
「あぁ、よかった。ようやく来てくれたのね」
「……はぁ?」
「ずっと待ってたの。だから早く……」
少女は、微笑んで。
「私を殺して」と、そう言った。
「それじゃあ死神さん、明日はピクニックに行きましょう」
「……お前、わかってんのか? お前は明日、死ぬんだぞ?」
「うん? だからこそ、ピクニックに行くんだよ」
「…………そうか、わかった」
「お弁当作ってくね~。サンドイッチ、サンドイッチ~♪ わさびとからしをサンドイッチ~♪」
「待てそれはやめろ」
新しい出会いがあって。
「やぁ茶玖君。私というものがありながら、その女は何かね?」
「アンタは、わざわざそんなことを言うためにこんなところまで来たのか」
「もちろんだ」
「そこは胸を張るべきところじゃない」
「まぁ、無論4割方は冗談だがね」
「むしろ過半数が冗談じゃないところが不安で仕方ないわ」
変わらぬ関係があって。
「その”力”……てめぇら兄妹、まさか”あいつら”のガキだったりしないだろうな?」
「だとしたらどうだというのです?」
「あなたのことは、パパたちから聞いてるよ~!」
「チッ……3代に渡ってオレの邪魔をしやがるか」
「一応言っておきますが、我々の”力”の強さを当時の父様やお婆様と同一視しない方がいい。なにせ、”血”の濃さが違う」
「しかも、二対一だもんね~!」
「ハッ、上等だ!」
新たに力が生まれ。
「おいおい、勘弁してくれよ……俺はもうとっくにそういうの引退してるんだよ……」
「でも、久々にこういうのってワクワクしますよね! お弁当とか作っていきましょうよ!」
「お前は緊張感がなさすぎだ。そして実際に弁当を作るのはどうせ俺だ」
「むぅ、私ももうあの頃とは違って……」
「牛乳ミックスオ・レね。はいはい画期的画期的」
「なんでその反応は昔からずっと変わらないんですか!」
かつての力が舞い戻る。
「クソが……辛いなら、笑ってないで泣きやがれ」
「もう、無理なんだよ」
死を約束された少女と、死を約束した死神。
「人間のクソ短い人生で、我慢なんてしてんじゃねぇ」
「とっくに、手遅れだから」
互いに、受け入れていたはずなのに。
「だから……」
「だから……」
受け入れられていたはずの、運命は。
「生きたいなら生きたいと、そう叫べッ!」
「私を、殺して」
もう一度、廻り出す。
スタンプ・デッド the next generation
"side 茶玖"
coming soon……
(以下あとがき的なもの)
どうも、はむばねです。
さてさて皆様、最新作のお知らせだよ~
スタンプ・デッドでデビューしたはむばねさんの、次回作もやっぱりスタンプ・デッド!
けれど、かつてのスタンプ・デッドとはどこかが違う?
そんな新たなスタンプ・デッドの情報は↓でチェックだぜ!
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