医師の呼びかけでふと目が覚める。
……どうやら無事戻ってこられたようだ。
まだ麻酔が効いているためか痛みとか自分の身体がどうなっているかはわからない。
まだ気管に呼吸用に管が通されているのはわかる。
全身麻酔中は自発呼吸が弱くなるそうだし、手術の為に片肺を一度しぼませる必要があると聞いていたのでさもありなん。
術後は回復室で1時間ほど待機する話だったが、どの段階で移ったのか記憶が曖昧。
たしか意識が戻った段階で担当医から、手術が6時間半で終わったこと、輸血は行わずに済んだこと等説明されたと思う。
その後問題も起こらず無事にICUに移された。
カーテンで仕切られているだけで両隣にも患者がいたと思う。
血栓予防のための足のマッサージ器、血圧計、心電図の音が絶えず聞こえてくる。
たまに警告音が鳴るのが少し耳障りだ。
しばらく時間をおいて気管の管を抜管された。
(抜管は回復室でされたかも?これも記憶が曖昧)
その後気管支鏡で肺の状態を確認。
とりあえず問題なかったようだ。
抜管をしてからとにかく痰を出しまくる。
用意してあった鼻セレブティッシュを凄い勢いで消費していった。
ICU室のドア手前越しからだが家族との面会がかなう。
身体は無数の管に繋がれ頭は脱毛で禿げ散らかした酷い状態だったと思う。
病院内のコンビニで早速ティッシュを3箱程買ってきてもらった。
コロナ禍のせいで面会が基本出来ない状態なので、このタイミングでティッシュを買い置きできたのは本当に助かった。
動けるようになるまでに痰吐きでティッシュが足らなくなるところだった。
こんなに消費するとは思わなかった。
鼻から胃管に通っている経鼻栄養管が痰を出す時に喉で動いて、この管にも痰が絡んでいる感じがして喉を刺激した。
これは本当にかなり不快感が強かった。
後鼻漏持ちなのも関係あるかも。
ICUでの消灯後ぐらいからジワジワと背中に重痛さを感じ始める。
自分でボタンを押して硬膜外腔のカテーテルから痛み止めを入れる。
コンピューター制御である程度時間をおかないと、ボタンを押しても痛み止めが注入されない仕組み。
痛み止めが効いている時間が短くて、リモコンの注入OKランプが点くのが待ち遠しくなる。
そんな状態で短時間寝ては覚めてを繰り返し、手術当日が過ぎていった。
次回、リハビリ開始とICUの追い出し。