こんばんは。


今回気になったニュースはコレ


高校野球の“タイブレーク制”導入案で


日本高野連が延長戦で人為的に走者を置いて早期決着を図る特別ルール「タイブレーク制」の導入にかじを切った。硬式は春夏の甲子園大会につながらない春季地区大会から全国一律でスタートすることを決め、軟式は今夏の全国選手権で始める案をまとめている。選手の健康管理を目的に、甲子園大会での採用も日本高野連は視野に入れているが、全面的な導入への道のりは依然不透明だ。



 タイブレーク制の導入の背景には投手の負担軽減の目的がある。

 2014年秋のプロ野球ドラフト会議で楽天から1位指名を受けた済美(愛媛)の安楽智大投手は、13年春の選抜大会で3日連続を含む5試合に登板。合計で772球を投げさせたことに対して、一部で「酷使させ過ぎ」などと批判の声が上がった。

 また14年8月には軟式の全国選手権準決勝、中京(岐阜)-崇徳(広島)が延長五十回まで続き、両校のエースがともに4日間で合計約700球を投げ、選手の健康管理が大きくクローズアップされた。ただ多くの大会は順延できる日数に限りがあり、これまで選手、とりわけ投手の負担を減らす抜本的な対策は取られていなかった。

 そこで持ち上がったのがタイブレーク制だ。例えば延長戦で1死満塁から始めれば、得点が入りやすく決着がつきやすい。現在は国民体育大会などですでに採用されている。

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 しかし、ゲームの流れを寸断するタイブレーク制には賛否がある。昨年7月に日本高野連が加盟校に対してアンケートを実施したところ、硬式野球での導入について49・7%の1964校が支持したが、条件付きの賛成が少なくない。

 「数々の名勝負を生んだ一つの要因は延長戦」という反対意見もある。古くは延長十八回の末、再試合にもつれた1969年夏の全国選手権大会決勝の松山商(愛媛)-三沢(青森)。最近では同じく夏の決勝で再試合に及んだ2006年の駒大苫小牧(北海道)-早実(東京)があった。タイブレーク制でこうした試合を見られなくなる懸念もある。

 「障害予防の観点や、いい選手を育てるという意味から言えば賛成」。延長十七回に及んだ1998年夏の準々決勝のPL学園(大阪)戦など多くのドラマを演じてきた横浜の渡辺元智監督(70)は導入に理解を示しつつ、こうも付け加える。「(試合の中で)限界までトライし、頑張った経験が社会に出てから生きてくる。もう少し研究の余地があると思う」

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 「体が未成熟な中高生で肩肘を痛めてしまうというケースがあまりに多い」。横浜南共済病院(横浜市金沢区)のスポーツ整形外科部長で、プロ野球の横浜DeNAベイスターズのチームドクターも務める山崎哲也医師(53)はこう指摘する。

 投球障害の患者を診察するのは、年間500~千件。その多くが中高生だ。最近では、高校の強豪校に進学を目指すあまり小中学生のうちから肩肘を酷使、故障するケースもある。山崎医師は「ピッチャーの球数は医学的には制限した方がいい」と踏み込み、「思い切り投げたときに靱帯にかかるストレスは死体の靱帯を切るのと同程度。トレーナーなどがしっかりモニタリングできるシステムが必要」と断言する。

 日本臨床スポーツ医学会は中学生で1日70球、週350球、高校生で1日100球、週500球などとする全力投球の目安を提言。米大リーグ機構(MLB)も昨年11月、球数制限、登板間隔の日数などを定めたアマチュア選手向けのガイドラインを作成している。

 ただ、山崎医師は投手が一人しかいない公立校などを例に挙げて「高校野球が現行の大会運営を続ける限り、難しいだろう」と言及する。「高校野球は学校教育。そこで壊してしまうのは疑問を感じる。米国では細かく球数が規定されているが、日本で導入は難しい。独自のものをつくっていかなければいけない」と話している。


【記者の視点】限界挑む舞台とは=運動部・須藤望夢
 炎天下、極限の緊張感。「早く開放されたい」。昨夏の高校野球の全国選手権神奈川大会で5試合、計752球を投げ抜いた、ある公立校の元エースはしかし、「野球を本格的にやるのは高校まで。壊れてもいいから最後まで投げ抜くつもりだった」という。

 限界への挑戦こそスポーツの神髄だろう。戦い抜いた彼には賛辞の言葉しか浮かばないが、だからこそ今一度考えたい。その舞台が学生スポーツの場にあっていいのか、と。

 一野球ファンとして延長戦の激闘には醍醐味を覚えるが、その裏で、未成熟な体を限界まで酷使し、将来を潰した選手がいることも事実だ。高校卒業後に戦いの場を求めないとしても、ぼろぼろになって戦う若者の姿は痛ましいし、彼らの戦いに過度に娯楽性を求めるのもどうかと思う。

 「高校野球の投手起用には無理があると考える。とことん投げたいのは分かる。僕が投手でも甲子園のためなら壊れてもいいと思ったはずだ。だからこそ指導者の判断、管理が必要だと思う」。日米の野球を知る元大リーガーの松井秀喜氏はこんな言葉を記している。タイブレーク制を導入したから、それで終わりではない。選手の努力と覚悟を最大限尊重しながら、メディアを含めた大人たちが未来を守ってあげなければならない。

 もう一度、あの夏に戻りたいか。そう問うと、元エースは苦笑し、言った。「今は嫌だけど、もう少ししたらやりたいなって思うかも」。野球はいつになっても魅力的なものだ。その思いを志半ばでついえさせてほしくない。

◆タイブレーク
 野球やソフトボールで、早期決着を目的に延長戦で人為的に走者を置く特別ルール。高校野球では明治神宮大会、国体などで導入されており、延長十回以降の攻撃を1死満塁の状態から開始する。社会人の都市対抗大会では2003年から実施。国際大会では08年北京五輪のほか、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも09年の第2回大会から採用された。



 昨年の夏の大会あたりから物議を醸し出した「タイブレーク制」ですが、個人的には賛成でも反対でもございません。この”問題”の焦点は「球数制限」


 反対という意見には「名勝負がなくなる」的な事や、「今までの野球の概念が崩れる」的な事が原因のようです。これに関してはタイブレーク制が導入されれば、その中から生まれる「名勝負」もあり、また今までの野球の概念も、例えとして合っているかわかりませんが、プロ野球でも「CS制」の導入で、未だに賛否はありますが、色々な注目度(視聴率、動員数)という点では成功といってイイでしょう。ただ、野球好きとしては反対意見もわかります


 ただ、「賛成」という方の意見に疑問を持つことも多々あります。なぜなら「賛成」を唱える殆どの人が部外者で、中には「あまり観ないけど常識的に考えれば」という意見が多く、野球経験もないのに「ありえない」と発言する尾木直樹氏の意見には興醒めでしました。中にはダルビッシュ有のように、元球児からの学年別の球数制限などというツイッターでの発言もありましたが、現場サイドは一定の理解は示しつつも、諸手をあげて賛成というわけではございません。


 別に部外者に理解がないと言いたい訳ではなく、タイブレーク制に賛成の方の意見の大筋は「炎天下の中、成長途中の若人が想像を超える肩の酷使はいかがなものか?」というもの。仰るとおりです。そうでしょう。正論かもしれません。ただ、高校野球のようにある意味、「宗教的」なものに対して正論で語っても所詮は愛のない正論です。またメジャーへ渡った日本のスター投手の怪我やメジャーへ行かなくてもプロ入りした有望な投手も高校時代の球数制限からの肩の酷使が原因という意見をよく聞きます。中にはメジャーの関係者が「ありえない」的なコメントも新聞に載っていることがあります。


ここで最後に。高校球児は99%はメジャーへ行きません。またプロ入りする選手も95%くらい(もっと高いかも)。また85~90%の球児の野球キャリアは、この高校時代で終わります。パーセントの数字はおおよそですが、言いたいのは高校野球はプロの為でもメジャーの為でもなく、純粋に野球を愛する少年達のためのものであり、正論を振りかざす部外者や、その後を有望されるエリートのみを優遇するものではありません。


 だからと言ってタイブレーク制反対というわけではございません。もしタイブレーク制を導入するのであれば、以前にタレントの伊集院光さんがラジオで仰っていたように導入3年前には決めたほうがイイという意見はわかります。中学生が高校へ入学する前に決める事で、高校球児に混乱を招かない方法を願いたいものですが。