めっちゃスリリングかというと、そうでもない。
完璧なサスペンスかというと、そうでもない。

見る人にとっては「何故?」や「ありえな出来事や出会い」もあるので、不完全燃焼になりがちな映画かもしれません。もう少し解きほぐしてほしい…。そんな感じにもなります。

でも逆に言えばそれが「伊坂ワールド」。突っ込みどころ満載でも、小さなことを気にしなければとても繊細で妙に気の利いた映画です。
たとえば、子供が嫌いな食べ物としてあげる「きゅうり」と「ピーマン」。
たとえば、「よくできました」と「大変よくできました」。

オーバーリアクションすぎないコメディな部分も含まれていて時より笑えるし、何よりも逃亡劇がとてもリアルに感じられます。素人が逃げたらこんな感じなんだろうなぁとハラハラしながら見てました。
それだけじゃありません、「オレの武器は人を信じることだけだから…」って言葉に考えさせられることもあります。

キャスティングもよかったですね。
もはやゴールデンコンビとでも言っては過言ではない堺雅人と竹内結子。
「ジェネラル・ルージュの凱旋」で実証済みです。
残念なのは香川照之が「カイジ」とかぶってしまったなぁと思いました。
そう思ったのは僕だけではないはずです。

極端に「あ~面白かった!」って感激があるわけじゃないけど「伊坂ワールドってイイよね」って安心して見られる映画です。