3時間30分?途中で休憩はありましたが、長いとは感じられないほど、のめり込める作品でした。

キャストもすごかったですね。渡辺謙、三浦友和、宇津井健、加藤剛、石坂浩二、西村雅彦、鈴木教京香、松雪泰子、大杉漣、香川照之など

親方日の丸を背に、傲慢な運営をするNAL。お客様のため、会社のためを思い、我を貫く恩地。本来の会社のあるべき姿を訴える恩地に対して、出る杭は打たれ、左遷を繰り返させられる。
家族からバッシングを浴びようとも、貫いていく恩地には頭がさがります。しかしバッシングをしながらも主人を支えて続けた妻や子供たちの思いには、もっと感動しました。
結局は、家族の支えあってこそ、貫けるのだと。

それに比べ、ただのパフォーマンスで会社の言いなりになって行く行天。

NALはJALがモデルになってますが、JALだけじゃなくて、郵政やNTT、JRなどを含む元は国営であった会社や世界に名を轟かす有名企業などは、一般市民にはわからないだけで、日常はあんなものなのだと考えさせられます。

大阪の紡績企業からNALの会長に抜擢された、国見も恩地の同じ考えであって、あれだけの役職に付いていながらも、排除されてしまう「国のシステム」には、いささか腹も立ってきます。

政治家、企業の中で「国民」「エンドユーザ」のために努力する人は、排除されてしまう…これが現代社会なのだろう。

ニューヨークの動物園で「世界一獰猛な動物」として動物を見て回っている人間を、檻の中の動物に見立ててプレートが飾られているのは、なるほど!と思いました。

最後に、国見の配慮で御鷹山の事故の遺族係りに恩地が復帰したにもかかわらず、ナイロビ飛ばしてしまう恩地の旧友の行天。
その時の恩地の行天に投げかけた言葉が印象的でした。
「行天…お前、小さい人間になったなぁ」

海外を左遷で回った恩地にとって、アフリカで切磋琢磨しながらも、延び延びと生きている動物たちに、人間の本来生きていく様を見たのでしょうか。

AUに短期ステイした人間から見ても、日本という国は物質こそ溢れ返って幸せそうに見えるけれど、それがなければ何も残らない貧しい国だとわかりました。

恩地が最後に行天に向けた言葉が理解できた気がしました。