原作はフィリップ・プルマン。1995年に第一部が
発表されて以来の世界的ベストセラー。
児童文学界のアカデミー賞と言われるカーネギー賞で、
過去70年の歴史におけるベスト1に選ばれるという快挙を達成し、
児童文学が一度も受賞したことのなかった権威ある
ウィットブレッド賞をも受賞したツワモノ。
イギリスでは、あの「ハリーポッター」を抜くほどの傑作で
「黄金の羅針盤」はファンタジー・アドベンチャーの第一部。
主人公のライラは、オーディションで1万5,000人以上から
選ばれた期待の新星ダコタ・ブルー・リチャーズ。
子役はダコダにつきるのか?
コールター夫人を演じるニコール・キッドマンをはじめ、
アスリエル卿を、6代目ジェームズ・ボンドのダニエル・クレイグ、
魔女セラフィナ・ペカーラにはエヴァ・グリーン、
気球乗りのリー・スコーズビーにはサム・エリオット、
名優イアン・マッケランが、ライラと固い友情の絆を結ぶ
鎧熊のイオレク・バーニソンの声を演じている。
実力派俳優陣が固めているため、児童ファンタジーながらも
手抜きのない深みのある作品となっている。
“ダイモン”と呼ばれる守護精霊が目に見えて人に寄り添ったり、
中世近未来を連想させるような、科学と魔法が融合したパラレル
ワールドを舞台に、少女ライラが運命の冒険へと旅立つ姿を一部では
描いている。
ボクは、こういった昔と未来が融合したパラレルワールドが好きだ。
ダイモンとは、人間の分身のような存在で動物や虫などの姿をしている。
人間が幼いうちは、子供の絶えず変化する性質を象徴するかのように、
あらゆる姿へと変身するので、その様子や友達のように話しているのは、
パートナーみたいでオモシロい。また動物もかわいい。
その針は真実、または未来そのものを指し示し、使う者の心に生じた
質問に答えることができる「黄金の羅針盤」。しかし、その多くは
教祖によって剥奪・破壊され残るはたったひとつで、また羅針盤を
読めるのもライラ一人だけだった。
そのためゆえに、コールター夫人につれていかれるのだが、
それが冒険の始まりとなる。
お転婆で嘘つきな少女ライラは、鎧熊のイオレク・バーニソンを味方に
つけるため天性を活かしたフェイクなどで北の地に住む鎧熊族の王のところへ
乗り込むところや、ゴブラー(人さらい)族の北のアジトへ、
ロジャー助けに行くところなどは見ている方までドキドキしてくる。
まるで、立ち入り禁止区域に入って、見つからないように
しているかのような気分。
気球乗りのリー・スコーズビーが、イオレクのことを教えたり、
ライラにアドバイスをするシーンがあるのだが、突然すぎて
少々違和感があった。ちょっと残念だ。
またゴブラーから子供たちを救ったのにもかかわらず外へ出たら、
狼族に囲まれてしまうピンチのシーンで、ジプシャン族や、魔女族に
助けられるシーンは鳥肌モノ。
少々スケールは小さいが「ロード・オブ・ザ・リング」を連想させる。
ラストはロジャーとイオレクと気球乗り次へと向かうとこで
終わるのだが、後味が悪いものではなく逆に次への期待感が増えてしまう
くらいだった。
全体的には、細かい世界観まで描いている分、その世界が理解しやすく
後々起こる事件の真相が良くわかるのだが、丁寧に描きすぎているだけに
肝心な全体像がややボヤけてしまっているようにも思える。
でも、ファンタジー世界に思いっきり浸らせてくれる作品で、
久々に没頭できる作品だと思った。
「ナルニア国物語」よりは面白いと思う。