異能バトルは日常系のなかで
神級異能の無駄遣いって、超かっけー!
異能に覚醒めた俺たちは、全力でこの日々を遊ぶ――。
だがそれだけじゃない新・異能バトル、始まる!!
俺を含めた文芸部の五人は半年前、とてつもない能力に目覚めた。
そして壮大なる学園異能バトルの世界へ足を踏み入れ――なかった!?
「なんも起きねえのかよ!」
異能に覚醒してみたものの、日常は完全無欠に平和だ。世界を滅ぼす秘密機関などない! 異能戦争もない! 勇者も魔王もいやしないっ!
だから俺たちはこの超級異能を、
「黒炎の龍にヒゲ生やせたーっ!!」
気軽に無駄遣いすることに決めた。
だが異能バトルに憧れ続けた俺には分かる。真なる戦いの刻が......。
「はぁ、バッカじゃないの?」
神スキルとたわむれる何気ない日常。
だが、それだけじゃ終わらない新・異能バトル&ラブコメ、開幕!!
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泉光高校文芸部の四人+一人はある日の部室にて、突然謎の光に包まれ、その瞬間から異能の力に目覚めてしまう。
寿来にとっては憧れだった異能。特別な力を手に入れた文芸部メンバー達は初めこそ不安を感じていたものの、闇の組織が動き出す訳でも世界の命運を賭けた戦いが始まる訳でもなく、半年経った今でも至って平和な日常が続いていた。
まさしく能力の無駄遣い、異能は普段の日常生活において大いに持て余すもの。
灯代は時間停止、鳩子は五属性の操作、千冬ちゃんは万物の創造、彩弓さんは物質を在るべき姿に戻す、と四人の力は世界の均衡を乱すほどに強力。しかし、その異能を手にしたときに誰よりも冷静だったのは寿来であった。何も黒焔<ダークアンドダーク>が使えないものだったからではない。厨二病であるが故に、以前から異能というものについて誰よりも妄想し、考えてきたから。それが役に立ったということだろう。不安を抱くみんなを落ち着かせ導く寿来、かっけー。
部室前に落とした「Bloody Vivre」を拾われたことで、灯代が厨二病になってしまった原因とも呼べる人物、義兄の桐生一と出会う寿来。他人に黒歴史ノートを見られるなんて……死にたい。そう思ってしまうのは必然。しかしながら、桐生さんは寿来とタメを張るほどの厨二だった(ように見えた)。ファミレスにて、お互いの設定を重ねてノリノリで厨二トークをする様は何より楽しそうで、見ているこっちまで楽しい気持ちになる。神へ抗うとかかっこいいこと言ってるけど、本人フリーターですらなくニートなんだよね…… そう思うと途端にダメダメに見える。ニートってワードの力ってすごい!(逆の意味で)
スペル間違ってバイブルがビブレになってるのくだりめっちゃ笑った。なんだよ血塗られたショッピングモールって! ダサっ!(笑)
生徒会長、工藤美玲。寿来の言葉を全て鵜呑みにして勝手にすごい奴だと思っちゃう辺りが超残念(笑) でかい口叩いた割に彩弓さんにあっさりボコられちゃったしね。うん、あの……ドンマイ!
後半過ぎた辺りからお腹いっぱいになったりもしたけど、厨二全開なこのノリは結構好きだった。なんだかんだ言ってやっぱ寿来がかっこいいんだよなぁ。主人公に好感が持てるかどうかって読む上ですごく大事だと思います。
桐生さんと精霊リーティア、一体何者なんだ……? 重力を操る強力そうな異能使ってたし。「F」を一人で壊滅させたとかなんとか言ってたのも気になる。
異能バトルに文芸部メンバー達が巻き込まれていくのか、気になるところ。痒い所に手が届くというか、日常系ラブコメが根幹にありつつもバトルも出来る。そういう物語の設定に上手いな~と思わず唸ってしまった。どちらもこなせるは中途半端になる可能性もあれど、相乗効果でより魅力的な作品になる可能性もあるかと。後者になることを期待しつつ。
覚醒した(?)寿来の黒焔の力とは果たして……? どう考えてもしょうもないことにしかなってなさそうですが(笑)
ジャンプネタが多くてちょっとアレ。特に一番多かったドラゴンボールネタ、個人的に全く分からないからそこは地味にストレス。誤字は……まあしゃあないか。
続きも買って読もうと思いますよ。それにしても、いやぁ029さんのイラストは素晴らしいですねぇ!(キラキラした眼差しで)
灯代は隠れ厨二病ツンデレ可愛い。