「女子高生店長のコンビニは楽しくない 4」感想 | self-complacency

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ライトノベルの感想を書いてました。

女子高生店長のコンビニは楽しくない 4
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女装高校生りんな、人生最大の決断。
「三か月後に――」 とこももは言った。「お店を閉めることになりました」 女子高生コンビニ店長・こももに接近するために、女装して「チョコマート」に潜入したりんな。しかし、赤字経営が祟って騒がしくも楽しい女装ライフにとうとう終止符が打たれる!? ――そして、迎える決断の日。りんなは己の名誉と人生を賭けた販促を提案する……。愛と青春の「女装高生コメディ」最終巻!  「ずっと好きでいられてよかったああああああ―――――っ」

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いつまでもこのままチョコマートでアルバイトを、早梨やガッちゃん、こももとの楽しい日常を送っていけると思っていた。しかし――「お店を閉める」こもものその一言で状況は一変する。「はい、そうですか」とすぐに納得出来る者は誰もおらず、けれどもお店が赤字で客の数も少ないのは事実なので反論は出来ない。
競合店のスーパーは深夜営業を始めた、新しく道路が出来たことによってチョコマートの前を通る人の数も減ってしまった、という厳しい状況。故に立ち上がる、何よりも売上を上げるために。りんな達は経営を黒字にするため値入率、客単価の研究、果ては見物用の透明ハウス作りまでに手を出していく。

姉の潤子が行っていた「何でもない日常生活を配信すること」にヒントを得て、りんなはチョコマート内にハウスを作ることを思いつく。身体張ってんなほんと…… こももと密着とかうらやまけしからん!

日販百万円。そのどう考えても辿り着くことのできない数字を目の前にしてもりんなは諦めない。店長を信じるチョコマートの店員、戸浪りんなとして。こももを愛する一人の男、南里湊人として。りんなは自らの積み上げてきたものを賭けて、日販百万を遂げるためのとある方策を提案する。

あれだけ発想が男みたいだの発言がおかしいだの言われていて、よくガッちゃん以外の人に女装してるのバレなかったなぁ、と(笑) こももが純粋な娘じゃなかったらアウトだったと思うわー、わー。

みんなでチョコマートが続けられるように、と本気で悩んで足掻いて倒れそうになってもまた立ち上がる。みんな心からチョコマートやこもものことが好きなんだとひしひしと伝わってきて、すごく感動しました。
戸浪りんなの、南里湊人の決意が起こした最後の奇跡とでも言うのだろうか。とにかく綺麗なラストでした。
この先、湊人とこももの関係はどうなっていくのかな……と妄想したりするのもまた楽しい。
アットホームであたたかい、そしてときにおかしな良いラブコメディでした。素敵な物語をありがとうございました。つづり先生、お疲れ様でした……!

茶みらいさんのイラスト好きだっただけに、終わってしまったのは残念。また他の作品で挿絵を描いてくれることを願っております。